スキップしてメイン コンテンツに移動

初の、そして唯一のデッカ録音 カラヤン フレーニ パヴァロッティ ベルリン・フィル プッチーニ・「ラ・ボエーム」

パリの若きボヘミアンたちの青春を描き出すプッチーニの傑作「ボエーム」のあらゆる点で理想的な名盤。

通販レコードのご案内《英国初出と同一輸入スタンパー使用盤》JP LONDON SLC7191 フレーニ&パヴァロッティ、カラヤン、ベルリン・フィル プッチーニ・ボエーム全曲

もしオペラの上演に古典的・規範的名舞台というのがあるとすれば、1963年にミラノ・スカラ座で生まれたゼッフィレルリ演出、カラヤン指揮の《ボエーム》はその好例として真っ先に挙げられる。1965年には舞台の映像化も行なわれ映画として各地で上映され、主役のミミを可憐に演じたフレーニとともに「ボエーム」というオペラのイメージを最も鮮明な形で具現化した舞台として定着しました。
 それから7年、フレーニのミミはそのままに、オーケストラをベルリン・フィルに持ち替え、さらに新進気鋭のパヴァロッティをロドルフォに迎えて録音が実現したのがこのデッカ盤です。
  • JP LONDON SLC7191-2 カラヤン/ベルリンフィル プッチーニ 「ボエーム」全曲
  • 若きパヴァロッティの声を聴いたら、後誰を聴いても物足りなさを感じます。ミミはフレーニがまた良い。数あるラ・ボエームの中でも、他を大きく引離す名盤。カラヤンのロンドンレコード再復帰第一弾。ベルリン・フィルのロンドンレコード初登場としても話題になった注目盤でした。
数々の話題を集めてカラヤンが切々とうたいあげた美しく悲しい恋の物語 ― カラヤンがベルリン・フィルのダイナミックかつ繊細な表現力を最大限に生かして、プッチーニがオーケストラ・パートに託したドラマを完璧に再現していくさまは鮮やかなほど。そのオーケストラの豪華なカンバスの上で、適材適所の歌手がみずみずしい情感あふれる歌を披露しています。主役の二人はもちろんのこと、マルチェッロにヴェテランのパネライ、コルリーネにギャウロフ、ムゼッタにはDG録音の「メリー・ウィドウ」の主役を歌わせたハーウッドなど、心憎いまでに配慮の行きとどいたキャスティングです。カラヤンはその後20年に幾度となくこの上演を指揮し、美しく細やかな音色と効果に満ちたカラヤンの指揮、フレーニのみずみずしい情感、4人のボヘミアンたちの個性的な歌、すべて申し分ない出来栄えである。
 デッカ制作陣もカルーショーの系譜一級のレイ・ミュンシャル、ジェームス・マリンソン、ゴードン・パリー、ジェームス・ロック、コーリン・マーフォートとなんと五人も経費無視して録音セッション場所のベルリン・聖キリスト教会に送り込む力の入れよう。名盤となること予見していたかのような金のかけ方でした。
 レコーディング・エンジニアのジェームズ・ロックによると、カラヤンは、このオペラに慣れていなかったベルリン・フィルにオーケストラだけの綿密なリハーサルを行なうことでプッチーニの語法を習熟させ、さらに歌手には暗譜で歌うことを求め、基本的に場面ごとの大きなテイクを録ることで、作品のドラマの流れを途切れさせないように配慮したとのことです。
 録音が行なわれたイエス・キリスト教会は、ベルリン郊外のダーレム地区にあって1950年代初頭から1972年までドイツ・グラモフォンによってベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていた教会です。デッカがこの教会でベルリン・フィルを録音するのはこの「ボエーム」のセッションが初めて ― そして現在に至るまで唯一のことで、その意味でも歴史的な録音といえるでしょう。ステレオ初期から「ソニックステージ」を標榜してオペラ録音には一家言を持つデッカの総力を結集した録音に相応しく、教会の豊かな響きを十分に生かした大きな空間の中で、スケールの大きな音像を展開させています。
 特に第2幕で独唱・合唱・少年合唱や別働隊のバンダなどのさまざまなアンサンブルが動員される時の遠近感の付け方の見事さや、第3幕冒頭の冬の戸外の静謐な情景など、舞台が鮮明に眼に浮かぶような音づくりがされています。

1972年10月ベルリン、イエス・キリスト教会でのレイ・ミンシャル、ジェームズ・マリンソン、ゴードン・パリー、ジェームズ・ロック、コリン・ムアフットによるセッション、ステレオ録音。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
SLC7191-2
作曲家
ジャコモ・プッチーニ
演奏者
ミレッラ・フレーニ ルチアーノ・パヴァロッティ エリザベス・ハーウッド ロランド・パネライ
オーケストラ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
指揮者
ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

JP LONDON SLC7191-2 カラヤン/ベルリンフィル プ…
JP LONDON SLC7191-2 カラヤン/ベルリンフィル プ…

1973(昭和48年12月)発売キングレコード製FFSS溝無, 溝無ですが日本初出 全面SET565-6と全く同一輸入スタンパー使用盤, STEREO 130g 2枚組, Release 1973, Stamper 1G/1G/1G/2G。


コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
JP(日本)盤

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。











 
オーダーは 品番 / 34-26913
販売価格 3,300円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。



http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-26913.jpg
April 29, 2022 at 12:30PM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1155394.html
via Amadeusclassics

コメント

このブログの人気の投稿

♪東側の最高傑作◉フランツ・コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番

楽譜に対して客観的に誠実に取り組んで、ゆったり目のテンポでスケール大きく描きあげられた演奏と存在感あるゲヴァントハウスの音色 《独ブラック銀文字盤》DE ETERNA 825 416 コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン・交響曲7番 旧東ドイツ時代のベートーヴェン演奏の精髄として当時大きな話題となった全集からの一枚。ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを終生務めたコンヴィチュニーの最高傑作で、重心の低い質実剛健な演奏は今もってひとつの基準となる名演と言えます。 序奏からズドンとヘビィ級の音塊をぶつけてきます。 ― しかし野暮ったくはない。序奏が終わっても、一切慌てず騒がず。この辺、フランツ・コンヴィチュニーならではの堂々とした音楽作りが堪能できます。 言うまでもないことですがベートーヴェンが250年前に作ったスコアを録音が発明された20世紀から以降の、120年間ほどの演奏を私たちは聞き返している。名指揮者パウル・ファン・ケンペンが死去した後、志鳥栄八郎が「あれほど騒がれていた彼が、いまそうでなくなった。演奏家というのは死んだらおしまいだ」と言っていた。とはいえ名演奏家が死後、レコードで聴き継がれるケースも有る。 どんなに録音技術が進んでも、それは生の姿を十全には伝え得ないが、演奏家の音をいたずらに増幅・美化させることも出来てしまうのが録音技術でもある。ドイツの伝統を継承する巨匠コンヴィチュニーのベートーヴェンは、彼の至芸を愛でる者にとっては格別のレコードです。 聞き手の耳をさっと捕まえてしまうような魅力には乏しいかもしれません。聞き手の耳をすぐに虜にするような愛想の良さや声高な主張もありません。まず、すぐに気がつくのは、今ではなかなか聞くことのできなくなったふくよかで暖かみのあるオーケストラの響きの素晴らしさです。きらきらした華やかさとは正反対の厚みのある響きです。弦もいいですが、特に木管群の響きが魅力的です。確かに、昨今のオーケストラと比べれば機能的とは言えないのでしょうが内部の見通しも良く透明感も失っていません。とは言え、コンヴィチュニーの基本は「淡麗辛口」です。 ドンと構えていて、ここぞというところではぐっと力こぶが入る「野蛮さ」みたいなモノが残っている演奏。隅々まで指揮者の指示が行き届...

芳香に充ちている★ティボール・ヴァルガ モーツァルト ヴァイオリン協奏曲5番 スメタナ ピアノ三重奏曲

通販レコードのご案内 ライブですが録音頗る良好です。 《フェスティバル盤》CH FESTIVAL TIBOR VARGA SION ティボール・ヴァルガ モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲  ハンガリー出身の名ヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガが自身のオーケストラと共に録音した珠玉のモーツァルトです。このアルバムでは、ヴァイオリン独奏、そして指揮にと大活躍。生き生きとした演奏を繰り広げています。  音楽に身を捧げたとされる名匠、ヴァルガの端整なヴァイオリン演奏は、現在でも前置きなしに、そのまま通用するほどのものだ。1976年スイス・シオンで開催されたティボール・ヴァルガ音楽祭実況録音。ライブですが録音頗る良好です。楽器のヴィヴィッドな響きに驚く。古き良き時代を感じさせる優雅な演奏は近年の演奏が失った芳香に充ちている。この素晴らしいヴァイオリニストの残した遺産を、楽しもうではないですか。 《 FESTIVAL TIBOR VARGA SION 》1967年からスイスのヴァレー州シオン市で開催されている、ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリンコンクールは、比類ない演奏と後進の指導で知られる、シュロモ・ミンツが芸術監督を務め、若い才能の発掘と育成で定評がある、若手ヴァイオリニストのための国際コンクールです。シオン・ヴァレー州音楽祭の期間中に行われ、その中心イベントとして注目を集めています。過去には、前橋汀子やジャン・ジャック・カントロフなど、現在の名ヴァイオリニストが受賞。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト レコード番号 番号なし 作曲家 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト 演奏者 ティボール・ヴァルガ 録音種別 STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディション ジャケット状態 M- レコード状態 EX++ 製盤国 CH(スイス)盤 通販レコード 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 オーダー番号 34-22740 販売価格 3,300円 (税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/34-2274...

音楽の深まりと高まり◆存在感が圧倒的 グレン・グールド J.S.バッハ・平均律クラヴィーア曲集2巻 BWV854〜861

通販レコードのご案内 前奏曲とフーガの変幻自在なグールド的バッハのめくるめく世界が展開される。 《英ウォーキング・アイ盤》GB CBS SBRG72337 グレン・グールド バッハ・平均律クラヴィーア曲集2巻  グレン・グールドが米CBSと録音契約、1957年から録音開始した一連のバッハは秀逸で、聴き返す度に抗し難い魅力に引き込まれてしまいます。グールドの類まれなる才能を感じさせる圧倒的な名演だ。グールドによるバッハのピアノ曲の演奏は、オーソドックスな演奏とは到底言い難い超個性的な演奏と言えるところであるが、本盤のパルティータの演奏は、グールドの類稀なる個性と芸術性が十二分に発揮された素晴らしい名演と高く評価したい。  グールド以前のバッハ演奏と比べても、グールド他界後も、幾多の高名なピアニストが登場しようともグールドを過去に押しやるようなピアニストは現れていないと思えるぐらい異色のキャラが光る演奏は、何十回、何百回、レコード盤に針を下ろそうとも、そこには気持ちの良い緊張が生まれてきます。  バッハのゴルトベルク変奏曲の大ヒットによって一躍その名を高めることになったこともあってか、バッハはグールドにとって常に特別な存在であり続けました。その独特な解釈は、粒立ちのはっきりとした音と、思索的な深まりを感じさせる音を使い分けた見事なもので、グノーのアヴェ・マリアに使われておなじみとなった美しい前奏曲で開始される「平均律クラヴィーア曲集」でも、そうした特性がよく活かされており、48の前奏曲とフーガの組み合わせから浮かび上がる音楽の深まりと高まり、存在感が圧倒的です。  LPレコードで4枚。1962年から1971年にかけて6回のニューヨークの30丁目スタジオと、トロントのイートン・オーディトリアムでのセッションで録音。最終的に第1巻、第2巻通しで聴いて統一感を持たせる調整は行われてセット発売もされましたが、第1巻の後半第9曲から第16曲を演奏した本盤は、48の前奏曲とフーガの組み合わせで構成された「平均律クラヴィーア曲集」でも、独立した味わいで鑑賞できる。  侘びた風情の、落ち着いたプレリュードで始まる。初めて訪れた街を旅しているのに、前にも見たような懐かしい雰囲気に浸っていると、古いグレゴリオ聖歌が聞こえてくる第9曲。続く第10曲は、イタリア人の恋人たちがおし...