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自然に行われる音楽が本来持っている快適さ*アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス バッハ・管弦楽組曲

通販レコードのご案内 音楽はただ単に快適さを求める耳にのみ心地良いのではなく、荒々しい音と快い音の違いを区別することの出来る耳のために存在するのです。

DE TELEFUNKEN C069-93147 ニコラウス・アーノンクール バッハ・管弦楽組曲《独 DAS ALTE WERK ブラックラベル盤》DE TELEFUNKEN C069-93147 ニコラウス・アーノンクール バッハ・管弦楽組曲 アーノンクールは古楽器演奏の旗手として活躍、この古楽器演奏こそ作曲家との精神的な結びつきを深める手段だという信念のもと、演奏に反映させ、常に新鮮な驚きに満ちた感動を私たちに与えている。どんな時代の曲でも、楽譜を徹底的に読み直すことによって、今までの慣習的な表現を改め、作品が本来持つ新鮮で刺激的な魅力を引き出すことに主眼を置いている感じを受けます。本盤もそうした成果の一枚。
『音楽は対話である〜モンテヴェルディ、バッハ、モーツァルトをめぐる考察』にアーノンクールのピリオド楽器演奏の真髄が展開されている。庭園は原生林よりもより美しく、幾何学的に整えられた生け垣は、自然に育った木よりも一層美しいのである。西洋の庭園と日本の庭造りの相違が、日本人が古楽器演奏に共鳴できるのかどうか、それは一先ず横において。例えば無伴奏ヴァイオリン・ソナタのアダージョや、マタイ受難曲のアリア『愛の故をもて、我が救い主は、今死に給う』のフルートのパートから、全ての装飾音を取り去り、もう一度自分で装飾音を書き込んでみると、たとえバッハと同時代の音楽家がそれを認めようとしなかったにしてもバッハによる唯一の正しい装飾音と、その自然さにはバッハほど豊かなファンタジーを持つものはいないと思わされる。
 管弦楽組曲はヴィヴァルディ様式の協奏曲とは違い、マスの響きが獲得できるコンセルトヘボウと違い個々の楽器が音の減衰が速いので、本盤ではヴァイオリン・パートはトゥッティとソロに区別されており、オリジナル楽器や楽器編成の妙によるコントラストで音楽に表情付けを施している。それが瑞々しさともいえる、響きをとても新鮮で飽きのこないものにしています。
 後に主流となるピリオド・アプローチで目立って聴かれるような奏法やテンポ設定は特に採用せず、ヴェンツィンガーなどによるアルヒーフの「学研的」なシリーズやコレギウム・アウレウムなどと線引できる。アーノンクールの演奏は、響きに挟まった汚れを洗い流しながらも表情はむしろ、1960年代のバロック音楽が近い ー イ・ムジチとかパイヤール、ミュンヒンガー、カール・リヒターをリスペクトしてる。ドイツ・プレス盤、ステレオ録音。

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March 27, 2020 at 07:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1064973.html
via Amadeusclassics

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