スキップしてメイン コンテンツに移動

名盤と青春◉未だに若々しい美しさの極み クリュイタンス パリ音楽院管 モーリス・ラヴェル 管弦楽全集

通販レコードのご案内果たしてこれ以上の演奏が可能と言えるであろうか。

JP 東芝EMI AA9332D クリュイタンス/パリ音楽院管 モーリス・ラヴェル 管弦楽全集《多色刷り解説書完備》JP 東芝EMI AA9332D クリュイタンス/パリ音楽院管 モーリス・ラヴェル 管弦楽全集
 ラヴェルといえばアンドレ・クリュイタンス、とされるほど、収録から60年以上の歳月を経ても最高位にランクされる名演。しなやかで繊細なニュアンス、精妙で瑞々しい感性に満ちた響きは、いつ聴いても時代を超越した官能の世界を提示してくれる。
 パリ音楽院管弦楽団は今は存在しないが、管楽器の音色の美しさと細やかな表情、弦楽器の柔らかな響きと美しい音色はラヴェルのオーケストレーションを最大限に活かしているし、クリュイタンスはオーケストラの自発性を活かしながら、巧みなコントロールで繊細で洗練された演奏を生み出している。
 ラヴェルが自作の曲をオーケストラ用に編曲した2曲。ラヴェルの管弦楽曲は、光彩陸離たる華麗なオーケストレーションが魅力の一つであり、それ故に多くの指揮者によってオーケストラ曲としての醍醐味を味あわせてくれる数々の華麗な名演が成し遂げられてきているところであるが、クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団の演奏は、理想的な名演です。《マ・メール・ロワ》での目のつんだ優しい響き、《高雅にして感傷的なワルツ》での絶妙な気品、いずれも「本物のラヴェル」が存分に味わえます。
 各フレーズには独特の洒落たニュアンスと瑞々しいまでの感性が満ち溢れており、常にコクのある響きが全体を支配しているのが素晴らしい。そして現代的な清新さを兼ね備えている。果たしてこれ以上の演奏が可能と言えるであろうか。
マ・メール・ロワ
昔、ある国で双子のお姫様が産まれた。王様が妖精達を招待するが、その中で年長のマゴティーヌという妖精により、姉(レドロネット)は醜い姿に変えられてしまいます。
レドロネットは、自ら、お城から遠く離れた塔に移り住み、あるとき森を散歩中に緑色の蛇に出会います。蛇は、あなただけが不幸なのではなく、あなたよりも醜い私を見て私より美しく生まれたことを学ぶよう言います。
レドロネットは、その後、塔の前にある海にあった美しい金色のボートに乗ります。ボートにはオールが1本ありました。レドロネットはオールを手に取って海の水をかいてみました。舟はゆらゆらしていましたが、そのうち動き出しました。ところがそのままボートは沖へ流され、海は荒れてあやうく死にそうになります。どのくらい長い時とどれほど遠くまで漂っていたのか、そこには町がありました。風はなく、平らな湖面を舟はゆっくり波紋を広げながら進み、岸に近づいてきました。町の建物は屋根や壁が太陽の光を浴びてきらきら輝いています。よく見れば陶器でできた町でした。
レドロネットが目覚めると、そこは美しい宮殿の中。そこには100体のパゴダ人形がいて、レドロネットをもてなします。レドロネットが着物を脱いで、水晶に金で装飾されたお風呂に入ると、パゴダ達は、歌ったり楽器で音楽を演奏し始めます。男も女も歌を歌い、楽器を奏で始めました。ある者は胡桃の殻で作ったテオルボを、またある者はアーモンドの殻で作ったヴィオールを抱えていました。パゴダ人形たちの寸法に釣り合う楽器と言ったらそんなものだったからです。
遠くでホルンによる狩りのラッパが鳴り、王子の到来を告げる。
《ダフニスとクロエ》全曲は、ラヴェルの管弦楽作品の中で最も規模が大きく、また管弦楽法の極致といっても良い作品。
 パリ音楽院管弦楽団の持つ弦楽器や管楽器の柔らかく、まるで夢を見ているような美しい響きはどうでしょう。管楽奏者たちの上手さにも唖然とさせられます。そのパリ音楽院でデュカスに師事したルネ・デュクロの率いる合唱団も神秘的な歌声で、天上から聞えてくる声のようです。
ダフニスとクロエ
エーゲ海に浮かぶ美しい島。山羊に育てられている一人の男の子をある日山羊飼いが見つけ、「ダフニス」と名付けて育てることにしました。2年後、ある羊飼いはニンフの洞窟に捨てられていた女の子を見つけ、「クロエ」と名付けて育てることにしました。やがてダフニスが15歳になったころ、ニンフの洞窟で身体を洗うダフニスを目にしたクロエは、水を浴びる彼の身体の余りの美しさに目を奪われて恋に落ちてしまいました。けれどもまだ「恋」というものを知らない彼女は、自分の心の状態を、どうして良いか解らないでいました。
ダフニスとクロエは、ある日、老人に出会いました。老人は「恋の神様」の話を二人にします。すると彼らは自分たちが今その状態にあることに初めて気が付きます。ある日、海賊が町を襲いました。略奪をして、美しいクロエも一緒にさらわれてしまいました。そこにパン神が現れて不思議な現象が起こります。やがて「夜明け」となり、クロエは無事にダフニスのもとへ戻ってくることができました。かつてパンがニンフに恋をした想い出へのお返しだというのです。二人はニンフの洞窟の前で再開して、盛大な披露宴が行われて全員が踊ります。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
AA9332D
作曲家
モーリス・ラヴェル
オーケストラ
パリ音楽院管弦楽団
指揮者
アンドレ・クリュイタンス
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

JP 東芝EMI AA9332D クリュイタンス/パリ音楽院管 モー…
JP 東芝EMI AA9332D クリュイタンス/パリ音楽院管 モー…
東芝EMI製, STEREO 4枚組, YLX直輸入メタル使用盤.

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
JP(日本)盤
LP黎明期の息吹が残っているような凝った訂装と多色刷り解説書、幾多あるクリュイタンス盤の中でも最も入手難初期セットほぼノーノイズの新品同様完璧セット

通販レコード

詳細の確認、購入手続きはオーダー番号のリンク先で行えます。
  • オーダー番号34-25117
  • 販売価格22,000円(税込)


http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-25117.jpg
December 29, 2021 at 08:00AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1135905.html
via Amadeusclassics

コメント

このブログの人気の投稿

♪東側の最高傑作◉フランツ・コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番

楽譜に対して客観的に誠実に取り組んで、ゆったり目のテンポでスケール大きく描きあげられた演奏と存在感あるゲヴァントハウスの音色 《独ブラック銀文字盤》DE ETERNA 825 416 コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番 旧東ドイツ時代のベートーヴェン演奏の精髄として当時大きな話題となった全集からの一枚。ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを終生務めたコンヴィチュニーの最高傑作で、重心の低い質実剛健な演奏は今もってひとつの基準となる名演と言えます。 序奏からズドンとヘビィ級の音塊をぶつけてきます。 ― しかし野暮ったくはない。序奏が終わっても、一切慌てず騒がず。この辺、フランツ・コンヴィチュニーならではの堂々とした音楽作りが堪能できます。 言うまでもないことですがベートーヴェンが250年前に作ったスコアを録音が発明された20世紀から以降の、120年間ほどの演奏を私たちは聞き返している。名指揮者パウル・ファン・ケンペンが死去した後、志鳥栄八郎が「あれほど騒がれていた彼が、いまそうでなくなった。演奏家というのは死んだらおしまいだ」と言っていた。とはいえ名演奏家が死後、レコードで聴き継がれるケースも有る。 どんなに録音技術が進んでも、それは生の姿を十全には伝え得ないが、演奏家の音をいたずらに増幅・美化させることも出来てしまうのが録音技術でもある。ドイツの伝統を継承する巨匠コンヴィチュニーのベートーヴェンは、彼の至芸を愛でる者にとっては格別のレコードです。 聞き手の耳をさっと捕まえてしまうような魅力には乏しいかもしれません。聞き手の耳をすぐに虜にするような愛想の良さや声高な主張もありません。まず、すぐに気がつくのは、今ではなかなか聞くことのできなくなったふくよかで暖かみのあるオーケストラの響きの素晴らしさです。きらきらした華やかさとは正反対の厚みのある響きです。弦もいいですが、特に木管群の響きが魅力的です。確かに、昨今のオーケストラと比べれば機能的とは言えないのでしょうが内部の見通しも良く透明感も失っていません。とは言え、コンヴィチュニーの基本は「淡麗辛口」です。 ドンと構えていて、ここぞというところではぐっと力こぶが入る「野蛮さ」みたいなモノが残っている演奏。隅々まで指揮者の指示が行き届...

10月17〜23日は229記事を新規投稿しました。

2022.10.17-23 クラシック音楽365日 大作曲家の生没日。名曲のゆかりの日。 10/17 作曲家・ショパンが生まれた日( 1810 年)。ポーランドで生まれるも、 21 歳でパリへ亡命し 39 歳で亡くなるまでパリで過ごした。同時代の作曲家はシューマン、リスト、ベルリオーズらである。現代でも、《夜想曲第 20 番 嬰ハ短調(遺作)》など、ピアノ作品を中心に、その演奏機会はとても多い。 2005 年の第 15 回コンクール以降はインターネットで映像がリアルタイム配信されている。 2020 年に開催予定だった第 18 回は、新型コロナウイルスの影響で翌 2021 年 10 月に延期された。 10/18 フランスの作曲家、シャルル・グノーが没した日(1893年)。ゲーテの戯曲を元にしたオペラ《ファウスト》や、歌曲《アヴェ・マリア》でも知られる。グノーがオルガニストを務めていたサン・トゥスタッシュ教会には、画家のルノワールも所属していた。グノーはルノワールの歌手としての才能を見出し、両親にルノワールをオペラ座の合唱団に入れることを提案したが、断られたという逸話も残っている。 10/19 ワーグナーのオペラ「タンホイザー」がドレスデン歌劇場で初演された(1845年)。ワーグナー32歳の頃の初期の作品であり、のちの総合芸術としての「楽劇」が生まれる前の作品である。当時初演は失敗に終わり、その後「タンホイザー」は何度も改定が加えられることになった。 10/20 アメリカの作曲家、チャールズ・アイヴズが生まれた日(1874年)。今では交響曲など、ヨーロッパをはじめ広く世界で演奏される。その経歴はユニークで、本業は保険会社の副社長。作曲は「趣味」で続けいたものの、マーラーやシェーベルクにも才能を認められ、晩年になってから注目を集めるよに。作品は実験精神に富みながらも郷土色の豊かな旋律を併せ持つ。 10/21 オーストリアのワルツ王ヨハン・シュトラウス2世作曲の《皇帝円舞曲》が、ベルリンのケーニヒツバウという新しいコンサートホールのこけら落としのために初演された日(1889年)。作曲者自身の指揮で行われた。 10/22 スペイン・カタロニア地方に生まれた今世紀最高のチェリストと呼ばれている、パブロ・...

覇王の誕生◉カラヤン ベルリン・フィル フィルハーモニア管 チャイコフスキー 交響曲4番/5番/6番

通販レコードのご案内 天に届きそうな金管、内臓をえぐるような弦、ズシリとした打楽器。 《エヴァークリーン盤》JP 東芝音楽工業(赤盤) AA7650-1 カラヤン/フィルハーモニア/ベルリン・フィル チャイコフスキー三大交響曲  初めてチャイコフスキーを聞くことに取り組むのなら、カラヤンがいい。凡百の指揮者が陥りがちな甘美なメロディだけに酔うような演奏ではなく、豪快でありながら各楽器の動きを丁寧に描ききった第4番、シンフォニックで華麗、かつ情熱的な第5番、そして『悲愴』は美しいメロディに秘められた翳りの感情が見事に表現されています。  カラヤンがどういう音楽家だったかは、チャイコフスキーを聴くと良い。カラヤンはチャイコフスキーの後期交響曲を何回も録音していますが、有名なのはダイナミックな1971年録音(EMI)、研ぎ澄まされた集中力で聴かせる1966年録音(DGG)か。本盤はステレオ初期のベルリン・フィルとの「第4番」初録音。当時のベルリン・フィルの濃密で滑らかな響きが魅了する。  カラヤンのチャイコフスキーの交響曲第4番は、フィルハーモニア管との1953年盤を筆頭に、ベルリン・フィルとは15年間で4回の録音(COLUMBIA〔EMI〕1960年、DGG1966年、EMI1971年、DGG1976年)とひしめき合っている。   戦前、戦中、戦後と、カラヤンの行く手をことごとくさえぎっていた音楽界の巨人フルトヴェングラーが、1954年11月に急逝する。これはクラシック音楽界の〝桶狭間〟だった。翌年の2月に迫った歴史的なアメリカ公演で自分たちを統率してくれる指揮者を失ってベルリン・フィルは焦った。このときドイツ政府からベルリン・フィルは、今回のアメリカ公演は絶対に成功させよと言明されており、もし病身のフルトヴェングラーに何かが起きた場合に備えてこの巨人に代わる恥ずかしくない指揮者を用意しておかなければならなかった。ベルリン・フィルは入院中の主には内緒でカラヤンに代行のアポイントを取っていた。そして不幸にも主は病死し、ベルリン・フィルはアメリカ公演の指揮者代理にカラヤンを選んだ。 「万一フルトヴェングラーの身に何か起きたときは」という条件を、カラヤンは「フルトヴェングラー博士の後継者という条件で!」と受け取り、「首席指揮者」ではなく、アメリカ楽旅の前に「終...