通販レコードのご案内落ち着きのある気品に満ちた美しさはバルビローリの影響でしょうか。彼女の違った一面がうかがえます。
(演奏者)ジャクリーヌ・デュ・プレ ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン交響楽団
(曲目)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb-2、モン:チェロ協奏曲ト短調
言わずと知れた悲劇のチェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏。バックはバルビローリ&ロンドン響。ハイドン・ハ長調は当時の夫バレンボイム・イギリス室内管でしたが、本盤はエルガーと同じバルビローリとのコラボレーション。
本演奏の数年後には多発性硬化症という不治の難病を患い、二度とチェロを弾くことがかなわなくなる、決して長いとは言えなかった演奏家人生、その活動の中で彼女が残した録音は、得意のエルガーのチェロ協奏曲やドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏する時のみならず、そのどれもが飛び抜けた名演奏として残されていますが、どのような楽曲の演奏に臨むに際しても全力投球で、体当たりとも言うべき渾身の演奏を行ったと言えるところであるが、落ち着きのある気品に満ちた美しさはバルビローリの万全なサポートに支えられての影響でしょうか。両曲の魅力的な数々の旋律を歌い抜いた情感豊かな演奏を繰り広げているのが素晴らしい。彼女の違った一面がうかがえます。
本演奏におけるデュ・プレによる渾身の気迫溢れる演奏の力強さについても、とても女流チェリストなどとは思えないような圧巻の凄まじさであると言える。演奏のどこをとっても切れば血が出てくるような圧倒的な生命力に満ち溢れるとともに、女流チェリスト離れした強靭な力感に満ち、そして雄渾なスケールを伴った圧倒的な豪演は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分である。それでいて、両曲の緩徐楽章などにおける繊細にして情感の豊かな表現おいてもいささかの不足はないと言えるところであり、その奥深い情感がこもった美しさの極みとも言える演奏は、これからデュ・プレを襲うことになる悲劇が重ね合わせになり、涙なしには聴くことができないほどのもの。
ハイドンのチェロ協奏曲第2番と、世に知られているとは言い難いシェーンベルクが編曲したモンのチェロ協奏曲。あたかも自らをこれから襲うことになる悲劇的な運命を予見しているかのような、何かに取り付かれたような情念や慟哭のようなものさえ感じさせる。いずれも、デュ・プレならではの圧倒的な超名演だ。
録音:1967年
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January 28, 2020 at 01:10AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1114226.html
via Amadeusclassics
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