通販レコードのご案内 激しいパッセージでも聴く者を緊張させない。音の曲線が光っているように感じられるほど、美しい。その音はするりと耳の中にすべりこみ、身体中に幸福感が広がっている。 《"360SOUND"STEREO 米2EYESグレイ盤》US COLUMBIA MS6201 ジノ・フランチェスカッティ オーマンディ フィラデルフィア管、ミトロープロス ニューヨーク・フィル、ウォルトン・ヴァイオリン協奏曲/ラロ・スペイン交響曲 ジノ・フランチェスカッティのヴァイオリンは聴く者を幸福な気分にさせる。その音は豊潤で、艶やかで、屈託がない。深刻ぶったところもない。心地よさを伴いながら耳の中にすべりこみ、鼓膜に浸透し、全身に行き渡る。 正直なところ、彼が遺した録音には、「この作品なら、この1枚さえあればいい」といいたくなるほど決定的なものは、ほとんどない。サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番や「序奏とロンド・カプリチオーソ」、ヴィターリのシャコンヌ、ラロのスペイン交響曲、ベートーヴェンの「クロイツェル」、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番など、ファンから絶賛されてきた録音はいくつかあるが、「無双の名盤」とはいい切れない。 ただ、そのヴァイオリンには、彼にしか出せないベルカントのエキスがたっぷり含まれている。演奏、解釈の精神性やら、音楽の深淵に誘う濃厚さや深刻さとは一線を画した美音と名技が素晴らしい。バッハにしても、モーツァルトにしても、「もしパガニーニが弾いたら、こんな風になるかもしれない」と思わせる無色の気迫のようなものが、音楽の底を覆っている。 http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-23717.jpg September 30, 2020 at 10:45PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1115333.html via Amadeusclassics