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ゴールデン・キャスト★ショルティ指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場管 ヴェルディ「ドン・カルロ」ハイライト

通販レコードのご案内「20世紀最高のプリマ」と言われたテバルディをはじめ、「デル・モナコと並ぶテノール」のベルゴンツィのほか、ギャウロフ、フィッシャー=ディースカウといった当代随一のゴールデン・キャストを揃えたデッカならではの名盤。

GB DECCA SET353 ショルティ ヴェルディ「ドン・カルロ」ハイライト《英ワイドバンド ED2盤》GB DECCA SET353 ショルティ ヴェルディ「ドン・カルロ」ハイライト レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられた。
 この「ドン・カルロ」は社運をかけたプロジェクト『ニーベルングの指環』全曲盤の「神々の黄昏」録音期間に当てはまる。その反映かヴェルディの時代物の緊迫感を強く感じさせるところが、この録音全体に徹底しているところが魅力となっています。これ以上劇的に壮大なオペラはないのではないか。ヴェルディ作品の中で、もっとも人間の心理の深淵に踏み込んだ作品。登場人物がそれぞれ逃れられない宿命的な運命を背負いながら、それぞれが複雑に絡み合いながら進行する壮大な歴史悲劇です。
 1965年にコヴェント・ガーデン歌劇場で録音。この作品は幾つもの版があって複雑ですが、本盤は1886年のモデナ版と呼ばれるイタリア語5幕版による録音で現在多くの上演で使われているものです。原典版はフランス語歌唱の5幕版。これが長かったので改訂が繰り重ねられます。パリ初演版は短縮を試みられ、それをイタリア語歌唱に改めたボローニャ版。続くナポリ版は原典版のフランス語をイタリア語に変え、台本が大幅に見なおされた。その後、スカラ座版で全体の50%をカットして良いところだけを残し、無理の無いよう作曲し直した。これが現在一般的に上演されている4幕版。オペラは上演当時であれば、ネタ元を観客もよく把握していて観劇するものですが、そのスカラ座版でカットした第1幕を復活させたのがモデナ版です。ヴェルディ自身の改訂はここまでなのですが、オペラの常として、その後も演出家、指揮者の考えで復活されるシーンが有ったり、カットされる音楽もあったり。本筋を理解できていれば、そういう演出も楽しみの一つ。
 劇場では感動的だけど、それだからこそ、レコードでは満足できるものが少ない。本盤は「20世紀最高のプリマ」と言われたテバルディをはじめ、「デル・モナコと並ぶテノール」のベルゴンツィのほか、ギャウロフ、フィッシャー=ディースカウといった当代随一のゴールデン・キャストを揃えた DECCA ならではの名盤。最も聴きどころはドラマティックで情感溢れる歌唱で素晴らしいテバルディのエリザベッタ。キャラクターが良く立ってます。ギャウロフのフィリッポ2世、バンブリーのエボリ公女が好演。フィッシャー=ディースカウは歌唱効果をあげようという癖が裏目に出た印象。イタリア・オペラにはもう少し歌いあげて欲しいですね。劇性を高めようとしてのことでしょうが、痛し痒し。そして、シラー原作によるこの壮大な音楽劇をショルティが手堅く引き締め、聴き手を深く感動させてくれます。


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