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3月, 2022の投稿を表示しています

共演者も豪華*無上の創造芸術 カザルス&シュナイダー マールボロ祝祭管 バッハ・ブランデンブルク協奏曲全曲

歴史の中から楽譜を拾い上げ「チェロの旧約聖書」へと育てた男。 《米 ダーク・ブラウン、ゴールド 6eyes 盤》US COLUMBIA M2S731 カザルス&シュナイダー バッハ・ブランデンブルク協奏曲(全曲)  太陽にも大地にもたとえられるのは、平和だなぁと感じさせるから。ゴリゴリした通勤電車から開放されて職場に駆け込む前に、ほんの20分時間を作って聴いたらどんなに活き活きと一日をやり抜けるだろう。  チェロの神様、パブロ・カザルスは、スペインのカタロニア地方ヴェンドレル生まれ。4歳でピアノ、ヴァイオリン、フルートを演奏し、11歳の時にチェロに出会った。カザルスの母は息子の才能を見抜き、音楽家への道を歩ませ、のちにバルセロナでガルシアに師事した。13歳の時に忘れ去られていたバッハの無伴奏チェロ組曲を発見。12年後に発表し大きな反響を呼ぶ。 ― 13歳のときにバルセロナの薄汚い楽譜店でこの無伴奏の楽譜偶然発見、古い昔の練習曲と言われた通りに徹底的に貪りつくまで研究、納得して披露したときは25歳になっていた。その頃にはこの楽譜は単なる練習曲だろうと、チェロ音楽の聖典だろうと夢中になれる音楽だったろう。ちなみに、カザルスが初めて全曲をレコードにしたのは、彼は60歳になっていた。少年時代からの思い出で、平和な気持ちになれたことだろう。録音は2番、3番が最初の年、特徴的な1番と6番を挟んで、1936年から39年までの3年をかけた。その意図するところを聴きとって貰いたい。  1920年にバルセロナ・カザルス管弦楽団を設立して指揮活動も始めたが、1939年にスペインが独裁フランコ政権に支配されると、これに抗議してすべての公開演奏を拒否し、寒村プラードに閉じこもった。しかし、第2次世界大戦終結後間もなく、1947年のバッハ生誕200年に世界中の音楽家がカザルスのもとを訪れ、プラード音楽祭が開催された。その後、母の故郷でプエルト・リコ・カザルス音楽祭、更にマールボロ音楽祭を毎年のように開催し、カザルスはそこで指揮棒を持って数々の名演を繰り広げていた。  マールボロ音楽祭は若手音楽家と著名音楽家と共同で行われる膨大な音楽祭で、公演は1週間あたり60回から80回のリハーサルの後、約5週間、毎週末に行われる音楽祭です。その音楽祭は米 CBS と米 COLUMBIA

オイストラフのもう一つのトリプル◉オイストラフ・トリオ&サージェント指揮フィルハーモニア管◯ベートーヴェン・三重協奏曲

DE COL SMC80871 オイストラフ・トリオ&サージェント ベートーヴェン・三重協奏曲 ◎全員が大将だったカラヤン盤と比べ、こちらは室内楽的なアンサンブルを強く感じさせます。しかし技巧的な完璧さは全くひけをとらず、旧ソ連ならではの超人的演奏を聴かせてくれます。 DE COL SMC80871 オイストラフ・トリオ&サージェント ベートーヴェン・三重協奏曲の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND . 1958年5月4日, ロンドン、EMIスタジオでのセッション録音。優秀録音、名演、名盤。盤はプロモーション盤で、状態が大変良い。「オイストラフ・トリオ」として活躍したスヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー(Sviatoslav Knushevitzky、1908–63年)のチェロ、そしてレフ・オボーリン(Lev Oborin、1907–74年)のピアノとの共演。サージェント指揮のオーケストラも、エヴェレストのシリーズを彷彿させる過激なエネルギーに満ちていて驚かされます。3人の独奏者の颯爽とした真摯な息吹を感じさせる見事な秀演です。 品番 34-18885 商品詳細 DE COL SMC80871 オイストラフ・トリオ&サージェント ベートーヴェン・三重協奏曲の商品詳細 . 商品名 DE COL SMC80871 オイストラフ・トリオ&サージェント ベートーヴェン・三重協奏曲 作曲 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン レーベル Columbia レコード番号 SMC80871 演奏者 ダヴィド・オイストラフ レフ・オボーリン スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー オーケストラ フィルハーモニア管弦楽団 指揮者 マルコム・サージェント 録音種別 STEREO ジャケット状態 EX レコード状態 M- 製盤国 DE(ドイツ)盤 カルテ(協奏曲) WHITE WITH BLACK LETTERING TEST PRESS, STEREO (160g), R

青春はモダニズムに溢れる★青春の憂いを解き放った マルティノン指揮パリ管 プロコフィエフ・交響曲7番

フランス人でなければ、出せない洒落たエスプリ。  発展的に解消してパリ管弦楽団に変わるが、それに比してもパリ音楽院管弦楽団の音色は、弦楽器のややくすんだ色調に軽やかな木管や金管が絡んでくる塩梅が実に味わいがある。アンサンブルは上手いとはいえないが、そこに人肌の音楽的情緒を感じるのだろう。それを渋味というのか。ロシアの音楽であるプロコフィエフをマルティノンが指揮すると、あたかもフランス音楽であったかのような色彩を感じる。プロコフィエフの音楽の背景にあるものに対して、過度にロシア的にならず、さりとてモダンにひた走るわけでもなく、エッセンスは漏らさず表現している。  青春の「憂い」も「感傷」も根底に明るさがあり、細かいことに拘らずに、存在感のある音色だけで惹きつける。イタリアの泣き笑いも、ドイツの精神性も、汗臭いロシアの大地からも解き放って、メロディーだけが色彩的でオーディオ的快感を満たしていく。パリ音楽院管弦楽団のプレーヤーらは、それぞれが自分の演奏に酔いしれ、お祭り騒ぎのような熱狂を帯びない。各楽器の個性は強く出ているものですから、幕末維新ドラマや「ラブライブ!」に代表される群像ストーリーの一人ひとりを追いながら聴く楽しみ方が出来て楽しい。 通販レコードのご案内 《仏ダーク・レッド銀文字盤》FR RCA 630.514 マルティノン プロコフィエフ・交響曲7番  色彩設定と音響造型にみせる鋭敏なセンスといい、あらゆるフレーズに注入された絶妙なニュアンスといい、その目ざましい魅力は失われていません。 残響を効果的に収めた録音も非常に雰囲気豊か。フランス人でなければ、出せないコクが滲み出ています。 ■ステレオ録音、モノラル盤。 通販レコード詳細・コンディション、価格 FR RCA 630.514 – Jean Martinon, Paris Conservatoire Orchestra - PROKOFIEV ‎– Symphony No.7 プロダクト レコード番号 630.514 作曲家 セルゲイ・プロコフィエフ オーケストラ パリ音楽院管弦楽団 指揮者 ジャン・マルティノン 録音種別 MONO 販売レコードのカバー、レーベル写真 DARK RED WITH SILVER LETTERING, MONO

思わず拳を振るってしまう☆ロンドン不滅の名盤 ケルテス指揮ロンドン響 ドヴォルザーク・交響曲第1〜9番(全曲)

通販レコードのご案内 クライマックスでは聞いていて思わず拳を振るってしまう! ― 不滅のロンドン ffss ステレオ名盤。テルアビブで水死しなければ指揮者の世界はケルテスを中心に動いただろうという言葉が大袈裟ではないと思わせる力作です。 《英ED4 ナローバンド盤》GB DECCA 6D1-7 ケルテス ドヴォルザーク・交響曲1-9番  TAS 優秀録音に推薦されている初発は ED1 ですが、アナログレコード入門のファースト・チョイスには本セットが最適。これをリファレンスにヴィンテージの森に分け入って未知の体験を堪能して欲しい。  とある英国の老エンジニアは、LPの音を料理に例えて「EMIは燻製で、Deccaは直火焼き」と言ったとか。本セットはイギリスプレス。オランダプレスもあるが、聴き比べると面白い。  テルアビブの海岸で散ったケルテスがベストパートナーだったロンドン交響楽団と残してくれた逸品。ホルンの名手、バリー・タックウェルも在籍していた当時のロンドン交響楽団は、技術はもちろん、表現力にもかなり高度なものがあり、また、英 DECCA の優秀な録音技術もあって、この作品本来のロマンティックな味わいを満喫することができます。重厚にしてややブラームス寄りのシンフォニックで構築力の勝った豪快なドヴォルザークで若々しさを感じさせるケルテス指揮下、ロンドン交響楽団がよく鳴っている。快感すら覚えます。1961年録音のウィーン・フィルとの《新世界より》が大評判を呼び、その続編として第8番がロンドン響と録音されました。 ― 以降、1967年に発売された再度の《新世界より》を含め、1968年の序曲集までも録音。 ― レコード芸術1964年2月号で推薦盤となり「オーケストラを完全に棒の統制下に収めて、意のままに動かしているようすが強く感じとれる。そして、彼の演奏は、この曲のロマンティックな情感を抑え、ダイナミックな面を強調している。」と評されました。  ケステスはブダペストに生まれ、リスト音楽院で大作曲家ゾルタン・コダーイに学んでいます。1955年からブダペスト国立歌劇場の指揮者となりましたが、1956年ハンガリー動乱で西側に亡命。1960年にアウクスブルク国立歌劇場の音楽総監督に就任し、1963年から亡くなるまでケルン国立歌劇場の音楽総監督を務めました。コンサート指揮者

ブルックナー・ファン必聴のケンペ マニア垂涎のクリップス 超弩級の隠れ名盤 ベニー・グッドマンの前衛音楽

ブルックナー・ファン、ケンペ・ファン、必聴の名盤。 通販レコードのご案内 CH exlibris EL16 607 ルドルフ・ケンペ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 ブルックナー:交響曲8番 ケンペらしい、ドイツらしい引き締まって美しい弦の響きと、意外に豪快な金管の組み合わせが絶妙な名演。スイスの高級レコード頒布会社Ex Librisから1973年に発売され、録音の優秀さでも話題となりました。権利関係が複雑なためか2000年代までCD化されず、幻の名演としてマニアの間で再発が待望された名盤のオリジナル盤です。 1971年11月12・13日チューリッヒ、トーンハレ録音。日本ではLP2枚組としてケンペが亡くなる直前の1975年に発売され、その解説を担当した評論家宇野功芳が「極めてユニークで内省的な演奏」と紹介しました。評判のクナッパーツブッシュや朝比奈、後年話題になったヴァントと聴き比べても、ケンペ盤は同じようなアプローチのようでいて、宗教性とか、虚心坦懐に音楽と向き合うとか、そういう言葉では括れない態度を感じます。ケンペは言う さがすべきではない。めぐり合うべきである。さがすということは、意識的な小細工を意味する。めぐり合うのは、作曲者とその音楽に対する献身の結果である。 〝内省的〟とは、神に畏怖しながらも、萎縮することなく対峙しているケンペの裸の心を評言している。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 指揮者の体臭は一切感じさせず、ここにあるのはウィーン・フィルの匂い立つような美しさがすべてだ。 通販レコードのご案内 GB DEC GOS604-6 クリップス ウィーン・フィル モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ(全曲) ヨーゼフ・クリップスは音楽の都ウィーン出身の名指揮者。ナチス政権に協力しなかったため、1945年の終戦後すぐにオーストリアの楽壇に復帰することができ、戦後ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とザルツブルク音楽祭を最初に指揮したひとりである。奇しくもクナッパーツブッシュ、フルトヴェングラー、ベーム、カラヤンはナチ協力の嫌疑で復帰が遅れた。その巨匠不在のウィーン・フィルを支えた名匠といえる。モーツァルト、リヒャルト・シュトラウスの作品を得意とした。 音楽とは貴族的(アリストクラティック)なものであり、庶民的(デモクラティッ

優美なスタイル☆得がたい感動 カサドシュ、セル指揮コロンビア響 モーツァルト・ピアノ協奏曲22、23番

音のきれいなピアニストでモーツァルトをきくと  カサドシュといえば、極めつきの美徳として知られていた、あの円くて、しっとりとした輝きがあって、粘っこさというものがなくて、しかもかさかさの無機的な感じを少しも与えない、軽くて、決して、軽っぽくないいわゆる真珠の玉をつらねたようなレガートの美しさというものが、あるにはあっても、少し重くなり、音の表面にも、真珠の比喩を続ければ、少し「病気になったような」淡い曇りがうっすらとかかったような気味があって、おやっと思ったものだった。  カサドシュといえば、私など ― いや私に限るまい、彼の少なくとも壮年期のあのピアノをきいたことのある人たちだったら、ラヴェルやドビュッシーといったフランス近代音楽のピアノの名作はいうまでもないが、恐らく、それにもまして、彼のモーツァルトを高く評価していた。  ロベール・カサドシュは仏ピアノ界の重鎮的存在。1899年パリに生れたカサドシュ( Robert Casadesus, 1899年4月7日 - 1972年9月19日 )は1922年からラヴェルと共同でピアノロールの録音を行い、欧州各地でラヴェルと共演した経歴を持つ。大戦中アメリカへ亡命した事もあって、米 Columbia に多くの録音を残した、これも米録音。モーツァルトのピアノ協奏曲第15番変ロ長調、同じく第17番ト長調、それに第26番ニ長調「戴冠式」と最後の協奏曲第27番変ロ長調の4曲をジョージ・セルの指揮で、クリーヴランド管弦楽団とコロンビア交響楽団に発売されたレコードの名義上録音している。が、どちらも実態はクリーヴランド管弦楽団だ。  冒頭に引用したのは、音楽評論家・吉田秀和氏の著作『レコードのモーツァルト』(中公文庫)から「音のきれいなピアニストでモーツァルトをきくと」と題した章から、カサドシュのことが語られている部分の妙出。吉田氏も奨めているが、もしまだカサドシュのモーツァルトを聞いていないとしたら《戴冠式》から聞いてみるのも悪くないだろう。カサドシュのレパートリーは決して広くなく、むしろ適した曲目はきわめて限られたものでした。彼はラヴェルと大変親しく、彼の曲目を重要なレパートリーとしたが、そのレパートリーにはドイツ音楽も多く、ベートーヴェンやモーツァルトも得意とした。それは、あまりにも整いすぎた音楽に感じられるほど楽曲の演

世相を映したジャケットのデザインも愉しみ◉ボスコフスキー指揮ウィーン・フィル◯ヨハン・シュトラウス・千夜一夜物語

通販レコードのご案内 とても紳士の集まりのウィーンフィルとは思えない演奏。素晴らしい録音、数あるボスコフスキー&VPOコンビ盤でも秀逸。 《深溝、オリジナル盤》GB DECCA SXL2288 ボスコフスキー THOUSAND AND ONE NIGHTS(千夜一夜物語)  ボスコフスキーこそが、楽団と共に成長した叩き上げのコンサートマスター ― 30年も勤めました! ― といえる存在で、ウィーン・フィルの面々は、いってみれば家族のようなもの。そんなこともあってクレメンス・クラウス亡き後のニューイヤー・コンサートを引き継いだのち、25年もの長きにわたってこの名物コンサートを指揮することになったのでしょう。ともかく優れたヴァイオリニストでもあり、弦楽器のアンサンブルも主宰していていたボスコフスキーだけに、ヴァイオリンを弾きながら指揮する姿は20世紀のヨハン・シュトラウス2世の生まれ変わりとしてウィーン楽団に齎した彼の功績は大きい。  名手揃いのウィーン・フィルの面々が、いつになくリラックスした様子でシュトラウス作品の演奏に取り組むさまが、本盤を聴く度に目に浮かびます。とても紳士の集まりのウィーン・フィルとは思えないくらいに。  ボスコフスキーのシュトラウス・アルバムは、発売当時の世相や中身の意図する狙いが表現されているジャケットのデザインも楽しみのうちです。 通販レコード詳細・コンディション、価格 GB Decca SXL2288 – Willi Boskovsky – Vienna Philharmonic Orchestra – Strauss ‎– Thousand and One Nights プロダクト 品番 34-19036 レコード番号 SXL2288 作曲家 ヨハン・シュトラウス オーケストラ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮者 ヴィリー・ボスコフスキー 録音種別 STEREO コンディション ジャケット状態 M- レコード状態 M- 製盤国 GB(イギリス)盤 1961年初発。 販売レコードのカバー、レーベル写真 ED1 (左上に ORIGINAL RECORDING BY ) SXL シリーズは SXL 2001 から始まる 2,000 番台、SXL

オーディオの拘り甲斐を感じる*ミルシテイン スタインバーグ指揮ピッツバーグ響 ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内 ヴァイオリンの貴公子と呼ばれたミルシテインの、この気品はオーディオにこだわって再生して楽しみたいものだ 《米Full Dimensional Soundロゴ盤》US CAPITOL P8313 ナタン・ミルシテイン ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲  演奏家としては同門のハイフェッツと同じく傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテンはヴァイオリンの貴公子と称される。同門のハイフェッツやエルマン比してアクは少ない。しかしその音楽は決して退屈なものではなく、時にはフランス流エスプリ色の強い堅固に構築された音楽の中からほとばしる情熱を垣間見せる。 「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。録音は大きくCAPITOLモノラル期録音と、英COLUMBIAに分けられる。どちらも良いが、CAPITOLは入手しやすい、これもレアではないが、何時聴いても惚れ惚れするソロ。時代の波に決して風化する事のない揺るぎの無いヴァイオリンだ。  当時勢いを伸ばしていた新興レーベルの米キャピトルと組んだ数多くのレコーディングでも抜きんでた名盤、メジャーレーベル慌てふためいたと言われています。この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあります。そんな目の前で弾かれているかのような実在感と緊張感があるのは、ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるからでしょう。汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ物凄い熱演を聴かされてしまうと、再生装置にこだわって楽しみたいと思うようになる。 録音:1955年1月19日ピッツバーグ、the Syria Mosque、セッション・モノーラル。ミルシ

ロマン的雄大さが発揮されている  カール・リヒター指揮イギリス室内管 ヘンデル・王宮の花火の音楽&二重協奏曲

18世紀初頭の優雅で魅力的なドイツ音楽やイギリス音楽を求め愛好する探求家向き 通販レコードのご案内 《独メタリック・シルヴァー盤》 DE ARCHIV 2533 151 カール・リヒター ヘンデル・王宮の花火の音楽/二重協奏曲  リヒター全盛期の録音だ。リヒターの演奏は、オリジナル楽器派よりもフルトヴェングラーのほうに近い。もちろんフルトヴェングラーのグラマラスなテンポ設定をシェイプアップしてはいるが、その弦楽合奏の神々しさなど実にそっくりである。 1973年録音の本盤、オーケストラはイギリス室内管弦楽団。ミュンヘン・バッハ管弦楽団でないこともあって、厳格さよりもロマン的雄大さが発揮されている演奏だ。 「2つの合奏体のための協奏曲第2番、第3番」は、2つの同編成の管弦楽のグループが両翼に配置され、オラトリオなどで聴き親しんだ華麗なメロディを、エコーのように奏で交わす優美で典雅な楽曲です。  ヘンデルの管弦楽曲ではホルンが活躍するものが多く、イギリスの伝統のなかでデニス・ブレインやバリー・タックウェルといった名手を輩出しているイギリス室内管弦楽団の起用は申し分なし。 1973年録音、見開きジャケット 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト レコード番号 2533 151 作曲家 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル オーケストラ イギリス室内管弦楽団 指揮者 カール・リヒター 録音種別 STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 SILVER WITH BLACK LETTERING, STEREO 1枚組(130g),Release 1973。 コンディション ジャケット状態 M- レコード状態 M- 製盤国 DE(ドイツ)盤 通販レコード 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。   オーダーは 品番 / 34-21287 販売価格 2,200円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-21287.jpg March 30, 2022

五福公民館で行っています、が次回実行も未定です◉第73回蓄音機を楽しむ会のご案内

SPレコードを蓄音機で楽しむ会・無料コンサート <2020年2月から休止中>(2022/1/1)  年始に当たり、貴兄の健康とご多幸を祈念いたします。  SP会もながく休んでいますが、この際あせらずに新年度からでも始めたらと思っています。   令和4年元日 (ご案内) 再開・内容が決定したらフェースブック・ページで告知します。 イベント名 第73回蓄音機を楽しむ会 期日 4月24日(未定) 場所 五福公民館 住所 860-0041 熊本県 熊本市 中央区細工町2丁目25 ※新型コロナウイルスの感染拡大の予防を最優先としているため、実行を見合わせています。実施方法の会議を運営委員で行い、再開・内容が決定したらフェースブック・ページで告知します。 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、延期または中止になることがあります。あらかじめご了承ください。 平成版・名曲新百選選定中  五福公民館に場所を移して6年を数えます。熊本市立博物館で例会を行っていた時に活用してきた、大矢野百選。その77枚のレコードを毎月の例会「第2部」で順次、全てのレコードの両面からエントリーした、151曲に投票して下さい。令和の時代に人気の高い100曲を、零和に伝える昭和の名曲新百選とするプロジェクトです。  フェースブックへのメッセージ、コメントも歓迎です。ご要望曲を次回お聴きいただきます。 熊本ふるまち・五福蓄音器を楽しむ会 http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/%E5%90%8D%E6%9B%B2%E6%96%B0%E7%99%BE%E9%81%B8.jpg March 30, 2022 at 01:45PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1137713.html via Amadeusclassics

可憐で魅力的な毒婦*トーマス・ビーチャム ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス ニコライ・ゲッダ ビゼー・カルメン

通販レコードのご案内 キャリア絶頂期のビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは官能的ながら可憐さも併せ持つ魅力的なカルメン。 《英ラージ・ドッグ・セミサークル盤》GB EMI ALP1762-4 トーマス・ビーチャム ビゼー・カルメン  当時キャリアの絶頂期にあったビクトリア・デ・ロス・アンヘレスの官能的で繊細なカルメン役がなんとも魅力的で、これならば生真面目なドン・ホセ ― ハマリ役のニコライ・ゲッダが手玉に取られるのも十分に納得できるという味の濃さ。ビーチャムの指揮も起伏に富み、山あり谷ありのドラマの面白さを堪能させてくれます。  エルネスト・ギローによるオーケストラ伴奏レツィタティーヴォが印象的な、往年の『カルメン』が楽しめる演奏。マリア・カラスの毒婦っぷりとはまた違った表現で、こちらの上品なカルメンが好きな人も多いと思います。名演奏・名盤です。 ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ:カルメン) ニコライ・ゲッダ(テノール:ドン・ホセ) エルネスト・ブランク(バリトン:エスカミーリョ) ジャニーヌ・ミショー(ソプラノ:ミカエラ) ドニーズ・モンテイル(ソプラノ:フラスキータ) ジャン=クリストフ・ブノワ(バリトン:ダンカイロ) ミシェル・アメル(テノール:レメンダート) 1958~1959年パリ、サル・ワグラム録音。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト Georges Bizet ‎– Victoria De Los Angeles, Nicolai Gedda, Janine Micheau, Ernest Blanc . Sir Thomas Beecham ‎– Carmen, HMV ‎– ALP1762-4 レコード番号 ALP1762-4 作曲家 ジョルジュ・ビゼー 演奏者 ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス ニコライ・ゲッダ エルネスト・ブランク ジャニーヌ・ミショー ドニーズ・モンテイル ジャン=クリストフ・ブノワ ミシェル・アメル オーケストラ フランス国立放送管弦楽団 指揮者 トーマス・ビーチャム 録音種別 MONO LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE, MONO 3枚組(170g/160g/160g), Stamper 1S/1S 2S/1S 2S

平成版名曲新百選◉思い出がある流行歌、令和に受け継ぐ歌謡曲。あなたが薦める昭和の名曲を投票して下さい。

 年始に当たり、貴兄の健康とご多幸を祈念いたします。  SP会もながく休んでいますが、この際あせらずに新年度からでも始めたらと思っています。   令和4年元日 SPレコードを蓄音機で楽しむ会・無料コンサート 令和に受け継ぐ昭和の歌謡曲を選定中。あなたも参加して下さい。 第4撰 (曲目) 藤山一郎 影を慕いて 東海林太郎 むらさき小唄 新橋喜代三 明治一代女の唄 上原敏 流轉 浅草〆香 流れ三味線 上原敏、浅草染千代 倅でかした 浅草染千代 しぐれ旅 上原敏、青葉笙子 鴛鴦道中 上原敏 上海だより 高峰三枝子 湖畔の宿 http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/%E5%90%8D%E6%9B%B2%E6%96%B0%E7%99%BE%E9%81%B8.jpg March 30, 2022 at 07:15AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1137717.html via Amadeusclassics

通販レコードのご案内♭カルロス・クライバーの「椿姫」、ヴンダーリヒのモーツァルト「後宮からの誘拐」 ほか

「永遠の青年」となったヴンダーリヒ フリッツ・ヴンダーリヒ は20世紀の最も偉大なテナーのひとりといわれています。パヴァロッティはかつてのインタビューで「史上最も優れたテノール歌手は誰だと思うか」と問われて、「フリッツ・ヴンダーリヒ」と答えたそうです。〝最もドイツ語的発声で、最も美しくドイツ語を発音し、最もドイツ的な表現によって、最もドイツ的な世界を表現したテノール歌手〟との高い評価を受ける彼の活躍期間はとても短く、たった8年間でした。活動の絶頂期だった1966年に35歳の若さで階段からの転落事故で急逝してしまいました。 36歳の誕生日の9日前、シューベルトの「美しき水車小屋の娘」のスタジオ録音を終え、レコード発売を前にしての悲劇となりました。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場デビューを数日後に控え、アメリカに発つ直前に彼は友人たちとマウルブロン郊外のオーバーデアディンゲン(Oberderdingen)で狩りを楽しみました。そして友人の山荘に泊まりましたが、頭蓋骨骨折の状態で発見されました。状況から階段から足を踏み外したと思われました。 彼は狩りの時にブーツを履いていましたが、靴紐が結ばれておらず、それを踏んでバランスを崩したとも考えられたそうです。意識が戻らないまま、翌9月17日にハイデルベルクの大学病院で亡くなりました。 レコードの発売直前の事故により彼の刻は永遠に止まりました。オペラからドイツ歌曲の世界に入ったヴンダーリヒは、「冬の旅」も「白鳥の歌」も残さずに逝きました。無念というしかありません。他にはシューマンの「詩人の恋」を歌いましたが彼の残した歌曲はあまり多くはありません。 通販レコードのご案内 DE DGG SLPM139 213/15 ヨッフム モーツァルト:後宮からの誘拐、バスティアンとバスティエンヌ キャリアの絶頂期で事故により亡くなったドイツ最高のテノール、フリッツ・ウンダーリッヒのモーツァルト録音として価値の高い盤。ベルモンテはウンダーリッヒの当たり役の一つで、素晴らしく澄み切った歌声で今聴いても別格の感。エリカ・ケートもはまり役で、ヨッフムの堅実な演奏もあって、全体的に完成度の高いお勧め盤です。 エリカ・ケート フリッツ・ウンダーリッヒ クルト・ベーメ アデーレ・シュトルテ ペーター・シュライアー テオ・アダム 19

名曲名盤縁起 降る雨に濡れる若者のメランコリーを描いた名作 ドビュッシー〜歌曲《巷に雨の降るごとく》

フランスの詩人 ヴェルレーヌ誕生 ― 1844年3月30日 フランスの詩人、ヴェルレーヌが生まれた日(1844年)。ボードレールからの流れを汲みながら発展したフランス詩の中でも象徴派に分類され、ランボー、マラルメらと共に19世紀末の文壇を牽引した一人である。ヴェルレーヌの詩にはフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルらが曲をつけている。  名歌曲が生まれる源泉は、作曲家の創作意欲をかきたてる優れた詩にある。19世紀以降、ドイツにもシューベルトなどに名歌を書かせたゲーテなどの詩人たちがいたが、フランスはまさに大詩人の宝庫であった。今日が誕生日のポール・マリー・ヴェルレーヌ(1844〜1896)も歌曲に創作に貢献した一人だ。彼の詩をもとにフォーレ、ラヴェルがかなりの歌を書いたが、ドビュッシー作品が最も知られている。  フランス語歌曲集の代表作にも挙げられる《忘れられた小唄》(1888年完成)は、ヴェルレーヌの詩集『言葉なき恋歌』のなかの詩による6つの歌曲で、《牧神の午後への前奏曲》で印象主義音楽の確立を高らかに告げたドビュッシー初期の代表作の一つ。その第2曲「巷に雨の降るごとく」は、堀口大學の名訳で日本人にも愛された名作だ。ピアノによるしとしとと降る雨の描写を背景に、若者のメランコリーがうたわれる。 巷に雨の降るごとく われの心に涙ふる。 かくも心ににじみ入る この悲しみは何やらん? やるせなき心のために おお、雨の歌よ! やさしき雨の響きは 地上にも屋上にも! 消えも入りなん心の奥に ゆえなきに雨は涙す。 何事ぞ! 裏切りもなきにあらずや? この喪そのゆえの知られず。 ゆえしれぬかなしみぞ げにこよなくも堪えがたし。 恋もなく恨みもなきに わが心かくもかなし。 通販レコードのご案内 数多くあるドビュッシー歌曲の大半は、二人の詩人ボードレールとヴェルレーヌの詩に作曲されている。  多くの音楽家たちがヴェルレーヌの素晴らしい詩に魅了されてきた。《忘れられた小唄》は、ローマ滞在中の1886年から88年にかけて書かれた、ドビュッシー初期の代表的な歌曲集。ヴェルレーヌの詩集『言葉のないロマンス』から6編がとられている。いずれも言葉な繊細なニュアンスの音楽化を試みて、見事な効果をあげている。ヴェルレーヌの微妙・繊細な言葉に音楽を付すという作

スィング感のあるカティアと、低音部を支えるマリエル◆美貌のピアノデュオ ラベック姉妹 ブラームス ハンガリー舞曲集

通販レコードのご案内 華麗にして躍動感あふれるハンガリー舞曲。ピアノ・デュオの冴えた技巧とエスプリが感じられる演奏です。 《仏シルヴァー盤》FR PHILIPS 411 483-1 ラベック姉妹 ブラームス・ハンガリー舞曲集(4手用版)  美貌のピアノ・デュオとして絶大な人気があったラベック姉妹。見た目同様、華麗にして躍動感あふれる演奏で、ブラームスの名曲を大いに輝かせている。スィング感のある姉カティアと、しっかりと低部を支える妹マリエルの息のあったプレイが聞き物である。  ラベック姉妹の演奏は、ワイエンベルクのように技巧に優れながらも素っ気無いものなのだが、彼女たちの音楽性は美貌のピアノデュオに期待したもので評判は二分した。  連弾用のオリジナル版での演奏。全21曲からなるブラームスのハンガリー舞曲集ははじめピアノ連弾用に書かれ当時のベストセラーになった作品で、のちにピアノ独奏用、管弦楽曲に編曲されました。いわば家庭の団欒を目的に書かれたこの作品をフランスのカティアとマリエルのラベック姉妹がすこぶる感興の乗った素晴らしい演奏をきかせてくれます。  多彩な音色、自在なテンポ、そして息のあった2人ならではのスリリングなやりとり、ピアノ・デュオの楽しさを満喫させてくれます。何よりラベック姉妹のアンサンブルは、ピアノがとても緊密に交じり合って響きあう。姉の自在さに、追随しているかと思うと楔を打ち込む妹。そうした時には対立しあうかの駆け引きで、とにかく聴き応えがあって楽しい。時には高揚して騒々しさを感じさせる演奏もあるオーケストラ版と違って、すっきりと纏っていて、見通しがとても良いのが何よりの魅力的だ。 1981年4月、ステレオ録音。Engineer – Jean-Louis Labro, Recorded At – Studio Des Dames 通販レコード詳細・コンディション、価格 Katia et Marielle Labèque ‎– Brahms – Les 21 Danses Hongroises Pour Piano À 4 Mains プロダクト レコード番号 411 483-1 作曲家 ヨハネス・ブラームス 演奏者 ラベック姉妹 録音種別 STEREO SILVER WITH BLACK LETTERING,

四季の冬による変奏曲 ― NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではヴィヴァルディの音楽が引用される。

アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)はバロック時代のイタリアの作曲家で、急緩急の3楽章構成と、急の楽章におけるリトルネッロ形式(合奏による部分が、独奏を中心とする自由な部分を挟んで何度か回帰する形式)を特徴とする当時の独奏協奏曲の様式の確立に大きく貢献した。 彼の作品の中でも特に有名な『四季』は、1725年に出版された全12曲のヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8の第1番から第4番にあたる。第4番 ヘ短調(RV297, P442, FⅠ-25)には「冬」の副題を付けている。 雪と氷に覆われ、冷たい風が吹きすさぶ冬の風景。炉端でひたすら春の訪れを待つ日々。戸外から聞こえる雨の音。北風と春を先取りする南風との衝突など、冬の様々な情景が巧みに表現される。 "Variations on Winter from Vivaldi's Four Seasons" ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集《四季》から《冬》に基づく変奏曲を作曲したダニー・サイデンバーグは、ヴィオラとヴァイオリン奏者、作曲家、アレンジャー、教育者として、クラシック、ジャズ、ポップスタイルの間を行き来する多様で折衷的な音楽キャリアを楽しんできました。 彼は16歳でピッツバーグ交響楽団でソロデビュー。ジュリアード音楽院で学んだ後、ニューヨークで長年バレエ、ブロードウェイ、オペラ、室内楽、スタジオ、ソロとして活躍。とくに12年間つとめた、タートル・アイランド・ストリングカルテットのヴィオラ奏者としてよく知られています。ダニーは2003年にカルテットを離れ、ロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャンとして、フルタイムで何百もの映画やテレビのスコアで演奏しました。彼はまた、熟練した古楽パフォーマーでもあり、シカゴを拠点とするチャンバー・ジャズ・アンサンブル、UnBandeを率いています。 源頼朝略史 平治の乱で父・義朝が敗れた清和源氏の一流たる河内源氏の源頼朝は、伊豆国へ配流されていた。治承4年(1180年)、後白河法皇の皇子である以仁王の令旨を受けると、伊豆で北条時政、北条義時などの坂東武士らと平家打倒の兵を挙げ、鎌倉を本拠として関東を制圧する。 弟たちを代官として源義仲や平家を倒した頼朝は、戦功のあった末弟・源義経を追放。その後、諸国に守護と

♪鋭利で完璧なテクニック★クールな感覚 コーガン、コンドラシン指揮モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

 ブラームスの音楽は秋か、冬かと「きらクラ」等で話題にされているが、秋の寂しさ、色づく街並み…そういったブラームスとは少し違うが、これも、ブラームスだと断言できる演奏があった。  旧ソ連出身のソリスト、指揮者、そして楽団によるブラームスの演奏には、当時のソ連の政治情勢など絡まり、時として異常な情景さえ浮かびでてくる。何か得たいの知れない叫びのような、そして、それは決して大騒ぎでないように抑えているような。このような演奏も、また「ブラームス」の音楽が内面に秘めている幸福感というものである。 通販レコードのご案内 姿勢の良さ、端正な仕上げ、演奏の潔癖さとして聴き手に伝わってくる、男性的な演奏だ。 《新世界レコード 160㌘重量盤》 JP Victor SMK7549 コーガン&コンドラシン モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲  オイストラフと比肩して並び称されるロシアの名手コーガン。58歳の若さで亡くなったこともあり、不幸にもけっして録音に恵まれていたといえないコーガンは、メジャーに数多くの録音を残したオイストラフに比べるとあまりにも対照的。そのコーガンが英コロムビア社に残してくれたベートーヴェンと並び称される貴重な録音。1968年、コーガン3度目のブラームス録音で、非常に高い完成度で知られる名演・名盤。  序奏から厳かな始まり方をするのだが、それ以後は、短調ではあるが悲愴な感じはなく、どちらかというと楽天的な性格のオーケストラ。オーボエなどアッケラカンとして、あまり思い入れなどはない。大変力強く、豪快で迫力満点でグイグイ進んでゆく。ソロが始まると、空気が一変。まさに「一閃」とでも言うべきか。研ぎ澄まされた鋭利な刃物が閃くようにソロが入ってくると鳥肌が立つ。  演奏の技術・精度が高く、大編成のオーケストラと堂々と渡り合う力量を誇示しつつ、オーケストラの面々を睥睨するようなコーガンのヴァイオリンは、ピンと筋の通った演奏。高音の持続音が特に美しい。細身で、冴え冴えとして、輝かしい音色。どこまでも伸びてゆく高音から、キラキラと燦めきがこぼれ落ちてくる感じで、ため息が出るほどの美音。  冷ややかな感じがするほど清冽で透明な音色と強烈な集中力、完璧なイントネーションとボーイング・テクニック。 コーガンは流石! と思わせるブラームスでコンドラシン