通販レコードのご案内偉大な個性の白熱の共演が生んだ人類の遺産。
(演奏者)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 ジョージ・セル指揮 クリーブランド管弦楽団 ダビット・オイストラフ ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ スヴェストラフ・リヒテル
(曲目)ベートーヴェン・トリプル協奏曲、ブラームス・ダブル協奏曲
オイストラフ追悼記念限定盤、日本ビクター・東芝EMI共同企画盤2枚組。オイストラフ、ロストロポーヴィチ、リヒテル、カラヤン、セル、もはや望み得ないこの顔合わせによる超豪華企画。
三重協奏曲はベートーヴェン生誕200年に際して実現した「夢の顔合わせ」による録音(1969年)。指揮者、ソリストの顔ぶれもさることながら、曲の魅力を初めて世に知らしめたことでも重要な意味を持つ演奏・録音。1974年10月24日死去したオイストラフ追悼盤でブラームスが追加され2枚組。前者ではリヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチという旧ソ連を代表する大家三人がカラヤン~ベルリン・フィルの豪華な音の世界をバックに、それにひけを取らない位各々の魅力を存分に発揮し、後者ではオイストラフ、ロストロポーヴィチがセル~クリーヴランド管の精緻な響きをバックに、力強く、スケールの大きな演奏を繰り広げているのは聴けばよく分かります。
ベートーヴェンの《三重協奏曲》は1969年9月15~17日、ベルリン、イエス・キリスト教会での収録。ベートーヴェンの作品としては駄作とされ、演奏機会の少なかったこの曲の評価を一変させた名演。高名な作品56の「英雄」のすぐ次の作品番号で、ベートーヴェンのデュアリズムを当てはめてカラヤンが目指した、この曲は隠れた名曲だとセンセーション巻き起こしたのは事実。全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルの厚みのある力強い管弦楽に乗って、旧ソ連からやって来た三大家がスリリングな熱演を繰り広げている。指揮者の力量、ソリストの顔ぶれもさることながら、個性がそれぞれに強かったから「夢の顔合わせ」による録音は、話題だけに終わらなかった。
高名な三人の独奏者もここでは楽団員です・・・、カラヤン/ベルリン・フィルの録音は星の数くらい沢山あるが、ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているという点では当盤も最右翼でしょう。それは極めてスタイリッシュかつパワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなくいいし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。ベルリン・フィル伝統のアンサンブルは健在で他に得られない圧倒的なものです。 ー それほど気合が入っているのは、この時カラヤンと EMI それぞれの思惑が大きく存在しています。そして、このレコーディングにはリヒテルが再録音を主張していますが・・・録音の際はカラヤンと三大家(特にリヒテル)との音楽性が一致せず、中々難渋したそうだが本来指揮者以上にリードしてこの曲の性格を形成するチェロを担当した、ロストロポーヴィチの働きがあって聴いてる分には問題ない。むしろそれゆえにスリリングな雰囲気が出たのかも。第2楽章でここぞとばかりにリヒテルが突出しているが、カラヤンがそれを受け止めて、緩徐楽章としては無類のスケールになっているから結果としては、ベートーヴェンはこういう緩徐楽章を響かせたかったのではないかと感じさせる説得力に転じている。リヒテル、ロストロポーヴィチ、オイストラフのそれぞれの職人芸が何ともしれず溶け合い、時に火花をちらし、共演が崩壊することなく冒頭の祝祭的雰囲気のベートーヴェンの意図にまた淡々と戻っていく。リヒテルはカラヤンの支配を振り切ろうとしたが、オイストラフはテンポのことでカラヤンに受け入れてもらえず、もう二度と共演しなかった。リヒテルはロストロポーヴィチがカラヤンに味方することに腹を立て、以降絶交したそうです。
ブラームスの《二重協奏曲》は1969年5月、クリーブランドでの収録。こちらの名演は、豊麗なオイストラフのヴァイオリン、豪放磊落なロストロポーヴィチのチェロ、そして最晩年のジョージ・セルによるキリリと引き締まった管弦楽による三位一体の妙が堪能できる。
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December 29, 2019 at 12:45PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1112564.html
via Amadeusclassics
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