フルトヴェングラーがカラヤンと同じくらい曲に柔軟に対応している。
1951年録音、フルトヴェングラーの EMI 録音のなかでは音の彫りが深く、ヌケが良くウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。フルトヴェングラーの音に悩まずに済むレコードです。フルトヴェングラーは弦楽器の美しいウィーン・フィルを十分に歌わせ、第1楽章中間部分の長調のワルツの部分でさえ、うつろな切なさを滲ませ、第2楽章は究極の切ない音楽です。第3楽章では一転して、ウィーン・フィルの魅力たっぷりの愉悦感にあふれる音楽になっています。中間部の木管楽器の何ともチャーミングなことでしょう。最終楽章はフルトヴェングラー特有のアチェランドが有効で、熱狂を味わえます。それらはいずれも暴走的ではなく全体が抑制されていて、そういう点ではフルトヴェングラー的ではないくらい。
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《英初期ラージドッグ・セミサークル金文字盤》GB EMI ALP1025フルトヴェングラー チャイコフスキー・交響曲4番 先輩格のニキッシュから習得したという指揮棒の動きによっていかにオーケストラの響きや音色が変わるかという明確な確信の元、自分の理想の響きをオーケストラから引き出すことに成功していったフルトヴェングラーは次第にそのデモーニッシュな表現が聴衆を圧倒する。当然、彼の指揮するオペラや協奏曲も、あたかも一大交響曲の様であることやテンポが大きく変動することを疑問に思う聴衆もいたが、所詮こうした指揮法はフルトヴェングラーの長所、特徴の裏返しみたいなもので一般的な凡庸指揮者とカテゴリーを異にするフルトヴェングラーのキャラクターとして不動のものとなっいる。このウィーン・フィルとの晩年の英雄も、こうしたキャラクター丸出し。全く機械的ではない指揮振りからも推測されるように、楽曲のテンポの緩急が他の指揮者に比べて非常に多いと感じます。しかし移り変わりがスムーズなため我々聴き手は否応なくその音楽の波に揺さぶられてしまうのである。これが没後半世紀を経て今尚、エンスーなファンが存在するという要因でしょう。
退屈という言葉とは無縁の緊張感のある試聴でした。盤質は、ノイズ少なくモノ盤としては普通以上キープしています M-。数あるフルトヴェングラーのレコード中難易度高いチャイコフスキー4番です。モノラル録音。
1951年1月4, 8, 9, 10日ウィーン、ムジークフェラインザールでの録音
■名演、名盤、優秀録音。http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-9140.jpg
August 31, 2020 at 04:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1017746.html
via Amadeusclassics
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