通販レコードのご案内 渋い中にもビーチャムのセンスが光っている。
《英ホワイト・アンド・ゴールド・オリジナル盤》GB EMI ASD258 ビーチャム グリーグ「ペール・ギュント」 ロンギヌスの槍が重要なキーワードのオペラの話をしていたら、日本人に西洋の宗教音楽がわかるはずがない、そう男に言われた。日本人が全員仏教徒ではないし、あなたは違う宗教観なのだろうか。アメリカ人が月面歩き回った時の各宗教の反応ってのがちょっと調べてみたいという声も有る。その宗教に対する姿勢が、敬虔な演奏家には大きなフィルターとなるのかな、と感じたのがこのレコードの演奏だった。
満足できる音楽を自由にやりたいように演奏、録音をした指揮者がイギリスの指揮者、サー・トーマス・ビーチャムです。ストコフスキーを初めとして1950年代にレコードをたくさん録音した指揮者は、楽譜にはない演奏を良くしていますけれども、ビーチャムのレコードもそういった演奏がとても多くあって新鮮に楽しむことが出来ます。レコード録音のレパートリーのスタンダードも構築したような業績もあるので、親しんでいる曲からでもビーチャムの録音盤と聴き比べるのは面白く勉強に成る事でしょう。
『朝』、『オーセの死』、『アニトラの踊り』、『ソルヴェーグの歌、子守歌』など、小学校の音楽の授業でもお馴染みの『ペール・ギュント』は最初の試みに良いと思ってます。多くの愛好家が居ることも、誰もが楽しんでいるからではないかしら。わたしの通った小学校、中学校では『朝』は掃除時間の音楽として毎日聴いていました。『ソルヴェーグの歌』は松本零士のアニメ『銀河鉄道999』でも良く使用されているのでお馴染みですね。ペール・ギュントはノルウェーの劇作家、イプセンの戯曲。わたしの考え方として有名な『人形の家』には影響も受けているところがあります。
あの強大な存在である怪物が至って真面目な音楽を聴かせてくれる。ただし、そこは独墺系の演奏家ほど重厚ではありませんが、渋い中にもビーチャムのセンスが光っています。録音されたのは1957年。当時欧米ではプレスが絶えかけていたのにSP盤でも発売されています。そうした面でも随分とビーチャムが手広く働きかけたのが感じられます。英EMIのカタログから消えることなく、50年間以上も多くのクラシック愛好家が代々忘れずに愛聴しているのですから、評価の方も高いことは証明されているでしょう。
大富豪指揮者の『わがまま』な贅沢を叶えた録音です。英国音楽界を牛耳っていたとも言われるほどの存在だった怪物、サー・トーマス・ビーチャムが子供の頃から好きだった冒険メルヘンを劇音楽にしたグリーグの「ペールギュント」からビーチャムの好きな音楽だけを選んで編曲、録音されたレコードです。
全曲盤とも有名な2つの組曲版とも違います。演奏にはソプラノや合唱団まで動員してまで、凄い中途半端な音楽になっています。全曲盤を聴いたことがあれば、どうしてこの曲はないの?どうしてこの曲を選んだの?って、思うことでしょう。だけれども組曲版が好きで、でも全曲盤はストーリーがわからないし、と思っているならきっと楽しめますよ。
プチ贅沢でなくて、秀吉の黄金の茶釜や金箔をふんだんに使った屏風絵が圧倒するだけの金持ちのおもちゃには思えないように、数ある指揮者や歌手のわがまま、自己満足、力を誇示するために録音されたレコードの中でもツタンカーメンの黄金のマスクに匹敵する文化遺産になるレコードです。
録音のためのスタジオから、当時最新だった録音機まで気配りも怠りなかっただけに面白いサウンドに仕上がっています。ステレオ録音が未だ実験段階だった時期の録音なのですが、それがにわかに信じがたいほどの優秀録音です。
1956〜57年ロンドン、アビー・ロード・スタジオでの録音
http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-22463.jpg
March 29, 2019 at 01:45AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1093080.html
via Amadeusclassics
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