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兵は偽りを厭わず◉サージェント指揮ロイヤル・フィル、BBC響 スメタナ:わが祖国、ドヴォルザーク:交響的変奏曲

通販レコードのご案内 野獣の鎧をまとっている。複雑膨大な作品の構成因子それぞれに指揮者の配慮が濃やかに反映され、どこにも空虚な瞬間が感じられない。鋭い感覚を聴く演奏。

GB WRC S/T4095/6 マルコム・サージェント スメタナ・わが祖国/ドヴォルザーク・交響的変奏曲《英ブルー・レーベル黒文字盤 World Record Club》GB WRC S/T4095/6 マルコム・サージェント スメタナ・わが祖国/ドヴォルザーク・交響的変奏曲 凄く愛郷土の強く名曲。東欧の指揮者は特別だが、スメタナやドヴォルザーク本人の内面に巣食う何かと対峙しているような演奏だ。指揮者はマルコム・サージェント。オーケストラはロイヤル・フィル。指揮者はイギリス人。このマルコム・サージェントの、オーケストラ采配のセンスはとにかく熱い。
 今や芸術に対し、社会生活の中で今までよりも低い平面が割り当てられるようになって、その平面では、芸術と日常的な娯楽との水準の相違はほんど存在しないように思われる。
 本来、芸術作品が持っている、人の心を動かし魂を高揚させるという働きに代わり、単なる気晴らしとか暇つぶしのための娯楽が追い求められている。
 これらは、「文明」の発達によりテレビやラジオを通じて洪水のように流れ、いわゆる「時代の趣味」に迎合することに汲々としている。
 こうなると文明は文化の僕(しもべ)ではなくて敵であり、しかもこの敵は味方の顔をして文化の陣営にいるだけに危険なのだ。
(名音楽家であり教養人であったワルターの現代文明に対する深い憂慮のことば)
 イギリスと北欧は縁が深いが、この曲の良さが引き出せるわけがない ... なんて極論は言う気はさらさらない。作品の本質を描き出すより、それを想像した作曲家に興味を惹かせてくれる。
 高速で畳み掛けてくるフレーズを、バッサバッサを切り結ぶ様は、緻密な計算からではなく感性の勝負どころって言った感じで熱い。日本の歴史で、織田信長が本能寺で討ち死にした時の、秀吉の行動を数々取り沙汰されるが、なんだかオーケストラの背水の陣のような必死さを感じてしまう。品格はあるが野獣のような武将。角のついた鎧が、無粋にではなくフォルム故に美しく感じる ― 気持ちが分かるかしら。
 肉迫するオーケストラの音だが、ゆったりとした弱音部分も至極丁寧。そして眼前に襲い掛かってくる各楽器が吹き鳴るところの強音のバランス感覚が厚い。


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