旧ソ連出身のソリスト、指揮者、そして楽団によるブラームスの演奏には、当時のソ連の政治情勢など絡まり、時として異常な情景さえ浮かびでてくる。何か得たいの知れない叫びのような、そして、それは決して大騒ぎでないように抑えているような。このような演奏も、また「ブラームス」の音楽が内面に秘めている幸福感というものである。
通販レコードのご案内姿勢の良さ、端正な仕上げ、演奏の潔癖さとして聴き手に伝わってくる、男性的な演奏だ。
《新世界レコード 160㌘重量盤》JP Victor SMK7549 コーガン&コンドラシン モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 オイストラフと比肩して並び称されるロシアの名手コーガン。58歳の若さで亡くなったこともあり、不幸にもけっして録音に恵まれていたといえないコーガンは、メジャーに数多くの録音を残したオイストラフに比べるとあまりにも対照的。そのコーガンが英コロムビア社に残してくれたベートーヴェンと並び称される貴重な録音。1968年、コーガン3度目のブラームス録音で、非常に高い完成度で知られる名演・名盤。
序奏から厳かな始まり方をするのだが、それ以後は、短調ではあるが悲愴な感じはなく、どちらかというと楽天的な性格のオーケストラ。オーボエなどアッケラカンとして、あまり思い入れなどはない。大変力強く、豪快で迫力満点でグイグイ進んでゆく。ソロが始まると、空気が一変。まさに「一閃」とでも言うべきか。研ぎ澄まされた鋭利な刃物が閃くようにソロが入ってくると鳥肌が立つ。
演奏の技術・精度が高く、大編成のオーケストラと堂々と渡り合う力量を誇示しつつ、オーケストラの面々を睥睨するようなコーガンのヴァイオリンは、ピンと筋の通った演奏。高音の持続音が特に美しい。細身で、冴え冴えとして、輝かしい音色。どこまでも伸びてゆく高音から、キラキラと燦めきがこぼれ落ちてくる感じで、ため息が出るほどの美音。
冷ややかな感じがするほど清冽で透明な音色と強烈な集中力、完璧なイントネーションとボーイング・テクニック。コーガンは流石!と思わせるブラームスでコンドラシンとの息もぴったりです。現代のヴァイオリニストにも通じる完璧なまでのテクニックと、コーガンでしか表現することのできない豊かなヴィブラートを堪能できます。
現代のヴァイオリニストにも通じる完璧なまでのコーガンのテクニックは、19世紀後半以後ロシア=アウアー楽派が成し遂げた極めつけの境地と言えるでしょう。
通販レコード詳細・コンディション、価格
- レコード番号
- SMK7549
- 作曲家
- ヨハネス・ブラームス
- 演奏者
- レオニード・コーガン
- オーケストラ
- モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- キリル・コンドラシン
- 録音種別
- STEREO
STEREO 1枚組 (160g) 重量盤, Stamper C01635-6 直輸入メタル使用盤。
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- EX++
- 製盤国
- JP(日本)盤
オーダーは | 品番 / 34-24445 |
販売価格 | ¥4,000(税別) |
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-24445.jpg
November 26, 2020 at 03:30PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1125855.html
via Amadeusclassics
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