通販レコードのご案内 ベートーヴェンを弾く上でピアニストにとって意識せざるを得ない録音。ベートーヴェンを聴く者にとっても最初に選ぶべきレコード。
《英ED3 ワイドバンド盤》GB DECCA SXL2178 バックハウス&イッセルシュテット ベートーヴェン・ピアノ協奏曲1番&2番 バックハウスのピアノですが、言い尽くされている通り特徴が無いのが特徴といえるでしょうか。要は、テクニックをひけらかすわけでもなく、その澄んだ音色ともあいまって、ひどくシンプルなのです。でも、繰り返し聞いていると、何か、そのピアノが、まるで、融通無碍の境地で、自由にブラームスの音符と戯れているように、静かな所は静かに激しいところは激しく聴こえて来るところが、彼の魅力と言えるでしょうか。
このバックハウスを土台からしっかり支えているのが、壮年期で充実しかけたイッセルシュテット。テンポも速く、劇的な演出はどこにもないが、曲が進むに連れて熱気を帯びてくる。イッセルシュテットの解釈であろうが、ウィーンフィルの奏者達のバックハウスへの献身こそが活気を呼び起こしているのかも。
オーケストラは、アコースティックな響きを伴って迫ってくる。音圧が高く、音に密度と力がある。高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。チェロをはじめとする弦楽器も温かい音色で、高低の分離も良い。お互いに晩年に差し掛かり 枯れた境地 が伝わって参ります。
バックハウス晩年のステレオ録音による比類なく美しい名演です。この巨匠にとって最後のベートーヴェン協奏曲全集になるであろうことを指揮者もオーケストラも噛みしめて、最高のサポートをしています。高名な老巨匠であるから、数えきれない回数演奏を重ねてきたはずですが5曲の協奏曲の個性が活き活きとしている。もちろん「皇帝」が、その名の通りの出来で、山ほどあるレコードの中でも最高峰のうちの一つ。しかし、是非耳を傾け聴きこんで欲しいのがメルヘン的な音楽空間を描き出した1番、2番。
1958年ステレオ録音。バックハウスの洗練されたテクニックと、戦前の面影を留めたウィーン・フィルの響きがメルヘン的な音楽空間を描き出した名盤。第1番のカデンツァやフィナーレ、第2番第1楽章あたりの颯爽として軽快な弾きぶりは、彼の年を忘れさせる程で、新鮮な魅力に満ちています。
シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルが作曲家の青春時代に相応しい希望に満ちたサポートを繰り広げています。イギリス・プレス盤、ステレオ録音。
1959年(1)、1958年(2)ウィーン、ムジークフェラインザールでのセッション録音。優秀録音、名盤。
■ SXL.6322http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-19893.jpg
November 30, 2019 at 06:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1012848.html
via Amadeusclassics
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