荒涼とした孤独の色が漂う鬼才グレン・グールドの辞世の詩
「4つのバラード」は、精神の深淵にあえぎながら、遥か上方の青空を遠くながめるがごとき音楽。ベタベタした甘さや感傷性はゼロで、淡い抒情と静寂があり、50歳を目前にしたグールドが精神と向き合っている。演奏はペダルの使用を極力抑え、ピアノの音自体も冷たくそっけないくらいに響きもリズムも乾いている。「2つのラプソディ」も同様なことが言え、ぎこちなく骨ばった吹きすさぶ寒風のような演奏である。ピアノという楽器からは想像もつかぬ、このような寂寥感をグールドはよくも生み出そうとしたものだ。
品番 | 34-18014 |
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商品名 | NL CBS D37800 グレン・グールド ブラームス・バラード&ラプソディ |
レコード番号 | D37800 |
演奏者 | グレン・グールド |
作曲家 | ヨハネス・ブラームス |
録音種別 | STEREO |
ジャケット状態 | M- |
レコード状態 | EX |
製盤国 | NL(オランダ)盤 |
カルテ(器楽) | BLUE WITH SILVER LETTERING、STEREO DIGITAL (110g)、Release 1983 |
ブラームスの青春期と中期の傑作ながら。シンフォニーほどには良く親しまれていないのだろう。それが初めてブラームスのピアノ・ソロを聴いた心を震わせる。それはジャズのディープな聞き手に衝動を感じさせ、ブラームスのピアノ・ソロ全集がいつしか彼のジャズ・コレクションの棚に一緒に並んでいるのを見つけた。そこから打開して、渋目のピアニストの録音を進めると抵抗なく聴いてくれるようにまでなった。グールドのブラームスには人を変えてしまうほど男っぽい力がある。
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September 30, 2022 at 03:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e897053.html
via Amadeusclassics
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