通販レコードのご案内カラヤンとBPOの前途洋々の絶頂期。流麗でキメが細かく、中高音域のきれいな、類まれな美音盤。
(演奏者)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニア管弦楽団
(曲目)ワーグナー・オペラ前奏曲&序曲集 Vol.2 楽劇 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 第1幕への前奏曲、歌劇 『さまよえるオランダ人』 序曲、『ローエングリン』第3幕への前奏曲、舞台神聖祝典劇 『パルジファル』 第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲
70年代カラヤン盤中心にEMIでドイツものを担当したミヒャエル・グロッツ、ウォルフガング・グルリッヒが制作したオーディオファイル盤。他のスタジオ録音からはなかなか聴くことのできない仕上がりとなっている。『レコード芸術』誌の歴代名盤ムック本で常に首位をキープしている名盤。
カラヤン&ベルリン・フィルの録音は星の数くらい沢山あるが、特にEMIに録音した1970年代物は本当に素晴らしい。当時のこの組み合わせ以外には不可能であったと思われるカラヤンとベルリン・フィルの前途洋々とした絶頂期。互いの信頼から来る、堂々たる演奏の実現に結果として現れている。この時期に英国EMIレーベルでワーグナーの管弦楽曲の集中的な録音を行いアルバムを2枚制作した、本盤はその第2弾である。オペラの管弦楽曲集なんてアルバムを作らせたらカラヤンの右に出るものはいないと言われていたが、このワーグナーの作品集も見事な出来映え。第1集で気に入らせたら、第2集も自ずから売れる。COLUMBIA時代に心得た、選曲の妙味を再現。『ニーベルングの指環』の管弦楽曲集は残さなかったカラヤンだったが、残念に思わない。当時のカラヤンが無双状態にあったことを実証する記録である。ワーグナーの壮大な音楽を最良の形で聴くことが出来る。演奏の出来と録音の素晴らしさを堪能出来る。カラヤンの指揮から紡ぎだされる華麗で濃密、スケールの大きい管弦楽の洪水が豪快に渦を巻く。ワーグナーの序曲、前奏曲集ならクナッパーツブッシュかフルトヴェングラーかと身体に染み付き始めていた者としては、この滑らかで流暢な演奏をはじめて聴いた時は面食らった。ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているという点では当盤が最右翼、圧倒的な表現の振幅によって演奏されたワーグナーでしょう。
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲は颯爽としているが、せかせかしないでカラヤンの特徴でもある流麗なテヌートを上手に使用しながら濃厚なサウンド・ヴェールをまといながらそそり立っていく。一度聴いてしまうと、この演奏から抜けられなくなってしまう不思議な魔力がある演奏です。『さまよえるオランダ人』序曲の力強さは、ほの暗い情念をドラマティックに描き絶品である。『ローエングリン』第3幕前奏曲の風を切るような疾走感はたまらない。ベルリンにホテルを借りようとせずに、自宅からスーパーカーをドライブしてホールに現れていた無敵の帝王らしさ。麻薬でヒートアップしていくかのような危険な高潮感が漂うのを感じます。
ワーグナーの壮大な音楽を最良の形で聴くことが出来て、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水
本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなくいいし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。この録音時のベルリン・フィルは木管楽器にゴールウェイ、コッホ、ライスター、ピースクなど最高の名手達は既に去っていると思いますが、ベルリン・フィル伝統のアンサンブルは健在で他に得られない圧倒的なものです。ここでは弦楽器のゴツゴツしたドイツ的な響き。いくつかあるカラヤンのワーグナーの管弦楽曲集の中でも、この70年代のベルリン・フィルとのコラボレーションは最高峰に位置するといえます。指揮者、オーケストラともに最も脂の乗っている時期で、各パートのテクニックもパーフェクト。カラヤンの良さが十分に発揮されています。煌びやかであり、官能的であり、1970年代絶頂期のカラヤン美学の徹底した名演奏です。
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-16675.jpg
March 25, 2020 at 10:45AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1117419.html
via Amadeusclassics
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