スキップしてメイン コンテンツに移動

時代背景も伝わってくる稀有な存在のレコードゼルキン小澤征爾指揮ボストン響 ベートーヴェンピアノ協奏曲5番皇帝

通販レコードのご案内デジタル録音専門のレーベル「テラーク」の中では例外、レコード芸術で称賛された皇帝。日本では評価芳しくないゼルキンが意地を聴かせたとでも言える名演。

《独ダーク・レッド・ラベル盤》DE TELARC DG 10065 ゼルキン&小澤 ベートーヴェン・ピアノ協奏曲5番「皇帝」

 晩年のルドルフ・ゼルキンが、若き小澤征爾との信頼関係に結ばれた名盤。小澤のバックアップは絶妙で、ドイツ的な、とても優しくて温かい演奏に仕上がっています。テラーク盤となると、オーケストラに重厚感もっとあっても、いいと欲求も感じますが、これがこの頃の小澤。ゼルキンも、晩年、流石に、タッチに心もとない処もありますが、いつものように、全霊、慈愛、気合いに満ちた良心と迫力の名演奏。デジタル録音への興味のほどはわからないが、記録されたピアノの音には心に響くものがあったのではないかと、デジタル録音の数々に聴こえるようです。
 ゼルキンの伝え聞く生き様からの印象からは、もっと剛直な演奏をイメージしますが、そんなことはなく温和、柔弱な感じ。
  • DE TELARC DG-10065 ゼルキン&小澤 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲5番「皇帝」
  • ちからが入って欲しいところでもふわっと弾かれてしまうので、ゼルキン晩年の靜かな境地か。よくも悪くも指揮者の音楽づくりに合わせて会話し、その中で表現をする人なのでゼルキンの閃きのようなものを捕らえようとしても、小澤のベートーヴェン合わせて、ゼルキンが微笑みながら弾いている姿が見えるようです。
 ゼルキン79歳、小澤47歳。あの巨匠ゼルキンが自ら小澤を指名したという噂も聞こえてきたこともあり、録音が発売されるとレコード芸術誌でも、日頃小澤に対して厳しい評をくだす宇野功芳氏も、「小澤の伴奏指揮も素晴らしく、音楽性の高さが評価される」と応援を露わにした。
1981年1月ボストン、シンフォニー・ホール録音。
■デジタル・ステレオ録音、優秀録音、名演。
 フランスのオーケストラでカラヤンの秘蔵っ子、ムターとカラヤンがレパートリーにしていないスペイン音楽を録音したり、ベルリン・フィルでカラヤン薬籠中のチャイコフスキーの録音は今でも耳に鮮やかに蘇ってくる。1980年代に入ると、小澤征爾は次代を担う指揮者と評されて活動の国際化も進み、レコーディングもさらに増えることに。テラーク・レーベルからのお誘いもカラヤンのバックアップとして注目を受けていた時期でもあり、デジタル録音の発展に関心を注いだのだと思う。時にカラヤン風に見栄をきったりと、発展途上の若い指揮者に期待を寄せて、その成長を追っていくのは面白い。
 ソリストに遠慮がちに寄り添う小澤の気質の一面が録音として出ている、第2楽章の静寂から一転喜びの爆発のような躍動的なロンド主題の提示では、ゼルキンの強い打鍵によるピアノの和音が素晴らしい。第3楽章などはオーケストもよく鳴ってはいるが、もう一つ力強さが欲しいのは、録音の所為なのかも知れない。テラークの録音は、ワンポイントマイクを基本としているということを聴いたことがあり、当時点のノウハウが、この《皇帝》には良さとして表れている。単純な音型の繰り返しでも音楽の喜びや意味が伝わってくる生命力と輝きに満ちたピアニズムで、このピアノの透明な音色を捉えたテラーク録音にも感心する。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

  1. レコード番号
    DG 10065
  2. 作曲家
    ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
  3. 演奏者
    ルドルフ・ゼルキン
  4. オーケストラ
    ボストン交響楽団
  5. 指揮者
    小澤征爾
  6. 録音種別
    STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

DE TELARC DG-10065 ゼルキン&小澤 ベートーヴェン…
DE TELARC DG-10065 ゼルキン&小澤 ベートーヴェン…

RED WITH BLACK LETTERING, STEREO DIGITAL 1枚組 ( 140g ), 見開きジャケット、優秀録音。

コンディション

  1. ジャケット状態
    M-
  2. レコード状態
    M-
  3. 製盤国
    DE(ドイツ)盤

オーダー・リンクと販売価格

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。











 
オーダーは 品番 / 34-27759
販売価格 5,500円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。


http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/34-27759.jpg
June 29, 2023 at 06:30AM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1169119.html
via Amadeusclassics

コメント

このブログの人気の投稿

♪東側の最高傑作◉フランツ・コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番

楽譜に対して客観的に誠実に取り組んで、ゆったり目のテンポでスケール大きく描きあげられた演奏と存在感あるゲヴァントハウスの音色 《独ブラック銀文字盤》DE ETERNA 825 416 コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番 旧東ドイツ時代のベートーヴェン演奏の精髄として当時大きな話題となった全集からの一枚。ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを終生務めたコンヴィチュニーの最高傑作で、重心の低い質実剛健な演奏は今もってひとつの基準となる名演と言えます。 序奏からズドンとヘビィ級の音塊をぶつけてきます。 ― しかし野暮ったくはない。序奏が終わっても、一切慌てず騒がず。この辺、フランツ・コンヴィチュニーならではの堂々とした音楽作りが堪能できます。 言うまでもないことですがベートーヴェンが250年前に作ったスコアを録音が発明された20世紀から以降の、120年間ほどの演奏を私たちは聞き返している。名指揮者パウル・ファン・ケンペンが死去した後、志鳥栄八郎が「あれほど騒がれていた彼が、いまそうでなくなった。演奏家というのは死んだらおしまいだ」と言っていた。とはいえ名演奏家が死後、レコードで聴き継がれるケースも有る。 どんなに録音技術が進んでも、それは生の姿を十全には伝え得ないが、演奏家の音をいたずらに増幅・美化させることも出来てしまうのが録音技術でもある。ドイツの伝統を継承する巨匠コンヴィチュニーのベートーヴェンは、彼の至芸を愛でる者にとっては格別のレコードです。 聞き手の耳をさっと捕まえてしまうような魅力には乏しいかもしれません。聞き手の耳をすぐに虜にするような愛想の良さや声高な主張もありません。まず、すぐに気がつくのは、今ではなかなか聞くことのできなくなったふくよかで暖かみのあるオーケストラの響きの素晴らしさです。きらきらした華やかさとは正反対の厚みのある響きです。弦もいいですが、特に木管群の響きが魅力的です。確かに、昨今のオーケストラと比べれば機能的とは言えないのでしょうが内部の見通しも良く透明感も失っていません。とは言え、コンヴィチュニーの基本は「淡麗辛口」です。 ドンと構えていて、ここぞというところではぐっと力こぶが入る「野蛮さ」みたいなモノが残っている演奏。隅々まで指揮者の指示が行き届...

芳香に充ちている★ティボール・ヴァルガ モーツァルト ヴァイオリン協奏曲5番 スメタナ ピアノ三重奏曲

通販レコードのご案内 ライブですが録音頗る良好です。 《フェスティバル盤》CH FESTIVAL TIBOR VARGA SION ティボール・ヴァルガ モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲  ハンガリー出身の名ヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガが自身のオーケストラと共に録音した珠玉のモーツァルトです。このアルバムでは、ヴァイオリン独奏、そして指揮にと大活躍。生き生きとした演奏を繰り広げています。  音楽に身を捧げたとされる名匠、ヴァルガの端整なヴァイオリン演奏は、現在でも前置きなしに、そのまま通用するほどのものだ。1976年スイス・シオンで開催されたティボール・ヴァルガ音楽祭実況録音。ライブですが録音頗る良好です。楽器のヴィヴィッドな響きに驚く。古き良き時代を感じさせる優雅な演奏は近年の演奏が失った芳香に充ちている。この素晴らしいヴァイオリニストの残した遺産を、楽しもうではないですか。 《 FESTIVAL TIBOR VARGA SION 》1967年からスイスのヴァレー州シオン市で開催されている、ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリンコンクールは、比類ない演奏と後進の指導で知られる、シュロモ・ミンツが芸術監督を務め、若い才能の発掘と育成で定評がある、若手ヴァイオリニストのための国際コンクールです。シオン・ヴァレー州音楽祭の期間中に行われ、その中心イベントとして注目を集めています。過去には、前橋汀子やジャン・ジャック・カントロフなど、現在の名ヴァイオリニストが受賞。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト レコード番号 番号なし 作曲家 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト 演奏者 ティボール・ヴァルガ 録音種別 STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディション ジャケット状態 M- レコード状態 EX++ 製盤国 CH(スイス)盤 通販レコード 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 オーダー番号 34-22740 販売価格 3,300円 (税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/34-2274...

音楽の深まりと高まり◆存在感が圧倒的 グレン・グールド J.S.バッハ・平均律クラヴィーア曲集2巻 BWV854〜861

通販レコードのご案内 前奏曲とフーガの変幻自在なグールド的バッハのめくるめく世界が展開される。 《英ウォーキング・アイ盤》GB CBS SBRG72337 グレン・グールド バッハ・平均律クラヴィーア曲集2巻  グレン・グールドが米CBSと録音契約、1957年から録音開始した一連のバッハは秀逸で、聴き返す度に抗し難い魅力に引き込まれてしまいます。グールドの類まれなる才能を感じさせる圧倒的な名演だ。グールドによるバッハのピアノ曲の演奏は、オーソドックスな演奏とは到底言い難い超個性的な演奏と言えるところであるが、本盤のパルティータの演奏は、グールドの類稀なる個性と芸術性が十二分に発揮された素晴らしい名演と高く評価したい。  グールド以前のバッハ演奏と比べても、グールド他界後も、幾多の高名なピアニストが登場しようともグールドを過去に押しやるようなピアニストは現れていないと思えるぐらい異色のキャラが光る演奏は、何十回、何百回、レコード盤に針を下ろそうとも、そこには気持ちの良い緊張が生まれてきます。  バッハのゴルトベルク変奏曲の大ヒットによって一躍その名を高めることになったこともあってか、バッハはグールドにとって常に特別な存在であり続けました。その独特な解釈は、粒立ちのはっきりとした音と、思索的な深まりを感じさせる音を使い分けた見事なもので、グノーのアヴェ・マリアに使われておなじみとなった美しい前奏曲で開始される「平均律クラヴィーア曲集」でも、そうした特性がよく活かされており、48の前奏曲とフーガの組み合わせから浮かび上がる音楽の深まりと高まり、存在感が圧倒的です。  LPレコードで4枚。1962年から1971年にかけて6回のニューヨークの30丁目スタジオと、トロントのイートン・オーディトリアムでのセッションで録音。最終的に第1巻、第2巻通しで聴いて統一感を持たせる調整は行われてセット発売もされましたが、第1巻の後半第9曲から第16曲を演奏した本盤は、48の前奏曲とフーガの組み合わせで構成された「平均律クラヴィーア曲集」でも、独立した味わいで鑑賞できる。  侘びた風情の、落ち着いたプレリュードで始まる。初めて訪れた街を旅しているのに、前にも見たような懐かしい雰囲気に浸っていると、古いグレゴリオ聖歌が聞こえてくる第9曲。続く第10曲は、イタリア人の恋人たちがおし...