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地鳴りがするようなオーディオ的快感を覚える◉ロンドン、クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル ワーグナー・名場面集

通販レコードのご案内いつもながら滔々とテンポが遅くドイツの幽遠たる森に足を踏み入れるような深き響き。而してパワフルで録音も素晴らしく、ウィーン・フィルの魅力を最高に引き出しているのは当盤であろう。

NL DEC 414 610-1 ジョージ・ロンドン ワーグナー・オペラ・アリア集《蘭GRANDI VOCI盤》NL DECCA 414 610-1 ジョージ・ロンドン ワーグナー・オペラ・アリア集 地鳴りがするような録音で音は素晴らしい。曲はワーグナー作曲、「さまよえるオランダ人」のモノローグ、ニュルンベルクのマイスタージンガー「ニワトコの独白」「迷いだみんな迷いだ」、ワルキューレ「さらばだ、勇ましい素晴らしい娘よ」とオーディオ的快感を覚えるに良いプログラム。
 ジョージ・ロンドンの歌唱の素晴らしいが、それ以上に圧巻なのがオーケストラだ。弱奏部での文字通り「身の毛もよだつような」恐ろしい緊張感。それが強烈なクレシェンドで激しい苦悩の叫びとなる劇的迫力。その後の感情の大波が揺れるような旋律の表出、生々しい金管のアクセント、金切り声のような高弦のトレモロ、地獄の沙汰が下されたようなティンパニの最強打。と、繊細さとド迫力。クナッパーツブッシュは迫真の演奏で作品のドラマを活かしきってゆく。これが他の指揮者ではなかなか見られない、自分の信じる流儀を貫くクナッパーツブッシュ流の美学だ。いずれもウィーン・フィルの豊潤な響きが魅力。お薦めできる一枚です。
 一人でも多くの方に聴いていただきたい名盤です。パワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。重厚感がたまらなく良いし、この頃の豪華絢爛なウィーン・フィルを堪能しました。半世紀以上前の録音も実に鮮明だ。ステレオ録音。


http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-23375.jpg
January 28, 2020 at 04:45AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1112473.html
via Amadeusclassics

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