カッチェンによるブラームスの演奏は高度な技巧と確かな様式感を軸とした充実した名演。
《英 ワイドバンド ED3盤》GB DECCA SXL5160 カッチェン ブラームス・ピアノ名曲選 気軽に楽しめる“ワルツ集”、“2つの狂詩曲”、“4つのバラード”の好選曲。驚異的な技巧と深い教養に裏打ちされた音楽的な表現が印象深いカッチェンの演奏は、抒情的な感情に溺れることなく理知的で、現代人の感覚にもストレートに訴えかけてきます。レパートリーは古典から現代曲まで、またスラヴものからドイツ、フランス、アメリカものまで幅広く、DECCA には40数枚のLP録音を残しました。洗練されたカッチェンの美しきピアニズムは本盤でも遺憾なく発揮され、淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。数々の英 DECCA のオーディオファイル・レコードで、カッチェンは弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。速めのテンポで力感・量感のあるタッチで弾ききる演奏に、冒頭から終わりまで息もつけぬ緊張感を味わえます。英 DECCA 社は、この米国から来たピアノ演奏の逸材を起用したレコードの売上から利益を計上したと関係者から聞いた事が有ります。ちなみに、このブラームスはピアノ作品完全全集として後に集大成され10枚組( narrow band ED4 )でリリースされていることから、裏付けているようなものです。1969年、わずか42歳で帰らぬ人となったことは残念で仕方ないですが、DECCA 録音のブラームス・ピアノ部門はカッチェンが背負っていたと云っても過言でない。その短い生涯の間に、ブラームスのピアノ独奏曲とピアノ協奏曲のすべてを録音した。これはブラームスを愛好するものには大切な記念です。
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September 28, 2020 at 12:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1030341.html
via Amadeusclassics
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