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熟成した美しいアンサンブル★トーク付きの演奏会を始めた ビーチャム指揮ロイヤル・フィル ワーグナー・オペラ抜粋集

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GB PHILIPS ABL3039 ビーチャム WAGNERオペラ抜粋集《英プラム Mini Groove 33 1/3 銀文字盤》GB PHILIPS ABL3039 ビーチャム WAGNERオペラ抜粋集 満足できる音楽を自由にやりたいように演奏、録音をした指揮者が20世紀イギリスを代表する大物指揮者、サー・トーマス・ビーチャムです。その演奏内容の多彩さには驚くべきものがあります、定評あるディリアスでは独特の空気感を伝える絶妙な美しい演奏をおこなう一方、フランス音楽やベートーヴェン、モーツァルトなどでは、ときに過激なまでの思い切った表情付けで楽想をえぐり、さらにハイドンではスケール大きく懐の深い演奏を聴かせるといった具合で、それぞれの作品に真摯に向き合う姿は実に感銘深いものがあります。また、ストコフスキーを初めとして1950年代にレコードをたくさん録音した指揮者は、楽譜にはない演奏を良くしていますけれども、ビーチャムのレコードもそういった演奏がとても多くあって新鮮に楽しむことが出来ます。レコード録音のレパートリーのスタンダードも構築したような業績もあるので、親しんでいる曲からでもビーチャムの録音盤と聴き比べるのは面白く勉強に成る事でしょう。
 大富豪の家に生まれたビーチャムは音楽的才能にも恵まれ、若いときから私財を投じてオペラ・カンパニーを設立し強い使命感をもって数多くのオペラをイギリスの聴衆に紹介し、さらにいくつものオーケストラを設立、コンサートものでも膨大なレパートリーを聴衆に届ける重要な役割を果たしていました。そのレパートリーの多さと常に生き生きとした演奏はビーチャムならではのものですが、これには、彼がリハーサルの達人で楽員を常に楽しませてやる気を出させ、集中力を発揮させる術に長けていたという背景があるものと思われます。SPレコード時代から、ワーグナーの楽劇を録音、発売するほどの熱心さ。何十枚組にもなるセットが、熊本博物館にも収蔵されているので熊本から購買依頼があったのは確か。当時の音楽界の情熱を感じます。
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)は1946年、当時イギリス随一の指揮者であったサー・トーマス・ビーチャムによって創設されました。ロンドンの格式あるオーケストラの中でも唯一その名称に”ロイヤル”を使うことを許され、エリザベス皇太后をパトロンに持ったことを誇りとしています。その演奏は世界各地で絶賛され、独特の熟成した美しいアンサンブルにマイルドでエレガントな音色はサー・トーマス・ビーチャムの時代から変わらぬ名演に満ちています。
 ビーチャムは生涯4つのオーケストラを創設している。1906年の「 The New Symphony Orchestra 」、1909年の「 The Beecham Symphony Orchestra 」、1932年の「 The London Philharmonic Orchestra 」、これは現在のロンドン・フィルハーモニーとは異なるが、1946年に「 The Royal Philharmonic Orchestra 」を戦後英国に帰国後に組織した。現在まで続く製薬会社創業家一家の御曹司であった彼は、その類まれなる行動力と潤沢な資金を元手に気儘にオーケストラを創設し、自腹で音楽祭でのオペラ公演やコンサートをしていた。現在コンサートの前に演奏者などがプレトークと言って解説をすることもあるけれども、これもビーチャム卿が最初に始めた。
 録音のためのスタジオから、当時最新だった録音機まで気配りも怠りなかっただけに面白いサウンドに仕上がっています。1955年発売のステレオ録音が未だ実験段階だった時期の録音なのですが、それがにわかに信じがたいほどの優秀録音です。本盤収録曲は、さまよえるオランダ人序曲、ニュルンベルクのマイスタージンガー第3幕から「徒弟達の踊り」、パルジファルから「聖金曜日の音楽」、神々の黄昏から「ジークフリートの葬送行進曲とジークフリートのラインへの旅」。オペラのストーリーからは順番が逆だが、これもオペラ上演も手中に収めるビーチャムらしい選曲といえよう。

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July 27, 2019 at 06:45PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1043239.html
via Amadeusclassics

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