オーケストラと指揮者の相性は恋愛に似ている。スター指揮者に成ったからってオーケストラに受け入れられないと続かない。
パリ音楽院管弦楽団は今から200年前に「前衛音楽」であったベートーヴェンをフランスの聴衆に受け入れられる働きをした。作曲されたばかりのベートーヴェンの作品を創立から20年間の間に取り上げた演奏会は191回中183回に及ぶ。
指揮者、アンドレ・クリュイタンスはベルギーの生まれ。1955年にフランス系として初めてバイロイトに登場したという経緯からしてか、彼がそもそも名声を得たのはベートーベンやワーグナーだった。この人の演奏は合奏が実にしっかりしているし、非常に計算し尽くされた響きのバランスに驚かされてしまう。もちろんフランス的な色彩感覚も抜群に素晴らしい。まずはこの辺が数々の名盤を普遍的なものにしている要因だと思う。
特にベートーヴェンでは、ベルリン・フィルを振った「田園」などの超名演がありますね。これなどはクリュイタンスが言いたいことを良くおしゃべりしているように聴こえます。夫婦仲に会話が大切と言われます。
指揮者の中にはオーケストラの上に君臨する亭主関白がいて、それはそれなりに強く訴えかけてくるものがあるのですがクリュイタンスの演奏からは、そうした人為的なカリスマ性は見えてきません。この人のもつ深い教養と音楽への真摯な想いが、そのままオーケストラに伝わり何のケレン味もなく響きとして紡ぎだされる様を思えば、オーケストラとの間の、深い信頼関係がどれほど重要なものかを改めて感じさせてくれるような気もします。
本盤は、ルーセルの本場コンセヴァトワール(パリ音楽院管弦楽団)との共演。どうにも言葉にするのが難しい個性と雰囲気を持っていて独特の質感としかいいようがない何かを表現している。なんでこんなに優雅で、精緻で、色彩感があるのだろう。陶酔感があるのだけど、つねに制御を失わず、熱狂的になっても、理性を失わず、エレガントなの。両者の相性は抜群で、このレコードを録音するために人生を成長してきたのではないかと思いたいほどです。
両者の幸福な結婚は1967年のクリュイタンスの死去で、パリ音楽院管弦楽団が140年間の楽団の歴史を解散という形で幕を引いたことでも、よほど相性の良い恋愛関係だったのだなぁと素敵で羨ましく思えるのです。
このコンビのあまりの素晴らしさに「日本のオーケストラがこのレベルになる日は永遠に来ないのではないか」とまでいわれたという。
André Cluytens / Paris Conservatoire Orchestra
☆アナログレコード/通販レコード☆
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July 29, 2019 from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e893237.html
via Amadeusclassics
パリ音楽院管弦楽団は今から200年前に「前衛音楽」であったベートーヴェンをフランスの聴衆に受け入れられる働きをした。作曲されたばかりのベートーヴェンの作品を創立から20年間の間に取り上げた演奏会は191回中183回に及ぶ。
指揮者、アンドレ・クリュイタンスはベルギーの生まれ。1955年にフランス系として初めてバイロイトに登場したという経緯からしてか、彼がそもそも名声を得たのはベートーベンやワーグナーだった。この人の演奏は合奏が実にしっかりしているし、非常に計算し尽くされた響きのバランスに驚かされてしまう。もちろんフランス的な色彩感覚も抜群に素晴らしい。まずはこの辺が数々の名盤を普遍的なものにしている要因だと思う。
特にベートーヴェンでは、ベルリン・フィルを振った「田園」などの超名演がありますね。これなどはクリュイタンスが言いたいことを良くおしゃべりしているように聴こえます。夫婦仲に会話が大切と言われます。
指揮者の中にはオーケストラの上に君臨する亭主関白がいて、それはそれなりに強く訴えかけてくるものがあるのですがクリュイタンスの演奏からは、そうした人為的なカリスマ性は見えてきません。この人のもつ深い教養と音楽への真摯な想いが、そのままオーケストラに伝わり何のケレン味もなく響きとして紡ぎだされる様を思えば、オーケストラとの間の、深い信頼関係がどれほど重要なものかを改めて感じさせてくれるような気もします。
本盤は、ルーセルの本場コンセヴァトワール(パリ音楽院管弦楽団)との共演。どうにも言葉にするのが難しい個性と雰囲気を持っていて独特の質感としかいいようがない何かを表現している。なんでこんなに優雅で、精緻で、色彩感があるのだろう。陶酔感があるのだけど、つねに制御を失わず、熱狂的になっても、理性を失わず、エレガントなの。両者の相性は抜群で、このレコードを録音するために人生を成長してきたのではないかと思いたいほどです。
両者の幸福な結婚は1967年のクリュイタンスの死去で、パリ音楽院管弦楽団が140年間の楽団の歴史を解散という形で幕を引いたことでも、よほど相性の良い恋愛関係だったのだなぁと素敵で羨ましく思えるのです。
このコンビのあまりの素晴らしさに「日本のオーケストラがこのレベルになる日は永遠に来ないのではないか」とまでいわれたという。
通販レコードのご案内 これ以上ないほどの幸福な結びつき。
Roussel: Symphony No.3 and No.4, Bacchus et Ariane, Sinfonietta, Le Festin de l'AraignéeAndré Cluytens / Paris Conservatoire Orchestra
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- 品番
- 34-9460
ジャンル | 【交響曲, 管弦楽曲】 |
---|---|
レーベル | FR VSM |
レコード番号 | 2C181-52.293-4 |
曲目 | 交響曲 第3番、第4番、バレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》第2組曲 op.43、バレエ音楽《蜘蛛の饗宴》 op.17、管弦楽のためのシンフォニエッタ op.52 |
作曲 | アルベール・ルーセル |
演奏 | パフォーマー |
---|---|
指揮者: | アンドレ・クリュイタンス |
オーケストラ: | パリ音楽院管弦楽団 |
フォーマット: | STEREO |
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July 29, 2019 from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e893237.html
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