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【熊本県民、外出自粛を】新型コロナウイルス感染確認は11人に ― 3月28日、熊本市 感染拡大防止策を強化

「コロナが出た」「マスクをくれ」と、顔にはマスク代わりに巻き付けたタオル。 ― 熊本市が施設名を公表した3月26日午後6時すぎ。男性2人組が慌てて施設から出てきた。従業員から感染者発生の説明を聞き、逃げ出してきたという。
「ちゃんと消毒したのか」「検査は全員したのか」。施設の電話は午後8時ごろまで鳴りっぱなし。熊本市への電話もあわせて、27日午後1時までに300件を超えたという。中には苦情や心ない言葉も含まれていた。保育園の預かりやデイサービスの利用を拒否された従業員もいた。

熊本市東区の温浴施設「ピースフル優祐悠」の、村上浩二支配人は「利用者のみなさんの安全が第一」と決断して、施設名の公表に踏み切った。それは、偏見、差別、風評被害への好手になるだろう。
何度か泊まったけどええとこやで!」「再開したら、行くから頑張れ」― 熊本地震の時、親身になって入浴支援してくれたのを、覚えている。だったから、「ピースフル優祐悠」の名前が公表されたことに驚いた。「クラスター」発生を危ぶむ声が強く出だしていたタイミングで、ローカルの情報番組からの発信にしても、大変なことに発展しなければいいけれどと一言声を上げたくなった。しかし、これは村上支配人の勇気ある行動だった。こうした事態が起こると過剰な反応がインターネットではたびたび起きてきた。ただ、熊本地震を体験した後の熊本県民、市民だったからか、今回はネット上で、これまでとは違う反応を起こした。熊本地震直後の「ピースフル優祐悠」の行動があってこそだ。それはSNSの向こう側へ広まった、インターネット上には励ましのメッセージもあふれた。
施設は27日、保健所の立ち会いで消毒作業を終了した。従業員全員のウイルス検査も行う。「安心して利用してもらえるよう、頑張るだけです」突然訪れた逆境にくじけず、営業再開を目指して村上さんは誓う。

温浴施設でクラスターが発生した恐れがある ― 大西市長は市民に土日、不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。

熊本市は27、28日、いずれも同市中央区在住で、自営業の60歳代男性と60歳代の妻、会社員の40歳代男性の新型コロナウイルス感染を新たに確認したと発表した。男性2人は、すでに1人の感染が確認されている同市東区の温浴施設「ピースフル優祐悠」の利用者。大西一史市長は記者会見し、同施設でクラスター(感染者集団)が発生した恐れがあるとの認識を示した。熊本県内での感染確認は11人になった。
密を避けて外出しよう

熊本市は同じ温浴施設を利用した人たちの間で、新型コロナウイルスの感染者が新たに3人確認されるなど小規模な感染者の集団、いわゆるクラスターが発生した可能性が高いとみて感染拡大防止に向けて対策を強化します。
熊本市は3月28日対策本部会議を開き、今後、大規模な集団感染が発生する恐れもあるとして対応を協議しました。会議は非公開で、終了後会見した大西市長は、今月30日にクラスター対策の専門チームを設置し、厚生労働省から派遣される専門家のアドバイスをもとに爆発的感染防止に努めることや県に協力を依頼し、検査できる件数を増やすと述べました。
また、市の施設で来月予定されているイベントなどについては、主催者側に強く自粛の要請を求めさらに学校の再開については今月30日に行われる専門会議で判断するとしています。
熊本市の大西市長は27日夜、不要不急の外出を控えるよう外出自粛を要請していましたが、当夜の繁華街は買い物客などが行きかう普段と変わらない人通りでした。
「危険な状態なんだなと思ったけど(自粛要請を知る前に)途中まで来ていたので」「あしたは家です。もう用がない限りは出ません」と、買い物客。
こうした街の様子に大西一史熊本市長は「海外で起きていること東京で起きていることは対岸の火事ではない。感染すると急激に症状が悪化する実際自分がいつ感染してもおかしくない状態だという厳しい認識を市民にもってもらえれば感染拡大のリスクは確実に減らせる」と、外出自粛への協力を強い口調で訴えました。
また、熊本市が厚生労働省に要請したクラスター対策班は3月28日中に到着する予定です。

熊本市は感染者集団「クラスター」の発生の恐れがあるとして、接触者の把握を進めている

熊本市6例目の感染者の70歳代男性が、東区下南部の温浴施設「ピースフル優祐悠」に滞在されていたことが判明しました。特に、3月21日以降に同施設を利用した方で、発熱などの症状がある方やご不安な方は、帰国者・接触者相談センター(096-364-3222、096-372-0705)へご相談ください。

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