ラジオで初のオペラ放送 ― 1927年2月24日
日本のラジオ放送が開始されたのは、1925(大正14)年3月1日。それから数年の「ラジオ創成期」から、クラシック音楽は貴重なコンテンツだった。翌年の1月には、NHK交響楽団の前身である新交響楽団の演奏会が生中継されている。お断りするまでもないが、当初は全ての番組が生放送だった。マイクの近くで歌える、歌ものは人気があり、放送もしやすかったのか、27(昭和2)年のこの日には初のオペラ放送が行われた。演目は、マスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》で、主役のトゥリッドゥをうたったのは、当時の浅草オペラの大スター、テノールの田谷力三。「田舎の騎士道」という意味の《カヴァレリア・ルスティカーナ》は、実際に起こった事件を題材とするヴェリズモ・オペラの名作。素朴な村の青年同士が、娘をめぐって決闘して果てるという悲劇である。その間奏曲は、間もなく訪れる主人公の死を予告する、美しくも哀切極まりない調べ。歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
『カヴァレリア・ルスティカーナ Cavalleria Rusticana 』は、マスカーニによる1890年初演の歌劇。原作は、1880年に出版されたイタリア人小説家ジョヴァンニ・ヴェルガによる同名の小説及び戯曲による。物語では、兵役帰りの若く貧しい男トゥリッドゥと、彼の元許婚者であった人妻ローラとの男女関係の成行、そしてローラの亭主アルフィオとの決闘が描かれる。劇中で演奏される楽曲の中でも『間奏曲』が特に有名で、単独での演奏機会も多い。その美しい旋律には後に歌詞が付けられ、『マスカーニのアヴェマリア』としても広く知られている。
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via Amadeusclassics
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