通販レコードのご案内 ワルター最晩年のステレオ録音、古典主義的ともいえる端正さを基本としながらも、所々にロマン主義的な自由な解釈をも聴かせるワルター晩年の名演。
《日本コロムビア ウォーキング・アイ・レーベル黒文字盤》JP COLUMBIA OS192 ワルター・コロムビア響 ベートーヴェン 英雄 一時は引退を表明して80歳を越えた晩年のワルターは米国は西海岸で隠遁生活送っていたが、米コロンビア社の若き俊英プロデューサー・ジョン・マックルーアに説得されドイツ物中心にステレオ録音開始。曲の全体としての流れを大切にしていて、録音するときも細切れに録音したりせず、1楽章を通して録音していたらしい。このワルターの芸術を残すために結成されたコロンビア交響楽団は当時のアメリカ在住の演奏家を選りすぐったもので、満足できるまでスタジオを使用することが出来たことも温厚なイメージの演奏の数々となったのでしょう。特定は難しいが曲により、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーも加わっているという。人気曲ゆえに名演も多い『英雄』にあって、ここに聴かれるワルター一流の晴朗なリリシズムは未だに凌ぐものがありません。古典主義的ともいえる厳格で端正な音楽づくりを基本としながらも、所々にロマン主義的な自由な解釈をも聴かせるワルター晩年の名演です。ただそこには付帯条件がつきまとう。確かに迫力だけではフルトヴェングラーや最近の古楽器系演奏に劣り、造形の厳しさと言う点ではヴァント等に劣るだろう。しかし、なんともよく歌い、流れが実に自然な良い演奏で素直に感動できる。
ワルターのベートーヴェンは、音のエッジが丸く柔らかく総じて暖かい。ベートーヴェンの古典派を代表する交響曲として〈英雄〉作曲の背景にあるものの受け止め方が理由だが、激しく燃えるような演奏が好みの人には、この演奏は合わないだろう。特に、この「英雄」は実に暖かく、穏やかな表情をもつ演奏になっている。決してセカセカしておらず豊かな心地になる音楽そのものを味わえるのは、大いにコロムビア交響楽団の響きの明るさも寄与している。テンポは速過ぎず遅すぎず、メロディ・ラインが優先されるので、フレーズの変わり目ではリズム感は乱れていると感じられるかもしれない。弦楽器群の減速と管楽器が縦一線ではないので表層的には、そう感じられる。
1958年1月20,23,25日カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホールでの録音。リ・イシュー・プロデューサー:John McClure、リマスター:John McClure, Larry Keyes、ステレオ・セッション。優秀録音、名演、名盤。
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August 29, 2019 at 07:45AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1083662.html
via Amadeusclassics
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