通販レコードのご案内 ため息が出るほど巧く、誠実な官能美に酔いしれる! 優れた資質を持ちながら49歳で亡くなったフェラスの全盛期の代表的録音。カラヤンとベルリン・フィルハーモニーの重厚な演奏も聴きものです。
《ブルーライン盤》GB DGG SLPM138 930 フェラス&カラヤン ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 ブラームスの他の協奏曲と同様に、技巧的に至難で内容的にも渋いにもかかわらず、精神的に極めて充実した作品として親しまれている、ロマン派の屈指の名曲であるヴァイオリン協奏曲。この協奏曲を聴くときの基準の一枚として申し分ない、カラヤンの録音史の中でも白眉の傑作。カラヤンがベルリン・フィルの常任に就いて約10年であり、彼の録音は気合と覇気に溢れた構えの大きい緊張感を漲らせたオーケストラと一体になり、フェラスは繊細な美音でブラームスの情感豊かな世界を紡ぎ出している。1964年の録音で、これがフェラスとカラヤン指揮ベルリン・フィルによる録音のスタートとなったものです。フランスの往年の名匠の一人がクリスチャン・フェラスは、一時期カラヤンのお気に入りとして数々の録音を行った事で知られている。清楚で良く歌って、しかも過剰なヴィヴラートに陥らない抑制された情熱と官能さえ感じさせて、瑞々しいテクニックがどこまでも爽やか、ヴァイオリンの鳴りは繊細ながらも高い精神性に支えられた秀演で、カラヤンが万全のサポートをこなしている。カラヤンのバックは雰囲気タップリ、ソロを包み込む豊満さ。やや濃厚で暗めですが、冷涼な味わいにも不足しません。この味わいの濃さは、カラヤンの個性に間違いありません。
本盤の存在価値はフェラスの、とにかく美しいヴァイオリンの音色だけが魅力ではなく、実は一番耳を奪われるのは第2楽章冒頭のオーボエ・ソロの天国的な美しい響きです。ローター・コッホのオーボエの美しさはやはり格別。そこにフルートが入り、そしてヴァイオリン独奏が始まる ― ピアノ協奏曲でチェロを引き合いに出したように、ヴァイオリンに木管を絡める ― という、実にブラームスらしい凝りに凝った音楽です。そしてまた、この楽章のヴァイオリンの甘美さは例えようのないもので、フェラスの切ないまでの美音を聞いていますとカラヤンが、この時のブラームスの録音集にピアノ協奏曲を含まず、なおかつフェラスを起用した意図がわかるような気がしてきます。ブラームスにはフェラスの美音に端正を求め、シベリウスでは奔放に解き放つカラヤンの巧みさは、このブラームスでのオーケストラとヴァイオリンが四つに組んだ手加減のなさに感じるものと同じもの。
これがまた60年代の古い録音とは思えない最高レベルの聴き応えの有る音で聞くことができることが、50年を過ぎた今でもブラームスのヴァイオリン協奏曲を代表している最大の理由でも有るでしょう。ブラームスの重厚な世界を聞いて最高の満足感を得られます。
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February 26, 2020 at 10:30PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1010520.html
via Amadeusclassics
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