スキップしてメイン コンテンツに移動

クリスマスの定番◉オペラ通からオペラ初心者まで、誰もが楽しめる夢いっぱいのメルヘン・オペラ ヘンゼルとグレーテル

ドイツの作曲家、フンパーディンクが没した日(1921年9月27日)。今日では《ヘンゼルとグレーテル》が彼の代表作として演奏される機会が多い。当時、ワーグナーの下で研鑽を積んでいたことから、ワーグナーが多用した作曲技法をこの作品の中でも多く用いている。リヒャルト・シュトラウスによって初演され、以来世界中で人気の作品となった。

颯爽とした時代のカラヤン、頂点へと向かっていたシュヴァルツコップフの名唱など、伝説となっている名録音です。

決定盤・若き日のカラヤンの名盤。GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル

おとぎの国へ迷い込んだヘンゼルとグレーテルの誰もが知っている童話を、フンパーディンクがオペラ化。ワーグナー以後に多く現れたメルヘン・オペラの代表的な作品といわれ、ワーグナー以後・リヒャルト・シュトラウス以前のドイツ・オペラを代表する作品ともされる。特にドイツ圏では今なお上演回数上位に位置する人気作であり、英米でも比較的人気が高い。
クリスマスの時期になると、各地のオペラ団体がとりあげるこの歌劇は、グリム童話を題材に得、ドイツ民謡がふんだんにとりこまれた素朴で親しみやすい「ヘンゼルとグレーテル」ですが、ワーグナーの長男・ジークフリートの音楽教師としてもフンパーティンクは、バイロイトでワーグナーの仕事を手伝っていたこともあり、ワーグナー的な劇的緊迫感の要素も含まれている。オペラ通からオペラ初心者まで、誰もが楽しめる夢いっぱいのメルヘン・オペラです。
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
  • クライマックでは魔女が登場して、おどろおどろしさが増すので、中盤までのメルヘン調とのバランスの受け止め方にかかるが、カラヤンはこのワーグナー的要素を濁すこと無く、なおさらにワーグナーかと錯覚してしまう程の詩情豊かに力感あふれる表現をしている。しかも決してグランド・オペラ風歌合戦に陥ることなく、全体に速めのテンポで、曲の夢幻的な雰囲気をすっきりと表し、メルヘンとしてのこの作品の領域と限界をカラヤンは見失っていない。
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
  • GB COLUMBIA CX1096/7 カラヤン フンパーディンク・ヘンゼルとグレーテル
魔女の場でも過度に物々しくせず、きびきびと運び、フレーズの扱い方にもあたたかみがある。
グレーテルはおそらく主要なオペラでは最年少ヒロインで、基本的に若いソプラノが歌うことが多いが、やはりドイツオペラで若手の持ち役である「魔笛」の夜の女王と共にレパートリーとする歌手も多く、両方をレコードや映像に残している(しかもグレーテルの方が後であることが多い)スターがかなりいる。この演奏の中で、特筆すべきは、子供心あふれるシュヴァルツコップ、グリュンマーの魅力的な二重唱。父親役を歌うメーテルニッヒなどの脇を固める歌手の堅実な歌唱と声質の対比も申し分ない。豪華キャストたちの役をよくつかんだ歌唱が面白く、大変聴きごたえのある演奏になっている。
ここでのカラヤンは、晩年にみられたような、巧緻をきわめた音づくりではなく、ごく自然にこの作品のメルヘン的な性格を引き出しており、颯爽とした若々しい表現で聴かせる。

参考CD(Amazonで購入できます)



フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」全曲
 ヘンゼル:エリーザベト・グリュンマー(S)
 グレーテル:エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
 父親:ヨーゼフ・メッテルニヒ(Br)
 母親:マリア・フォン・イロシュヴァイ(C)
 魔女:エルゼ・シュルホフ(C)
 暁の精:アニー・フェルバーマイア(S)
 ロートン・ハイスクール少女合唱団
 バンクロフト・スクール合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1953年6月27日・29日・30日、7月1日・2日、ロンドン




http://img01.yoka-yoka.jp/usr/o/n/g/ongaku/22094.jpg
September 27, 2024 at 10:09PM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1199303.html
via Amadeusclassics

コメント

このブログの人気の投稿

芳香に充ちている★ティボール・ヴァルガ モーツァルト ヴァイオリン協奏曲5番 スメタナ ピアノ三重奏曲

通販レコードのご案内 ライブですが録音頗る良好です。 《フェスティバル盤》CH FESTIVAL TIBOR VARGA SION ティボール・ヴァルガ モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲  ハンガリー出身の名ヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガが自身のオーケストラと共に録音した珠玉のモーツァルトです。このアルバムでは、ヴァイオリン独奏、そして指揮にと大活躍。生き生きとした演奏を繰り広げています。  音楽に身を捧げたとされる名匠、ヴァルガの端整なヴァイオリン演奏は、現在でも前置きなしに、そのまま通用するほどのものだ。1976年スイス・シオンで開催されたティボール・ヴァルガ音楽祭実況録音。ライブですが録音頗る良好です。楽器のヴィヴィッドな響きに驚く。古き良き時代を感じさせる優雅な演奏は近年の演奏が失った芳香に充ちている。この素晴らしいヴァイオリニストの残した遺産を、楽しもうではないですか。 《 FESTIVAL TIBOR VARGA SION 》1967年からスイスのヴァレー州シオン市で開催されている、ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリンコンクールは、比類ない演奏と後進の指導で知られる、シュロモ・ミンツが芸術監督を務め、若い才能の発掘と育成で定評がある、若手ヴァイオリニストのための国際コンクールです。シオン・ヴァレー州音楽祭の期間中に行われ、その中心イベントとして注目を集めています。過去には、前橋汀子やジャン・ジャック・カントロフなど、現在の名ヴァイオリニストが受賞。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト レコード番号 番号なし 作曲家 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト 演奏者 ティボール・ヴァルガ 録音種別 STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディション ジャケット状態 M- レコード状態 EX++ 製盤国 CH(スイス)盤 通販レコード 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 オーダー番号 34-22740 販売価格 3,300円 (税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/34-2274...

芸術振興の男 ベーム指揮ベルリンPO リヒャルト・シュトラウス・祝典前奏曲、ティル・オイレンシュピーゲル、ドン・ファン他

録音当時へのタイムトラベルした気分になるのがカール・ベームの不思議な魅力だ。  国際化する以前の ― まだカラヤン節に染まりきっていない頃の ― ベルリン・フィルを指揮した『ツァラトゥストラはかく語りき』『祝典前奏曲』『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』『ドン・ファン』『サロメの踊り』の5作品は、すでに名演奏として有名なもので重厚壮麗で骨太なサウンドが素晴らしい聴きものとなっています。1981年8月14日にザルツブルクで亡くなった。ウィーン・フィルを率いて来日していたので錯覚もしていたが、戦後暫くはウィーン国立歌劇場の音楽監督を引き受けていたが1956年に辞任してからは特定のオーケストラや劇場に所属していない。  来日の中継はFMで聞きましたが熊本はまだ生中継ではありませんでした。レコードで聴くカール・ベームの演奏は、いずれもベームの演奏の特徴である厳格な造形、音楽の自然な流れと劇的な緊張感が見事に示されていた。発売されるレコードは良くカラヤンのレコードと比較して二者択一していた。それが死後一気に、わたしの記憶からずっと遠い存在となった。その晩年にロンドンに客演した幾つかの録音だけが、今も心を満たしてくれている。肩の荷が下りた、奔放さとは無縁の人だったが、彼自身が本来持っていた音楽性がそれらにはあると感じているからだ。  リヒャルト・シュトラウスは第二次世界大戦前後において最も大きな作曲家である。その作曲は一般人にとっては難解なものであるが、それはこの人の意図が尋常でなく非凡の才能をもって、交響曲詩の表現力を文学的あるいは哲学的の領域にまで押し上げたからである。この人の大胆な革新態度と強烈な個性は、その比類のない管弦楽法の手腕を駆使してとにもかくにも前例のない驚くべき作品を完成させている。好むと好まざるとに関せず、リヒャルト・シュトラウスの偉大さは認めなければならぬ。  リヒャルト・シュトラウスと親交のあったカール・ベームは、数多くのオペラ上演を中心に彼の芸術の振興に大きく貢献、オーケストラ・レパートリーでも慧眼というほかない作品を知り尽くしたアプローチで聴き手を魅了しました。若い頃リヒャルト・シュトラウスとブルーノ・ワルター双方と親しくなり深く感化されたカール・ベームは、モーツァルト、ワーグナー、ベルク。リヒャルト・シュトラウスの作品を生涯にわ...

TAS推薦◉コレギウム・テルプシコーレ プレトリウス、シャイン等の舞曲

9人のミューズたちのダンス曲。 通販レコードのご案内 《TAS推薦盤》DE ARCHIV 198 166 フリッツ・ノイマイヤー プレトリウス・舞曲集「テルプシコーレ」より/ヴィートマン・ダンツとガリアルド他 TAS推薦の優秀録音盤で音の立ち上がり、立ち下がり共に優秀。仏ハルモニア・ムンディ、英オワゾリールの録音が好きな方にはお薦めです。 この曲の作曲者であるミヒャエル・プレトリウスは、音楽に関する百科全書的な大著である音楽大全を出版しただけでなく、プロテスタントのための多方面にわたる音楽の作曲のほか、オルガン奏者としても活躍するなど、同世代のドイツ音楽家の中でもっとも精力的な活動を残しました。 このプレトリウスが主に力を注いだのが教会音楽でありましたが、企画された世俗曲および器楽曲の曲集のシリーズはただ一巻しか出されませんでした。それが、この舞曲集〈テレプシコーレ〉です。 〈テレプシコーレ〉という名は、ギリシャ神話に登場する9人のミューズのうち、舞踏をつかさどる女神「Terpsichore」に由来しています。曲集の表紙には、「この曲集にはフランス人の舞踏教師が踊る様々な舞曲が含まれており、それらは王族貴族の食卓や宴会を楽しませるために用いられるものである」と述べられています。 この舞曲集の中には、300余りのフランス舞曲が収められていますが、この曲たちは、ヴォルフェンビュッテルに住むブルンスヴィック公の舞踏教師であったアントワーヌ・エムローが、舞曲の旋律を4声および5声の曲に編曲してくれるようにプレトリウスに頼んだため伝えられたものです。 しかし、この曲集を自分の名前で出版するのが妥当か、という点でいささか気がとがめたようで、その序文には「これらの舞曲の旋律や歌は、主として有能なヴィオール奏者やリュート奏者として知られているフランスの舞踏家たちが作曲したもので、彼らが仕える貴族達に踊りを教えるとき、それらの楽器で旋律を演奏した」と記されています。 1960年1月6-9録音、優秀録音、名盤。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト 品番 34-18712 レコード番号 198 166 作曲家 ミヒャエル・プレトリウス ヨハン・シャイン エラスムス・ヴィトマン オーケストラ コレギウム・テルプシコーレ...