通販レコードのご案内 DECCAでケルテスは《新世界交響曲》を2種ほぼ同時期に録音しています。
《昭和39年日本初出盤》JP LONDON SLC1337 ケルテス・ウィーンフィル ドヴォルザーク・新世界 アメリカに長期滞在中だったドヴォルザークが、新天地で出会った様々な音楽を取り入れながら祖国ボヘミアへの郷愁を綴った《新世界より》は、ノスタルジックな旋律に溢れた人気曲。特に第2楽章の哀愁に満ちた旋律は「家路」のタイトルで広く知られています。ハンガリー生まれの名指揮者ケルテスが名門ウィーン・フィルを指揮した演奏は、彼の才能を世に知らしめた名盤として有名なものです。当時32歳という若さのケルテスが、老舗のウィーン・フィルの奥深い響きを生かしつつ、ドラマティックなテンポの変化を加え、ティンパニの壮絶な強打や金管の咆哮によって、作品に生気をみなぎらせてゆく様は、まるでライヴ演奏を思わせるほどのスリリングな熱気をはらんでいます。
当アルバムは、ケルテスにとっての名門デッカ・レーベルへのデビューを飾った記念碑的録音で、特に日本では、1961年にキング・レコードから発売されて以来、ライナー/シカゴ響のRCA盤、バーンスタイン/ニューヨーク・フィルのコロンビア盤、セル/クリーヴランドのエピック盤、カラヤン/ベルリ・フィルのDG盤など並んで、「新世界」の定番LPとなった。
このレコードは1961年に収録され英国では初版、第2版を発売した後、1965年よりケルテス&ロンドン交響楽団との全集録音の企画が持ち上がったのでした。ところが全集録音を発売する旨味とウィーン・フィルを長期的に確保できない板挟みで、ケルテス・ドヴォルザーク交響曲はロンドン響との録音を DECCA は発売していました。結局1966年に、ロンドン響を指揮してこの交響曲を再録音し、若々しいダイナミズムの代わりに円熟味を獲得した演奏を成し遂げましたが、日本の音楽ファンの間では断然このウィーン・フィル盤の評価が高いとされています。
ロンドン響との《新世界交響曲》をレコーディングする前に結局のところは、つまり、この音源は一度お蔵入りしていた訳です。そして70年代に入り、再度プレスしたのがこのレコードとなります。プロデュースは、デッカでのケルテスの録音の多くを担当したレイ・ミンシャルで、ジェームズ・ブラウンとのコンビで収録に当たっていいます。1956年から1980年代にいたるまで、デッカのウィーンにおけるステレオ・セッションのホームグラウンドとなったゾフィエンザールは、19世紀前半に浴場として建てられ、その後舞踏会場として使われていた建物で、ヨハン・シュトラウスも頻繁に舞台に立ったことで知られます。この会場は、細部の音まで明晰に収録・再現しようとするデッカのレコーディング・ポリシーに最適で、伝説的なショルティの《ニーベルングの指環》をはじめとする、デッカ・サウンドの代名詞となった名録音が次々と生み出されました。この「新世界」もその1枚で、粒立ちのよいティンパニ、香ばしい輝きを放つ金管、ウィンナ・オーボエやクラリネットなど個性的な響きを披露する木管、シルキーでしかも厚みのある弦楽パート(特にゴリゴリとした低弦)などをくっきりと立体的に再現し、録音後、ほぼ半世紀を経た現在も、その鮮明なサウンドの魅力は色あせることがありません。
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August 31, 2019 at 02:15PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1103777.html
via Amadeusclassics
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