録音秀逸オーディオファイル盤なのは言うまでもない。素晴らしいベートーヴェン演奏の記録。気迫がこもっていて、1つ1つの曲の核心をつく名演奏の記録。圧倒されるばかりではなく、肩の力が抜けた音楽も聴ける。ハンガリー生まれの名女流ピアニスト、アニー・フィッシャーは戦後はブダペスト中心に活動したため、ほぼヨーロッパのみでしか演奏に触れられなかったにもかかわらず世界的に評価が高いピアニストのひとりです。
この同郷のフリッチャイとの共演盤は、1957年にもかかわらずステレオで残されていることがまず貴重。演奏も後にソナタ全集で評価されたときと同様に、楽譜の読みの深さと集中力は同業のピアニストさえも唸らせた至極の境地に達した演奏と言えるでしょう。録音された時代と同じ空気を感じられるのが初期盤収集の楽しみを十二分に与えてくれる名盤です。
ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37」での堂々たる減速を伴った登場には歌舞伎俳優の見得まで切って見せるような決然とした意思表示を確認できると同時に、穏やかな、そしてすっきりとした歌も堪能できる。また、細かい動きをする音階はもちろんのこと、グールド的な低音の急速なパッセージもなかなかスリリング、そして驚くべきことに場所によっては、そのパッセージをそのまま歌いきってしまう豪快さ。
一筋縄ではいかない曲者ぶりは、そのピアノの音が固めなところからも感じさせる。それが、モーツァルトの「ピアノと管弦楽のためのコンサート・ロンド ニ長調 K.382」では音の作りが多少変わる。肩の力はさらに抜け、音は丸みを多少帯びる。ただし、急速なパッセージのスリリングな処理は同じ。演奏の引き出しが多い優れたピアニストだ。
この同郷のフリッチャイとの共演盤は、1957年にもかかわらずステレオで残されていることがまず貴重。演奏も後にソナタ全集で評価されたときと同様に、楽譜の読みの深さと集中力は同業のピアニストさえも唸らせた至極の境地に達した演奏と言えるでしょう。録音された時代と同じ空気を感じられるのが初期盤収集の楽しみを十二分に与えてくれる名盤です。
ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37」での堂々たる減速を伴った登場には歌舞伎俳優の見得まで切って見せるような決然とした意思表示を確認できると同時に、穏やかな、そしてすっきりとした歌も堪能できる。また、細かい動きをする音階はもちろんのこと、グールド的な低音の急速なパッセージもなかなかスリリング、そして驚くべきことに場所によっては、そのパッセージをそのまま歌いきってしまう豪快さ。
一筋縄ではいかない曲者ぶりは、そのピアノの音が固めなところからも感じさせる。それが、モーツァルトの「ピアノと管弦楽のためのコンサート・ロンド ニ長調 K.382」では音の作りが多少変わる。肩の力はさらに抜け、音は丸みを多少帯びる。ただし、急速なパッセージのスリリングな処理は同じ。演奏の引き出しが多い優れたピアニストだ。
1957年12月3日、1959年6月26〜28日ミュンヘン、ヘルクレスザールでの録音。
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-13845.jpg
September 29, 2019 at 07:15AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1106468.html
via Amadeusclassics
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