スキップしてメイン コンテンツに移動

リリー、モーツァルトを弾いて下さい ― リリー・クラウス&ボスコフスキー&ヒューブナー 音楽学者たちの三重奏

通販レコードのご案内3人の名手達が残した素晴らしいモーツァルトの名盤。

JP 東芝音楽工業 AB9492C リリークラウス・ボスコフスキー・ヒューブナー MOZART/PIANO TRIOS(COMPLETE)
JP 東芝音楽工業 AB9492C MOZART/PIANO TRIOS(COMPLETE)
(演奏者)リリー・クラウス ウィリー・ボスコフスキー ニコラウス・ヒューブナー
(曲目)モーツァルト・ピアノ三重奏曲全集

フランス・ディスコフィル・フランセ・メタル原盤 DF81/83-1 使用160㌘重量盤。国内初出貴重盤で仏蘭西ディスコフィル・フランセ盤も凌駕するかのような素晴らしい音質。リリー・クラウス(ピアノ)、ウィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)、ニコラウス・ヒューブナー(チェロ)。ウィーン所縁の3人でピアノ・トリオ全曲録音はフランスのディスコフィル・フランセ・レーベルのモーツァルト生誕200年に向けて慶事盤として1954年録音開始、並行してリリー・クラウスによるピアノ・ソナタ全集やリリー・クラウスとシモン・ゴールドベルクがヴァイオリン・ソナタ全曲も開始。いずれもモーツァルトを語る上では避けては通ることのできない演奏。この一連の企画にすべて参加したリリー・クラウスは名実ともに最高のモーツァルト弾きの地位不動のものといえます。


〝比類なきモーツァルト弾き〟として誰もが認めるリリー・クラウス。一音一音を非常にマルカートにはっきり鳴らして、完璧に弾きこなしいるのが特徴。若い頃からモーツァルトの作品の録音に熱心にし、ロココ調のチャーミングな甘い演奏になってしまいかねない音楽が、毅然とした節度を保ち、気品に満ちた大人の演奏をしている。


演奏家は身体で勝負するだけに、心身の衰えを如何にカバーしていくかが難しい。特に女性の場合、多くはそれに結婚・出産などが重なる。全身全霊を傾けた命がけの演奏家として、宇野功芳氏が挙げるのはアルゲリッチ、デュ・プレ、チョン・キョンファそれにリリー・クラウスと、みな女性だが長く第一線を保ち続けたのはクラウスぐらいで、彼女を驚異と宇野氏は捉えている。彼女らは、いわゆる女性的なものを押し出さず、火のような情熱と作品に切り込んでいく深みにおいて男性奏者に匹敵する。しかし、このまま死んでもいいというほどの燃え尽き方を男性奏者は絶対にしないものではないか。


ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語っているが、クラウスの演奏にはパッションの炎が確かに感じられる。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せるのは、内面から湧き上がる情熱が自然体として表層に上がってきた音楽で、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手なパフォーマンスを恣意的に行っているものとは根本的に異なるものです。


モーツァルトの音楽の持つ多様性を過不足なく的確に表現し、このフレーズはこうでなくては、と云うまさに正鵠を得た最高の演奏。リリー・クラウスのピアノはくっきりとしたフレージングで、モーツァルトのピアノ・ソナタなどは最近よく聴くような軽やかで透明感があるようなものとはまったく違って、正統派にして刺激的な歯ごたえがある。神経質では無い思い切りの良さが有る意味〝男性的〟ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、どの曲を聴いていても少しも飽きることなくモーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。録音はフランスの伝説的名エンジニア、アンドレ・シャルランのもとで録音エンジニアをしていたアントワーヌ・デュアメル。デュアメルと言えばフランスの作曲家、音楽学者として知られているのですが、実に正攻法の録音を聴かせます。

1954年10月、ウィーンでのアントワーヌ・デュアメルによる、セッション・モノラル録音。解説書付き

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
AB9492C
作曲家
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
演奏者
リリー・クラウス ウィリー・ボスコフスキー ニコラウス・ヒューブナー
録音種別
MONO

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • JP 東芝音楽工業 AB9492C リリークラウス・ボスコフスキー・…
  • JP 東芝音楽工業 AB9492C リリークラウス・ボスコフスキー・…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
JP(日本)盤
仏蘭西ディスコフィル・フランセ原盤, MONO 3枚組 (160g)重量盤, Stamper 仏蘭西ディスコフィル・フランセ・メタル原盤 DF81/83-1 使用盤.

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
  • オーダー番号34-23863
  • 販売価格16,500円(税込)


http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-23863.jpg
January 29, 2022 at 08:00AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1116841.html
via Amadeusclassics

コメント

このブログの人気の投稿

優秀録音*優美な旋律と柔和な表現が忘れがたい ポリーニ、ベーム指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番

通販レコードのご案内  華々しいこの曲の随所に聴かれるフレーズは粒立ったピアノのタッチに思わずため息が出てしまう。 《独ブルーライン盤》DE DGG 2530 791 ポリーニ&ベーム ベートーヴェン・ピアノ協奏曲4番  当時ベームの最もお気に入りだったピアニスト、ポリーニとの共演です。全集が計画されていたようですが、1981年にベームが他界、第1、2番を替わりにオイゲン・ヨッフムが振って変則的なカタチで完成しました。  録音はギュンター・ヘルマンス。ポリーニの精巧なタッチが怜悧れいりに録られています。録音としては極上ですが、しかし、演奏としては、この4番は物足りない。ベームはバックハウスとの火花を散らした録音があるし、ポリーニは15年後にアバドとの全集があるので全集が完成しなかったことは残念とは思えませんね。  ベートーヴェンが36歳時に完成したビアノ協奏曲第4番をポリーニが録音したのは34歳の時。第1楽章後半のベートーヴェン自身によるカデンツァを始め、華々しいこの曲の随所に聴かれるフレーズは粒立ったピアノのタッチに思わずため息が出てしまう程のポリーニの若さの発露が優っている。ステレオ録音。 1976年6月録音。優秀録音盤。ギュンター・ヘルマンスの録音。 http://img01.otemo-yan.net/usr/a/m/a/amadeusclassics/34-19239.jpg June 27, 2019 at 09:15AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1065647.html via Amadeusclassics

歴史とジャズと竹あかり ― 映画上映、朗読劇とジャズ演奏で「四時軒の夕べ」を楽しみませんか

四時軒の夕べ 〜歴史とジャズと竹あかり 無料 開催日 2024年10月27日(日) 16:00〜17:10 映画上映 17:10〜17:30 「四賢婦人」朗読劇 17:30〜18:10 横井小楠記念館館長のお話 18:10〜18:30 ライトアップ点灯式 18:20〜20:00 ジャズ演奏(コントラバス、ピアノ、ドラム) 会場 四時軒 (熊本市東区沼山津1-25-91) 対象 どなたでも(申込不要・直接会場へ) 参加費 無料 主催 横井小楠顕正会 協力 熊本市都市デザイン課・秋津まちづくりセンター http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/Yokoi-Shohnan_gqR.jpg October 04, 2024 at 03:00AM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1194695.html via Amadeusclassics

名曲名盤縁起 プラター公園に訪れた、花満開の春を喜ぶ歌 シュトルツ〜歌曲《プラターに再び花は咲いて》

ウィンナ・ワルツの名指揮者シュトルツ没 ― 1975年6月27日  ウィーンという町には1年365日、朝から夜中まで音楽が鳴り響いている。夜中であったにもかかわらず、シュテファン大聖堂の建物そのものから厳かな宗教音楽が聴こえてくるのを味わうことも出来るほど、教会でのレコード録音は深夜を徹して行われている。  ウィーン音楽の王様はシュトラウス・ファミリーだが、20世気に入ってからのウィーンの楽壇で、指揮者・作曲家として大活躍したロベルト・シュトルツの音楽も、ウィーン情緒を満喫させてくれる。オペレッタやワルツに大ヒットがあるが、今日の命日には、100曲を超すという民謡風の歌曲から、ウィーンっ子がみなうたった《プラターに再び花は咲いて》を聴こう。映画「第三の男」で有名になった大観覧車のあるプラター公園の春を讃えた歌で、「プラター公園は花ざかり」というタイトルでも呼ばれている。 通販レコードのご案内  DE DECCA SBA25 046-D/1-4 ロベルト・シュトルツ レハール・メリー・ウィドウ/ジュディッタ  シュトルツにとっては、ヨハン・シュトラウスの作品をオリジナルな形でレコードに入れて後世に遺すことこそ、指揮者としての活動の頂点であることを意味すると云っていたのを読んだ事が有ります。ウィーンは音楽の都で数々の彫像や記念碑や街の通りにシューベルト、ブラームス、モーツアルト、ヨハン・シュトラウスといった大作曲家の彫刻が有ります。いずれも、生まれながらの(あるいはあとから住みついた)ウィーン市民でした。  作曲家であり指揮者であり、無冠のワルツ王の最後の人であるロベルト・シュトルツも、ウィーン音楽の生き字引としてこうしたカテゴリーに入るのではないか。1887年に天才少年ピアニストとして初めてヨーロッパを旅行してから今日に至るまで、ロベルト・シュトルツはその人生を音楽にささげてきたのである。その間には2,000曲の歌、50のオペレッタ、100にのぼる映画音楽を作曲し、数百回のレコーディングを行っているという。本盤もそうした中のセット。皆様をウィーンに誘う魅力タップリです。 ウィンナ・ワルツの伝統を保持する最後の指揮者  ウィーン・オペレッタ最末期の作曲家の一人として『春のパレード』などの作品を発表し人気を得たロベルト・シュトルツは、指揮者でオペレッ