近代イギリス音楽の祖エルガー没 ― 1934年2月23日 独学で音楽を習得した地方の作曲家から出発して、近代イギリス音楽の開祖となったエドワード・エルガーの命日。教会のオルガニストだった父の希望で、法律家を目指したエルガーだが、血は水よりも濃かった。初期の名作《愛の挨拶》を贈ったアリスとの結婚を機にロンドンに出て苦節10年。《エニグマ変奏曲》というユニークな作品で注目され始めたエルガーの人気を一気に高めたのが、5曲から成る行進曲集《威風堂々》であった。 最も有名なのが、エドワードⅦ世の戴冠式頌歌として1902年に書かれた《第1番》。華やかな祝典の雰囲気を気品溢れる旋律で描いた行進曲だが、特に中間部の緩やかな旋律は国王を感動させ、すぐさま《希望と栄光の国》と題する合唱曲に改作された。これも大人気となり、イギリス国民の愛唱歌として音楽祭などのフィナーレや、サッカーのサポーターたちの応援歌として絶唱され続けている。 行進曲《威風堂々》第1番 『威風堂々』の原題『 Pomp and Circumstance Military Marches 』の「 Pomp and Circumstance 」とは、シェイクスピアの戯曲「オセロ」第3幕第3場のセリフから取られたタイトル。 "The royal banner, and all quality, Pride, pomp, and circumstance of glorious war!" 堂々たる軍旗、輝かしい戦場におけるいっさいのもの その誇り、壮絶な光景! 第1番の中間部の旋律は特に有名であり、日本では単に『威風堂々』と言った場合は第1番あるいはその中間部の旋律を指すことが多い。イギリスでは、この中間部の旋律は『 Land of Hope and Glory (希望と栄光の国)』と題され、第2の国歌として愛唱されている。 http://recordsound.jp/images/item/w270/19500/19436_1.jpg February 23, 2020 at 07:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1025192.ht