通販レコードのご案内皇帝が望んだ本格的なドイツ語オペラの理想。
《仏ブルーライン盤》FR DGG 2740 102 ベーム モーツァルト・後宮からの誘拐 ドイツ・オペラはどちらかというと片隅へ追いやられていた。この事態を憂慮した皇帝ヨーゼフII世がドイツ・オペラを盛り上げようと声をかけたものの、なかなか成果は上がらなかった。モーツァルトは余程イタリア・オペラから脱却したオペラとでもいうべきものを作りたかったらしい。《後宮からの誘拐》は全体の筋の展開が速く、わかり易いし、登場人物も愛すべき性格の持ち主ばかり。当時としてはかなり自由奔放なスタイルで書かれており、喜怒哀楽の感情の動きを活写している。亡国に連れ去られた恋人を救出する青年のアクション映画だと思ってみると親しめる。ベームの指揮は、哲学的な意味を含んで演奏していると云うよりは、歌劇場と云うよりは芝居小屋に相応しい感じで話が進む。ベームならではの引き締まった表現を聴かせている。躍動感にあふれ、それでいながら曲の運びに余裕がある。歌手もオジェー、シュライアーなど理想的な布陣だ。オーケストラがドレスデン管ということもあり、ウイーンの甘さは有りませんし、人によっては堅苦しく感じるかもしれませんが、全体的に極めてドイツ的な演奏で、それが逆にドラマの真実味が向上したかのような迫真性を感じさせます。
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April 30, 2020 at 01:30AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1081167.html
via Amadeusclassics
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