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聴き終わったあとの気分の良さは相当のものだ◉ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ響 マーラー・交響曲2番「復活」

通販レコードのご案内純粋音響美を追究した完成度を誇る演奏。

NL DEC D229D2 ショルティ・シカゴ響 マーラー・交響曲2番「復活」
NL DECCA D229D2
(演奏者)ゲオルグ・ショルティ指揮 シカゴ交響楽団 イゾベル・ブキャナン(ソプラノ) ミラ・ザカイ(コントラルト)
(曲目)マーラー・交響曲2番「復活」

DIGITAL DECORDING 英国初出盤。シカゴ交響楽団との交響曲全集の一枚で、ショルティによる2度目の録音。マーラーが第2番に託したさまざまな思いや哲学はスパッと切り捨て、音符を唯一の足がかりとして純粋音響美を追究した、演奏・録音ともに高い完成度を誇るショルティならではの名演。1980年5月ウィーン、メダイナ寺院でのジェームズ・マリンソン、ジェームズ・ロック、ジョン・ダンケリーによるセッション・デジタル、ステレオ録音。英国プレス存在しないオランダ・プレス初版、リーフレット付属。


ショルティの音楽の特性は硬派、豪快、ダイナミックで、甘えのない厳格かつ躍動感にあふれる演奏。その反面 、比類なき生彩に満ち満ちた輝きを放つ。早いテンポでオーケストラを煽り、楽器を鳴らしまくるため聞き逃されてしまうが、対位法などのオーケストレーションを含む曲の構造に留意し精緻なアンサンブルを要求するといった論理的なアプローチも特色の一つで、完全主義者といわれる所以でもある。バーンスタインがマーラーの歌謡性に重きを置いたのに対し、ショルティはポリフォニーの表出とオーケストレーションの再現が主眼となっている。マーラーの書いた音符すべてを明確に鳴らしきった結果、マーラーのグロテスクさが全面に現れており現代のマーラー演奏が規範にしていると思われる。


知名度という点ではヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインと並ぶ、20世紀、特に戦後を代表する指揮者。なによりもゲオルグ・ショルティと関係良好だったウィーン・フィルと後世に語り継がれるオペラをウィーンのソフィエンザールで次々と録音している。すでに定評があるショルティならでは、半世紀にわたり一貫してDECCAに録音し数々の名盤を遺した重要なアーティストであり続けた。そのレパートリーは多岐にわたり、バッハからショスタコーヴィチまで幅広く網羅。おそらく有名交響曲作家で一曲もやっていないのはシベリウスぐらいではないか。 意外なことに現在、ワーグナーの10大オペラ、マーラー交響曲全集、ブルックナー交響曲全集を出しているただ1人の指揮者でもある。


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December 30, 2019 at 05:30AM from アナログサウンド! ― 初期LPで震災復興を応援する鑑賞会実行中 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1112469.html
via Amadeusclassics

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