通販レコードのご案内夜が箱庭の裡に立ち込めたかのような無際限の奥行を、痕跡としての情念の糸が果てしもなく辿っていく。
《独ブルーライン盤》DE DGG 410 534-1 カルロス・クライバー ワーグナー・トリスタンとイゾルデ(ハイライト) 惚れ薬を飲んでしまったことに始まる女と男の事件はその端緒から破綻まで、すべてがブランゲーネの回想の中で語られるが如き儚く美しい記憶以外のなにものでもない愛のメルヒェン。そこには観照すべき情念のフォルムはあっても、忘我の官能に私たちが今浸るべき世界は存在しない。しかし、マーガレット・プライスの清廉なイゾルデ役、終幕の絶唱が凄いコロのトリスタン役と、キャストは高水準で、一時夢に遊んで、聴き終えた後は現実の中で頑張れる糧になればいい。クライバーの「トリスタンとイゾルデ」は美しい。フルトヴェングラー、カラヤンのどろどろねっとり路線とはかなり方向性の異なる、すっきりとした、若々しく、リリカルな果てしもなく美しい演奏。
天才カルロス・クライバーによって100%その実力を引き出されたシュターツカペレ・ドレスデンのメンバーが真剣にクライバーの指揮棒の先を追う驚愕すべき凄絶演奏に圧倒される一組。鏡面がずっと広がっていくような瞑想に浸らせる中、唐突に訪れる劇的な高揚感は、炎のように熱く水のようにしなやか、異常な熱狂と浄化された美感という相反する要素がここでは奇跡的に同居しています。
1980~82年デジタル録音。VEBドイッチェ・シャルプラッテン(当時のドイツ民主共和国、ベルリン)との共同制作。
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-21933.jpg
May 28, 2019 at 01:15PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1097438.html
via Amadeusclassics
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