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イギリス音楽の詩情を求めて◉バルビローリ指揮ロンドン響 夏の歌、楽園への歩み ― 慈しみに溢れた愛すべき名演

慈しみに溢れた愛すべき名演 ― まさにジョンは英国を代表するジェントルマン。


GB EMI ASD2305 バルビローリ ENGLISH TONE PICTURES

《英ラージ・ドッグ・セミサークル、オリジナル盤》GB EMI ASD2305 バルビローリ ENGLISH TONE PICTURES

一昔前の名指揮者達は、あらゆる曲に自分のスタイルをしっかりと刻印している、とよく言われる。
 本名がジョンではなくジョバンニのバルビローリは、実際父親がイタリア人なのでイタリア人指揮者として聞いて来たところが有る。しかし、今回はこのシンフォニア・ロンドンと入れたディーリアス、バックス&アイアランドを聴くと、やっぱりサー・ジョンの中にはイタリアのジョバンニの血だけでなく、英国のジョンの血も沢山流れているなと思いました。
 ここでのジョン・バルビローリ卿の演奏は、一連のマーラーとは違って大仰な身振りで悲嘆し叫喚するものではなく、決して激することなく荒々しくならず、自制心と深い憂愁のもとで、時にそっと涙し、時に口籠もり、訥々と述懐を語る、そんな、もうひとつの英国を見せて(聴かせて)くれました。まず、聴いてみて下さい。ジョンの優しさがわかります。
《イギリス音楽の詩情を求めて:ディーリアス/夏の歌》
Band Title Composed By
A1 ロンドン序曲* アイアランド
A2 ティンタジェル* バックス
B1 楽園への歩み ~歌劇『村のロミオとジュリエット』** ディーリアス
B2 歌劇『イルメリン』間奏曲*** ディーリアス
B3 夏の歌*** ディーリアス
録音:1965年12月28日*、8月24日**、8月24日&1966年7月14日***、
ロンドン、アビー・ロード・スタジオ*、キングズウェイ・ホール** ***

http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-24159.jpg
May 26, 2020 at 07:15PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1120830.html
via Amadeusclassics

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