「二人分の人生を生きたわ」と自らを回想したほど。波乱に満ちた人生を送ったピアフの全て。グラミー賞名誉賞を受賞した「ばら色の人生(La Vie En Rose)」からラスト・ソングまでをヒット曲で追体験する。
ヴィンテージレコードの聴いてみましょう。《仏パテ・マルコーニ盤》FR COLUMBIA 2C152-12 430/2 エディット・ピアフ 愛の讃歌
「愛の讃歌」「ばら色の人生」など、数々の名曲を残したフランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフ。彼女の死後1973年に発売された、3枚組ベストアルバムです。1946年の「ばら色の人生」から、1963年最後の曲「ベルリンの男」まで、ピアフの一生を年代別にヒット曲で追った構成となっています。仏パテ・マルコーニ制作盤。ヴィンテージレコードをお聴きいただけます。
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Side-1
- La Vie En Rose
- Les Trois Cloches
- C'Est Merveilleux
- Un Refrain Courait Dans La Rue
- J'm'en Fous Pas Mal
- Un Homme Comme Les Autres
- Le Prisonnier De La Tour
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Side-2
- Bal Dans Ma Rue
- Hymne à L'Amour
- Il Fait Bon T'Aimer
- La Fête Continue
- Le Noel De La Rue
- Padam... Padam...
- Bravo Pour Le Clown !
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Side-3
- Johnny Tu N'es Pas un Ange
- L'Effet Qu'tu M'fais
- La Goualante Du Pauvre Jean
- Sous Le Ciel De Paris
- Pour Moi Tout'Seule
- C'est A Hambourg
- L'Accordéoniste
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Side-4
- Les Amants D'un Jour
- L'Homme à La Moto
- Comme Moi
- Salle D'attente
- La Foule
- Je Sais Comment
- Mon Manège à Moi
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Side-5
- Milord
- Non Je Ne Regrette Rien
- Mon Dieu
- Les Amants Merveilleux
- Les Mots D'amour
- Toujours Aimer
- C'est Peut-être ça
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Side-6
- Exodus
- Marie Trottoir
- Les Amants - Edith Piaf; Charles Dumont
- Le Diable De La Bastille
- A Quoi ça Sert L'amour
- Le Chant D'amour
- L'homme De Berlin
音楽はその日一日をいい気分にしてくれたり、ちょっとした気分転換ができます。しかし音楽には、テンションを上げてもエクササイズを促したり、痛みを紛らわせることはあっても、怪我を癒す力はありません。「戦争をやめさせるための音楽」というテーマで、3月18日にTokyoFMで放送された番組で村上春樹さんは、音楽に戦争をやめさせるだけの力があるのか?正直言って、残念ながら音楽にはそういう力はないと思います。でも聴く人に「戦争をやめさせなくちゃならない」という気持ちを起こさせる力はあります。と前置きして、広い意味での反戦歌を含む数曲をセレクションしていました。1990年代には、「モーツァルトを聴きながら勉強すると、テストでいい点数が取れる」という研究結果が広く知られていましたが、最近ではオフィスワーカーの生産性向上に最適な音楽など存在しない、ということです。
ライヴはパフォーマンスを楽しみに行くのではないでしょうか。20世紀最大のシャンソン歌手と言われたエディット・ピアフは1915年軽業師の父と路上の歌手を母に、パリの下町で生まれる。幼児から父に連れられて、場末の町から町を歌って歩いた。ピアフ10歳のとき、父親が病気になった。ピアフは街頭で「ラ・マルセイエーズ」を歌った。それで、お金を稼ぐことができた。18歳のとき、ルイ・ルプレに見いだされて、モーム・ピアフの名でデビュー。たちまち大スターとなった。生涯に280ものレコーディング曲を残し、とりわけ「バラ色の人生」(La Vie En Rose)と「愛の讃歌」(Hymne à L'Amour)は世界的なヒットとなった。ただし、華やかな男性遍歴、殺人容疑や交通事故、麻薬と酒に溺れた日々。「二人分の人生を生きたわ」と自らを回想したほど。波乱に満ちた人生を送った。
ピアフの恋愛と歌はほとんどいつも一緒。だから、ピアフが歌った歌をたどれば、誰と恋愛関係にあったのかが分かる。ピアフによって才能を見出された男たちは、ピアフが次の恋に落ちても、彼女から去ることはなく、友人関係を続け、ピアフのためのシャンソンを提供し続けた。だから、その人数は減ることはなく、増える一方だった。
恋に溺れ、破天荒な生活を送り、身体を壊し、傷つけば傷つくほどに、彼女が不幸を味わえば味わうほどに、ピアフの歌は凄みと切実さをまし、ファンはピアフへの愛情を募らせ熱狂し、その熱狂を受けてピアフは満たされた。ピアフは、とにかく愛し愛されている実感がほしかった。歌手には、聴衆、ファンの存在は不可欠だ。歌が命であるピアフにとって、聴衆はその命を育んでくれる存在だった。愛の実感がなければ、生きている実感が得られない。だから、ピアフは聴衆を大切にした。一つ一つの舞台に全力を投じるだけではない。彼らが喜ぶような人生を全力で生きた。
ピアフが亡くなったのは、1963年。47歳の若さだった。ペール・ラシェーズ基地にお墓がある。彼女のそのライフスタイルゆえに、カトリック教会のパリ大司教は葬儀におけるミサの執行を許さなかったが、その葬式には4万人以上のパリ市民が殺到し、パリ市内は大渋滞になったそうです。死はその翌日に公表されたが、同日に友人のジャン・コクトーが死去した。ピアフの死に衝撃を隠せず「何ということだ」と言いながら寝室へ入りそのまま心臓発作で息を引き取ったという。シャルル・アズナブールは第二次世界大戦後、パリの交通が完全にストップしたのはピアフの葬儀の時だけだったと述懐している。
ピアフの人生は品行方正ではないから、道徳の教科書にのることはないだろう。今日、ピアフはフランスで最も偉大な歌手の一人として記憶され、尊敬されている。フランスではいまだに彼女のレコードが売れ続けている。ピアフの歌も人生も、熱くて思いから、人生をただ軽やかに行きたいと願う人にとっては、少しうっとうしいかも知れない。彼女の生涯は悲劇的な私生活と一連の名声、そしてステージ上で轟くような力を備えた声と華奢で小さな姿がコントラストとして現れたものであった。
聴かれるための音楽じゃないもの。サティの家具の音楽であり、ラヴェルのボレロがそうでした。ピアフがナイト・クラブのマネジャーだったルプレに見出された頃、アメリカで創業した「ミューザック(Muzak)」という企業がBGMを普及させるために盛んにアピールしていたのが、「BGMを流すことで工場の生産力が上がる」という売り文句でした。つまり、BGMは「工場の作業中に流すために誕生した」ものです。当時のイギリスにおいても音楽と工場労働の関係性は注目されており、「工場で音楽を流すことで生産性が6~11%上昇した」との研究が報告されています。この結果を受け、BBC(英国放送協会)が「Music While You Work(労働者のための音楽)」というプログラムを放送開始。この番組は全英90%もの工場で利用され、実際に「集中力が高まり、事故が減少した」との効果が認められました。
日本において最初に労働環境でのBGMを本格的に導入したのは、1958年のこと。「ナショナル(現・パナソニック)」の工場で、BGMサービスが開始されました。そして3年後の調査の結果、97%の従業員がサービスの継続を希望し、「仕事が楽しくなった」「時間が過ぎるのが早くなった」「病欠や欠席が減った」「怪我が少なくなった」などなど好評で、ストレスで診療所に訪れる職員が3割減少したそうです。「ポーラ化粧品静岡工場」「東芝深川工場」「ソニー厚木工場」などで、BGMを導入されていきます。ここで言われているBGMを、現在有線放送で聞こえてくるBGMと混同しないでください。映画音楽や、バンド演奏ではなく、流行性の音楽や好き嫌いが起こる音楽ではありません。著作権も問題されない、専門の作曲家による24時間、365日途切れるところのない音楽です。サティの家具の音楽や、ラヴェルのボレロが延々と繰り返されるのをイメージしてもいいでしょう。それはレンタルで提供され、季節ごと、天候ごとに多様にシリーズが有りました。
「騒音」は空調換気系統の室内騒音であったり、室外機やポンプ等の屋外に設置された機械からの騒音であったりします。テレマン作曲の「食卓の音楽」は、様々な楽器編成の音楽で変化が在り、すべてを聴くには4時間かかりますが、音楽の愉悦に浸りながら食器の物音や、咀嚼する音を気にしないで食事を楽しめたでしょう。喫茶店や、レストランでレコードが利用されるのは蓄音機が普及する、昭和5年からです。「女ボーイ」と呼ばれた女給さんが、店頭に据えつけられた手回し蓄音機でジャズなどを鳴らして、お客を呼び入れていました。
休憩時間にコーラを飲みたくなる気分になる、仕掛けをしたアメリカ映画もありました。最近「モスキート音(1.7KHz程度の音)を流すことによって若者のたまり場になることを防ぐ」というような話題がありますが、これは20歳程度の人までが聞き取ることができる高周波音を発することによって不快感を与え、長居させないようにする手段の一つになっているのです。そう、喫茶店やレストラン、スーパーでのBGMの目的はそれぞれです。聞き耳をたてさせるクラシック音楽は適しません。BGMの音量が小さすぎると、BGMが掻き消されて演出効果は見込めず、かといって音量を上げるだけでは、店内がうるさくなるだけの不快な環境をつくりだしてしまうことが懸念されます。男性の方が女性より大きい音量を快適と感じることは、過去の研究で示されており、さらに、年齢層が上がるにつれて、快適な音量は明らかに上昇することも示しており、客層属性に合わせた音量調節も新たな演出手法になる。スーパーは商品搬送音や、他の客の会話や物音が増します。購買意欲を促す効果も大事です。気になる音楽ジャンルにならないもので、リズムのある音楽が重要です。カフェでは、回転率を上げるランチタイムにはボサノヴァはいいでしょうが、客単価を上げる時間には食欲を増進させる工夫が必要でしょう。メロディーが穏やかな、ヒーリング曲では、睡眠を誘導します。気持ちを内面にも向けてしまいますから、ヨガには向きますが、ポップス歌謡が和やかな雰囲気で、会話をうまく引き出すでしょう。聞こえるか聞こえないかという音量は暗騒音に等しく思えます。ドライブには穏やかな曲、会話が聞き取りづらいぐらいが心地よく、リズムが一様な音楽は危険だとされています。
事務所だから、音楽は必要ないと言われたこともあります。銀行や病院、魚市場ではどうでしょうか。退屈さを紛らわせ、作業者の注意力を維持するので、工場での音楽は、生産性向上に役立つかもしれません。しかし、じっくり考えたり、認知力を駆使したり、複雑な問題を解決したりすることが必要な仕事の場合、音楽の生産性向上効果はまったく違ったものになります。数字を使ったり、何かの順番を覚えたりする勉強をしているときに音楽を聴くと、頭に入りにくいというものです。よく知っていて好きな曲なら、作業を楽しくしてくれ、生産性向上につながるのではないかと。その実験の結果、最も良かったのは、何も聴かない人たちだったのです。音楽が記憶力や情操にいいというのなら、授業中にイヤホンつけていてもいいでしょうにね。
音楽には人を幸せにする効果があり、元気や勇気を与えてくれるからです。生産性のためには何も聴かないほうがよいとわかっても、聴きたい人はいるでしょう。生産性を最大化しつつ好きな音楽を聴きたいなら、2~3時間ごとに15分間の音楽休憩を取れば生産性を上げることは、他の研究でも示されています。私たちは、知っている音楽を聴くと長期記憶を司る脳の海馬が刺激されます。そして、かつてその曲を聴いたときに体験したことなど、関係のある記憶が引き出されるのです。もし、何か暗記しなければいけないことがあるのになかなか覚えられない場合は、最初に覚えようとしたときに聴いていた音楽があれば、それを聴き続けるとうまくいくかもしれません。
運動をするときに音楽を聴くとプラスに働くことがわかっています。それは、音楽が疲労から気をそらしてくれるからで、最も効果的なテンポは1分間に120~140ビートだとか。これは、一般的なアップビートのダンスミュージックの速さです。音楽が免疫力アップに役に立つということは、音楽を聴いて気分が良くなると、生理学的な変化が起こり、それがストレスの軽減や免疫力アップにつながるからです。生産性を上げるために疲れを感じさせなくしたいときには、エクササイズの場合と同じで、テンポの速い音楽は脳の動きを助けるようです。お気に入りのポップミュージックを聴いてみてください。音楽の種類を変えることで、疲れを感じにくくなります。どのような種類の音楽を聴いてもドーパミンは分泌されるので、ムードを高揚させる効果はあります。
ライヴはパフォーマンスを楽しみに行くのではないでしょうか。20世紀最大のシャンソン歌手と言われたエディット・ピアフは1915年軽業師の父と路上の歌手を母に、パリの下町で生まれる。幼児から父に連れられて、場末の町から町を歌って歩いた。ピアフ10歳のとき、父親が病気になった。ピアフは街頭で「ラ・マルセイエーズ」を歌った。それで、お金を稼ぐことができた。18歳のとき、ルイ・ルプレに見いだされて、モーム・ピアフの名でデビュー。たちまち大スターとなった。生涯に280ものレコーディング曲を残し、とりわけ「バラ色の人生」(La Vie En Rose)と「愛の讃歌」(Hymne à L'Amour)は世界的なヒットとなった。ただし、華やかな男性遍歴、殺人容疑や交通事故、麻薬と酒に溺れた日々。「二人分の人生を生きたわ」と自らを回想したほど。波乱に満ちた人生を送った。
ピアフの恋愛と歌はほとんどいつも一緒。だから、ピアフが歌った歌をたどれば、誰と恋愛関係にあったのかが分かる。ピアフによって才能を見出された男たちは、ピアフが次の恋に落ちても、彼女から去ることはなく、友人関係を続け、ピアフのためのシャンソンを提供し続けた。だから、その人数は減ることはなく、増える一方だった。
恋に溺れ、破天荒な生活を送り、身体を壊し、傷つけば傷つくほどに、彼女が不幸を味わえば味わうほどに、ピアフの歌は凄みと切実さをまし、ファンはピアフへの愛情を募らせ熱狂し、その熱狂を受けてピアフは満たされた。ピアフは、とにかく愛し愛されている実感がほしかった。歌手には、聴衆、ファンの存在は不可欠だ。歌が命であるピアフにとって、聴衆はその命を育んでくれる存在だった。愛の実感がなければ、生きている実感が得られない。だから、ピアフは聴衆を大切にした。一つ一つの舞台に全力を投じるだけではない。彼らが喜ぶような人生を全力で生きた。
ピアフが亡くなったのは、1963年。47歳の若さだった。ペール・ラシェーズ基地にお墓がある。彼女のそのライフスタイルゆえに、カトリック教会のパリ大司教は葬儀におけるミサの執行を許さなかったが、その葬式には4万人以上のパリ市民が殺到し、パリ市内は大渋滞になったそうです。死はその翌日に公表されたが、同日に友人のジャン・コクトーが死去した。ピアフの死に衝撃を隠せず「何ということだ」と言いながら寝室へ入りそのまま心臓発作で息を引き取ったという。シャルル・アズナブールは第二次世界大戦後、パリの交通が完全にストップしたのはピアフの葬儀の時だけだったと述懐している。
ピアフの人生は品行方正ではないから、道徳の教科書にのることはないだろう。今日、ピアフはフランスで最も偉大な歌手の一人として記憶され、尊敬されている。フランスではいまだに彼女のレコードが売れ続けている。ピアフの歌も人生も、熱くて思いから、人生をただ軽やかに行きたいと願う人にとっては、少しうっとうしいかも知れない。彼女の生涯は悲劇的な私生活と一連の名声、そしてステージ上で轟くような力を備えた声と華奢で小さな姿がコントラストとして現れたものであった。
聴かれるための音楽じゃないもの。サティの家具の音楽であり、ラヴェルのボレロがそうでした。ピアフがナイト・クラブのマネジャーだったルプレに見出された頃、アメリカで創業した「ミューザック(Muzak)」という企業がBGMを普及させるために盛んにアピールしていたのが、「BGMを流すことで工場の生産力が上がる」という売り文句でした。つまり、BGMは「工場の作業中に流すために誕生した」ものです。当時のイギリスにおいても音楽と工場労働の関係性は注目されており、「工場で音楽を流すことで生産性が6~11%上昇した」との研究が報告されています。この結果を受け、BBC(英国放送協会)が「Music While You Work(労働者のための音楽)」というプログラムを放送開始。この番組は全英90%もの工場で利用され、実際に「集中力が高まり、事故が減少した」との効果が認められました。
日本において最初に労働環境でのBGMを本格的に導入したのは、1958年のこと。「ナショナル(現・パナソニック)」の工場で、BGMサービスが開始されました。そして3年後の調査の結果、97%の従業員がサービスの継続を希望し、「仕事が楽しくなった」「時間が過ぎるのが早くなった」「病欠や欠席が減った」「怪我が少なくなった」などなど好評で、ストレスで診療所に訪れる職員が3割減少したそうです。「ポーラ化粧品静岡工場」「東芝深川工場」「ソニー厚木工場」などで、BGMを導入されていきます。ここで言われているBGMを、現在有線放送で聞こえてくるBGMと混同しないでください。映画音楽や、バンド演奏ではなく、流行性の音楽や好き嫌いが起こる音楽ではありません。著作権も問題されない、専門の作曲家による24時間、365日途切れるところのない音楽です。サティの家具の音楽や、ラヴェルのボレロが延々と繰り返されるのをイメージしてもいいでしょう。それはレンタルで提供され、季節ごと、天候ごとに多様にシリーズが有りました。
「騒音」は空調換気系統の室内騒音であったり、室外機やポンプ等の屋外に設置された機械からの騒音であったりします。テレマン作曲の「食卓の音楽」は、様々な楽器編成の音楽で変化が在り、すべてを聴くには4時間かかりますが、音楽の愉悦に浸りながら食器の物音や、咀嚼する音を気にしないで食事を楽しめたでしょう。喫茶店や、レストランでレコードが利用されるのは蓄音機が普及する、昭和5年からです。「女ボーイ」と呼ばれた女給さんが、店頭に据えつけられた手回し蓄音機でジャズなどを鳴らして、お客を呼び入れていました。
休憩時間にコーラを飲みたくなる気分になる、仕掛けをしたアメリカ映画もありました。最近「モスキート音(1.7KHz程度の音)を流すことによって若者のたまり場になることを防ぐ」というような話題がありますが、これは20歳程度の人までが聞き取ることができる高周波音を発することによって不快感を与え、長居させないようにする手段の一つになっているのです。そう、喫茶店やレストラン、スーパーでのBGMの目的はそれぞれです。聞き耳をたてさせるクラシック音楽は適しません。BGMの音量が小さすぎると、BGMが掻き消されて演出効果は見込めず、かといって音量を上げるだけでは、店内がうるさくなるだけの不快な環境をつくりだしてしまうことが懸念されます。男性の方が女性より大きい音量を快適と感じることは、過去の研究で示されており、さらに、年齢層が上がるにつれて、快適な音量は明らかに上昇することも示しており、客層属性に合わせた音量調節も新たな演出手法になる。スーパーは商品搬送音や、他の客の会話や物音が増します。購買意欲を促す効果も大事です。気になる音楽ジャンルにならないもので、リズムのある音楽が重要です。カフェでは、回転率を上げるランチタイムにはボサノヴァはいいでしょうが、客単価を上げる時間には食欲を増進させる工夫が必要でしょう。メロディーが穏やかな、ヒーリング曲では、睡眠を誘導します。気持ちを内面にも向けてしまいますから、ヨガには向きますが、ポップス歌謡が和やかな雰囲気で、会話をうまく引き出すでしょう。聞こえるか聞こえないかという音量は暗騒音に等しく思えます。ドライブには穏やかな曲、会話が聞き取りづらいぐらいが心地よく、リズムが一様な音楽は危険だとされています。
事務所だから、音楽は必要ないと言われたこともあります。銀行や病院、魚市場ではどうでしょうか。退屈さを紛らわせ、作業者の注意力を維持するので、工場での音楽は、生産性向上に役立つかもしれません。しかし、じっくり考えたり、認知力を駆使したり、複雑な問題を解決したりすることが必要な仕事の場合、音楽の生産性向上効果はまったく違ったものになります。数字を使ったり、何かの順番を覚えたりする勉強をしているときに音楽を聴くと、頭に入りにくいというものです。よく知っていて好きな曲なら、作業を楽しくしてくれ、生産性向上につながるのではないかと。その実験の結果、最も良かったのは、何も聴かない人たちだったのです。音楽が記憶力や情操にいいというのなら、授業中にイヤホンつけていてもいいでしょうにね。
音楽には人を幸せにする効果があり、元気や勇気を与えてくれるからです。生産性のためには何も聴かないほうがよいとわかっても、聴きたい人はいるでしょう。生産性を最大化しつつ好きな音楽を聴きたいなら、2~3時間ごとに15分間の音楽休憩を取れば生産性を上げることは、他の研究でも示されています。私たちは、知っている音楽を聴くと長期記憶を司る脳の海馬が刺激されます。そして、かつてその曲を聴いたときに体験したことなど、関係のある記憶が引き出されるのです。もし、何か暗記しなければいけないことがあるのになかなか覚えられない場合は、最初に覚えようとしたときに聴いていた音楽があれば、それを聴き続けるとうまくいくかもしれません。
運動をするときに音楽を聴くとプラスに働くことがわかっています。それは、音楽が疲労から気をそらしてくれるからで、最も効果的なテンポは1分間に120~140ビートだとか。これは、一般的なアップビートのダンスミュージックの速さです。音楽が免疫力アップに役に立つということは、音楽を聴いて気分が良くなると、生理学的な変化が起こり、それがストレスの軽減や免疫力アップにつながるからです。生産性を上げるために疲れを感じさせなくしたいときには、エクササイズの場合と同じで、テンポの速い音楽は脳の動きを助けるようです。お気に入りのポップミュージックを聴いてみてください。音楽の種類を変えることで、疲れを感じにくくなります。どのような種類の音楽を聴いてもドーパミンは分泌されるので、ムードを高揚させる効果はあります。
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November 19, 2024 at 09:11AM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1199768.html
via Amadeusclassics
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