求心力がある演奏。序曲だけで名作オペラの真髄を知る。曲が進むに連れ次第にドラマの深淵へと引きずり込まれてゆく。
先輩格のニキッシュから習得したという指揮棒の動きによっていかにオーケストラの響きや音色が変わるかという明確な確信の元、自分の理想の響きをオーケストラから引き出すことに成功して云ったフルトヴェングラーは、次第にそのデモーニッシュな表現が聴衆を圧倒する。当然、彼の指揮する管弦楽曲は勿論のこと、オペラや協奏曲もあたかも一大交響曲の様であることや、テンポが大きく変動することを疑問に思う聴衆もいたが、所詮、こうした指揮法はフルトヴェングラーの長所、特徴の裏返しみたいなもので一般的な凡庸指揮者とカテゴリーを異にするフルトヴェングラーのキャラクターとして不動のものとなっいる。この得意のリヒャルト・ワーグナーの序曲、前奏曲も、特にこうしたキャラクター丸出し。
演奏も全く機械的ではない指揮振りからも推測されるように、楽曲のテンポの緩急が他の指揮者に比べて非常に多いと感じます。しかし移り変わりがスムーズなため我々聴き手は否応なくその音楽の波に揺さぶられてしまうのである。
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《仏 ラージドッグ・セミサークル盤》FR VSM FALP30.213 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ワーグナー・序曲集 求心力がある演奏。序曲だけで名作オペラの真髄を知る。曲が進むに連れ次第にドラマの深淵へと引きずり込まれてゆく。ウィーン・フィルのメンバーもオペラを理解していたし、フルトヴェングラーの伝えんとすることは心得たものだったのだ。■「タンホイザー」序曲、「ローエングリン」第1幕への前奏曲、「さまよえるオランダ人」序曲、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。
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October 28, 2019 at 02:00PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1024177.html
via Amadeusclassics
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