通販レコードのご案内 今ある《セビリャの理髪師》の最良の盤がこれである
《独ブルーライン盤》DE DGG 2709 041 クラウディオ・アバド ロッシーニ・セビリアの理髪師 この1971年録音の「セビリャの理髪師」は、同時期にアバドが録音した同じロッシーニの「チェネレントラ」に続く、アバドにとってのオペラ全曲盤第2作となったものですが、当時新進気鋭だったアバドの初期録音を代表するオペラ録音です。20世紀後半、世界的なロッシーニ・リヴァイヴァルをもたらした立役者、クラウディオ・アバドが名歌手を得て描き出したロッシーニの名作オペラ。アバドの、颯爽としていて、しかも走りすぎず、十分に弾んで、しかも申し分なくうたえている、ここできける演奏は、ロッシーニのオペラの魅力を完璧に示したものと言えよう。キャストもまた配役が行き届いていて十全。年輪とともに熟成を加えたベルガンサのロジーナも大きな魅力を保っているし、アルヴァのアルマヴィーヴァ伯爵もすこぶるうまさと妙味のある秀演。ダーラの歌うバルトロ、モンタルソロの歌うバジリオ、いずれもここでのアバドの曲作りに一層エネルギッシュな彫琢を付している。
楽曲細部にまで行きとどいたアバドの緻密な構想が全幕を包み込み、聴き手を少しも飽きさせることがない。1968年にイタリアを代表する歌劇場であるミラノ・スカラ座の指揮者に就任したアバドが、ヴェルディと並んで熱心に取りあげたのがロッシーニであり、新たに校訂された楽譜をもとに、異質で過剰な装飾音や移調での歌唱といった伝統的な悪弊を洗い落とすことで、ロッシーニの音楽の魅力を全く新鮮な形で提示し始めました。
演出家ジャン=ピエール・ポネルと組んだ「チェネレントラ」や「セビリャの理髪師」のスカラ座での上演は、その舞台が作品上演のスタンダードとされるほどのウィットに富んだ見ごたえのあるもので、それによって20世紀後半の真の「ロッシーニ・リヴァイヴァル」が興ったと言っても過言ではありません。ロッシーニのイメージを20世紀後半に一新させ、「ロッシーニ・リヴァイヴァル」を支えることになった記念碑的な録音で、今ある《セビリャの理髪師》の最良の盤がこれである。明快で説得力に満ち、隙のない仕上がりのロッシーニです。
使用楽譜:アルベルト・ゼッダの校訂になる改訂版(ミラノ、G.リコルディ&C.S.p.A.)
1971年9月ロンドン、ワトフォード・タウン・ホールでのカール・ファウスト、ライナー・ブロック、ハンス=ペーター・シュヴァイクマンによるセッション、ステレオ録音。
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-21295.jpg
February 26, 2021 at 06:00AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1072505.html
via Amadeusclassics
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