淡々として渋み深く、やわらかな歌にみちあふれていながら、それがきびしい造型感と手を結び合っている。
ベームはモーツァルトの演奏に精魂傾けてきた人である。モーツァルトとともに老い、モーツァルトとともに若返りつつ、ベームは指揮者としての齢を重ねてきた。
わたしが長年、彼に捧げてきた愛情のすべてを彼は千倍にもしてわたしに報いてくれた。彼はいつもわたしに、苦難のときでも決して自分の職業に絶望しないようにと、勇気を授けてくれた。彼は、新しい行為におもむくとき、いつも活力を汲むことのできる霊泉のような存在であると、ベームはモーツァルトについて語っている。
ベームにとってモーツァルトは、つねに生を前向きに歩むための導きの糸なのである。何歳になっても、それがなおさらそうであり続けるというのは、なんと素晴らしいことであろう。「永遠のモーツァルト」という形容を、この演奏に冠したい。ステレオ録音。
終生モーツァルトを愛した巨匠ベームのモーツァルトへの情熱が伝わるモダン楽器オーケストラ演奏です。独墺系の伝統ともいうべき大柄で堅固なスタイルによるモーツァルト演奏は、独自の魅力を伴って印象深いものがあります。正確無比なテンポ感と確信に満ちた造型による演奏は、古楽器演奏が全盛となった現在でも全く色褪せることがない名演です!!
1961年12月(40番)、1962年3月(41番)ベルリン、イエス・キリスト教会でのヴォルフガング・ローゼによる名演、名盤。
モーツァルト円熟期の傑作ですから滋味というか深味求められますが録音含めて本盤以外思い浮かばない。
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-21772.jpg
May 29, 2019 at 06:15PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1097507.html
via Amadeusclassics
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