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SP盤 麗しきヴァイオリンの王 ハイフェッツ、クーセヴィツキー指揮、ボストン交響楽団 ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

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【SP盤】GB HMV D.B.5741 JASCHA HEIFETZ BRAHMS CONCERTO IN D MAJOR OP.77 2nd Movement (Conclusion)/3rd Movement (Part 1)
【SP盤】GB HMV D.B.5741 JASCHA HEIFETZ BRAHMS CONCERTO IN D MAJOR OP.77 2nd Movement (Conclusion)/3rd Movement (Part 1)
 近代ヴァイオリニストの中の「王」はまぎれもなくハイフェッツでしょう。正確無比のテクニック、魔術的ともいえる左手のボウイング。しかしながらそのあまりの完璧さゆえに、クールで無機質な演奏という誤ったイメージが根強いのも確か。このブラームスの3楽章のサブテーマの麗しさはそんな先入観を打ち破るでしょう。過剰にならないポルタメントを効果的に使っている点にも耳を傾ける価値あり。
尤も、演奏は均一かつ特有のストイズムに貫かれた「抜群」のもので、端正な歌わせぶりや多彩な音色の変化、さらにダイナミクスの幅、なによりこれだけの集中力をもって一気に聴かせる演奏にはそう出会えるものではない。
ハイフェッツが、ヴァイオリンの演奏技術を超越した次元で自らの豊かな音楽を心行くまで奏していることが良くわかる。そこには作為的な表現も過剰な感情移入もなく、自然極まりない究極の音楽の追求がある。

 いわゆる4大ヴァイオリン協奏曲の中でもベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲は、技量面での難しさもさることながら、メロディの美しさよりは音楽の内容の精神的な深みが際立った作品である。ヴァイオリニストにとっても、卓越した技量を持ち合わせているだけでなく、楽曲の内容の深みを徹底して追求する姿勢を持ち合わせていないと、スコアに記された音符の表層をなぞっただけの浅薄な演奏に陥ってしまう危険性も孕んでいる。ハイフェッツの演奏は、持ち前の超絶的な技量を駆使することのみによって、内容面をも含めた魅力を描出し得た稀有の演奏だ。
 ハイフェッツの演奏は、あまたのヴァイオリニストによるレコードの中でも史上最速のテンポで全曲を駆け抜けている。緩徐楽章においても、速めのテンポでありつつも情感豊かに歌い抜いており、血も涙もある懐の深い大芸術家であったことがよく理解できるところだ。速いテンポで卓越した技量を披露しているにもかかわらず、技巧臭がいささかもせず、音楽の素晴らしさ、魅力だけが聴き手に伝わってくる。まさに、卓越した技量が芸術を超える稀有のヴァイオリニストの面目躍如と言ったところだろう。

通販レコード詳細・コンディション、価格

商品名
【SP盤】GB HMV JASCHA HEIFETZ BRAHMS CONCERTO IN D MAJOR OP.77
作曲家
ヨハネス・ブラームス
演奏者
ヤッシャ・ハイフェッツ
オーケストラ
ボストン交響楽団
指揮者
セルゲイ・クーセヴィツキー
製盤国
GB(イギリス)盤
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