ヴァイオリンの名匠ヨアヒム生まれる ― 1831年6月28日
メンデルスゾーン、シューマン、リスト、ブラームスという大作曲家たちと関係の深かったハンガリー出身の大ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの誕生日。彼の完璧な技巧と気品溢れる響き、きびきびとしたリズムの上で歌われる美しい旋律は、大作曲家にも愛された。特に親交の濃かったのがブラームスだった。ブラームスはピアノの名手だったが、ヴァイオリンの作品を書く時は、ヨアヒムの意見を聞いた。もっともブラームスは、終世にわたって献身的な友人だったヨアヒムとさえ喧嘩をするような偏屈で人嫌いだったが。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番は、同じ頃に書かれたヴァイオリン協奏曲とともに、ヨアヒムの助言も容れて書き上げられ、ヨアヒムによって初演された名曲だ。歌曲《雨の歌》の主題を用いた第3楽章が有名だが、演奏の出来不出来は、静かに優美に始まる第1楽章の入り方で決まる。そして、ピアノが凡手だと、音楽の魅力が半減してしまう。
通販レコードのご案内 GB DECCA SXL6321 スーク&カッチェン ブラームス・ヴァイオリンソナタ
冒頭からスークの深々とした響きと、細部に渡る楽器のニュアンスの妙が心をつかむ。ここでのスークは、最高の出来栄えだ。スケールは大きく、スークの音楽性は他のバイオリニストが捉えきれない内面的な何かを聴き手に提示する。実に内容の充実した演奏。
今年2017年は、ヨーゼフ・ヨアヒム没後110年に当たります。
6月28日は、ヴァイオリンの巨匠ヨアヒム(1831年6月28日〜1907年8月15日)の誕生日。現在では、主にベートーヴェン、ブラームス等のヴァイオリン協奏曲のために書いたカデンツァの作者として知られていますが、19世紀後半、ヨアヒムはヨーロッパで最も偉大な演奏家兼作曲家、音楽教育家として、音楽創造に大きな役割を果たしました。なかでもブラームスとシューマン一家との交際を結んだのは大きな貢献です。彼はライプツィッヒ音楽院で学んでメンデルスゾーンから目をかけられ、1850年にリストが楽長を務めるヴァイマール宮廷楽団のコンサートマスターに就任します。更に多くの作曲家と交流があり、1852年にハノーファー宮廷のヴァイオリニストに就任し、翌年レメーニを介して2歳年下のブラームスと知り合います。ブラームスは1853年にライン川沿いの徒歩旅行の際にヨアヒムを訪ねシューマンに知り合うことを勧められ、紹介状を渡されます。ブラームスはシューマンの批評、助言を得ようとして何度か自らの作品を送っていましたが、尽く送り返されていましたが、今回は大歓迎で、妻クララとともにブラームスが持参したピアノ作品をシューマンは弾いて絶賛し、クララは「素晴らしい人物と出会えた。」という趣旨の日記を残しています。
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June 28, 2020 at 08:45PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1039158.html
via Amadeusclassics
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