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これぞ男ベートーヴェン◉シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン・交響曲第5番/8番

これはウィーン・フィルが初めてのステレオ録音したベートーヴェンの交響曲全集になったチクルスの一枚です。なかでも評価の高い録音で8番はステレオでは最高の録音との評価を得ていますが5番も男性的なきりっとした表現、重厚でありながら重々しくならない素晴らしい演奏で当時荻昌弘氏がレコ芸で「これぞ男ベートーヴェン」と絶賛していたことが思い出されます。日本プレスの初期FFSS重量盤で、再生音はボディ感があり実の詰まった聴き応えのある音です。

最近のワイドレンジだけれどもどこか薄い音とは違う...

その真相はニール・ヤングによる今のアナログ・レコードへのダメ出しが分かりやすい。
現在は CD 音源、ハイレゾ音源、デジタル・ストリーミング音源と音質も方式も様々だが、アナログ・レコードもアメリカのアンティークショップから発売されるものを中心にブームになっている。
自身もストリーミング会社を起こしたニール・ヤングがアナログ・レコードに対して物申した。
現在のアナログ・レコードは CD マスター音源から作られており CD を超える音質となっていないそうだ。そして、これはデジタルよりもアナログが優位だとは言ってはいない。
SACD で日常的に聴いているとワイドレンジにゆとりがあることが感じられる。デジタル録音はアナログ・マイクで拾った音をデジタル化される。CD 用のマスター音源は、これにイコールではない。市販されている CD は規格が定められていて容量に制限が有る。
低い音、高い音(正確には周波数帯だが)を CD に入れられる範囲にカットされている音を聞いている。
一方、その昔のアナログ・レコードはアナログで録音され、その音源からレコードを製作していたので全ての拾える限りの音を捉えていました。ただプレス時の条件で個体差があるし、再生を重ねた時の摩耗、そして40年、50年もたった当時のレコード盤に使用されたマテリアルの経年劣化など、レコード盤の物理的な限界はあるとしてもね。
デジタルは経年劣化や摩耗による低音の破壊は起こらない。ハイレゾ音源とは、デジタル録音した時にカットしていない音質を保ったままデジタル化した音源だ。(アナログは60分の音楽は60分分の録音テープが必要ですが、デジタルでは一様ではない。だから一概には定められないが、現在の市販 CD にハイレゾ音源のそのままを入れると10分ぐらいの再生しかできないので商売に成り立たない。)マーティ・フリードマンもタモリ倶楽部で空耳アワード2015の回の時に音楽はベースラインが心地よいのに、「パソコンで音楽聞くと悲しくなります。ベースが聞こえないじゃないですか」って嘆いていましたね。

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