通販レコードのご案内 夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録。 《英ブラック銀文字盤》GB EMI HQM.1163 ディヌ・リパッティ ショパン・ピアノソナタ3番 リパッティの遺した名盤のひとつ。数あるショパンの『ワルツ集』の中でもひときわ光芒を放っている逸品。リパッティが奏でるピアノの響きは、とても重心が低い、その揺るぎなさ、安定感は他のピアニストからは聴くことができない。本盤での《ソナタ第3番》でも、音楽がどんなに勢いをもって動いても、その奥底ではシンと静まりかえったものがある。 グレン・グールドのピアノもこれに近い。だが、グールドは音楽に彼の意識が付きまとうのに対して、リパッティの音楽には、そのような気配は全く感じられない。だから、グールドは常に作曲家に向かって弾いているようだが、リパッティの演奏を聴くということは、作曲者と聴く者が直接向き合うかのように感じられるのだ。 その安定した体躯を持ってして、みずみずしい響きで珠を転がすような自然な運指法。高く澄んだ響きはいやらしく輝かない。重厚な低音、鮮やかな中音、珠を転がすような高音と、音域ごとに優れたバランスがあります。 物理的には、手の大きさなどもあるのだろうが、それよりも別の、内面によるものが大きいと思える。リパッティという希有な存在を介して。 フランスで身に付けた華麗さや洗練さと、ラテン的な情熱が絶妙なバランスを保っている。 これがモノ録音しか聴くすべが無い現代でも高い支持を得ている要因では無いかと結論づけては早計でしょうか。 リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが… 令和2年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。後の明智光秀が主人公で、十兵衛と名乗っていた頃。斎藤道三との対面シーンから撮影はクランクインしたそうだ。2人が対面する直前の斎藤道三の登場は、常在寺の住職・日運が道三の正室である小見の方の病気平癒のため、献上した珊瑚の玉を数珠を作るためにかたちの揃った玉を小姓に仕分けさせているところからはじまる。そこで、リパッティのレコードの音が脳裏に浮かんできた。粒のそろった真珠玉が転がるような玲瓏にして高貴なピアノ。リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが、この日本初出盤はそんなことはなく、リパッティが