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5月, 2025の投稿を表示しています

オーディオの拘り甲斐を感じる*ミルシテイン スタインバーグ指揮ピッツバーグ響 ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

エレガントさの中にハッとするような 閃きが随所に伺われる20世紀を代表する1枚。 メジャーレーベルが慌てふためいた抜きん出た名盤。 ベートーヴェン&ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ミルシテイン(ナタン) ユニバーサルミュージック 2012-08-22 CDはアマゾンで購入できます。 ヴァイオリンの貴公子と呼ばれた ミルシテインの、この気品は オーディオにこだわって 再生して楽しみたい ものだ。 通販レコードのご案内 《米Full Dimensional Soundロゴ盤》US CAPITOL P8313 ナタン・ミルシテイン ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲  演奏家としては同門のハイフェッツと同じく傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテンはヴァイオリンの貴公子と称される。同門のハイフェッツやエルマン比してアクは少ない。しかしその音楽は決して退屈なものではなく、時にはフランス流エスプリ色の強い堅固に構築された音楽の中からほとばしる情熱を垣間見せる。 「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。録音は大きくCAPITOLモノラル期録音と、英COLUMBIAに分けられる。どちらも良いが、CAPITOLは入手しやすい、これもレアではないが、何時聴いても惚れ惚れするソロ。時代の波に決して風化する事のない揺るぎの無いヴァイオリンだ。  当時勢いを伸ばしていた新興レーベルの米キャピトルと組んだ数多くのレコーディングでも抜きんでた名盤、メジャーレーベル慌てふためいたと言われています。この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあ...

被災されたレコード愛好者へ届けたい ― 令和6年能登半島沖地震お見舞いとご支援

令和6年能登 半島沖地震 お見舞い 被災された レコード愛好者へ 届けたい 令和6年能登半島沖地震で被災された皆さまお見舞い申し上げます。 今はまだレコードどころではないと思いますが、もしお持ちのレコードがこの災害で汚れてしまわれたのでしたら、オヤッグサウンドではわずかですが LP用クリーナー500ccとオヤッグクロスのセットを50個、 SP用クリーナー500ccとオヤッグクロスのセットを20個ご用意しました。 レコードにクリーナーを数滴落としてクロスで拭き取れば汚れが取れます。 ご希望がありましたらレコードクリーニングマシンも無料でお貸しいたします。 セットも送料もオヤッグサウンド持ちで発送いたします。 ご希望の方またはお知り合いで被害に遭われてレコードの汚れでお困りの方がおりましたらご紹介ください。 support@oyagsound.jp までご連絡下さい。 http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/Oyagsound20240107_BX8.jpg May 31, 2025 at 06:38PM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1197683.html via Amadeusclassics

今でもスタンダードな解釈★シェリング、ヘンデル指揮シカゴ響☆ラロ・スペイン交響曲

通販レコードのご案内 名手シェリングがステレオ初期に RCA に録音した若き日の名演。スペイン情緒はそんなにないにしても艶やかな音で楽しませてくれる。 《RCA VICTROLAシリーズの初期プレス盤》IT RCA KV119 シェリング ラロ・スペイン交響曲  シェリングの音色は、とてもみずみずしく、のびのびしていて極めて美しい。美音の持ち主は往々にして自らの音の美しさに浸りきった演奏をしがちであるが、シェリングの演奏は調和が取れていて純粋・明瞭かつ客観的であり、耽美的な要素はない。この録音から聞き取ることができるのは、シェリングの技巧の完璧さと音のニュアンスの幅広さ、そして音楽の美しさである。  シェリングを退屈なヴァイオリニストという意見が一部にありますが、いえいえそういうことはありません。ここで聴かせるシェリングは充分に情熱的で情緒にも何の不足もありません。そのヴァイオリンの音は艶やかに歌い上げますが一切不足にならないところが流石です。  シェリングの演奏が厳しいとか精神性が高いと評されることがあるのは、音の美しさに浸りきった演奏をしないことに由来するのだと思う。和音の処理が見事なことである。随所に出てくる和音を、まるでオルガンで演奏しているかのように演奏することは生易しいことではないはずだ。また、シェリング特有の上から下に弾く和音によってリズムが躍動するのも好きだ。次に、音のニュアンスが幅広い点も気に入っている。シェリングの演奏上歴史に名を残す独 DGG に入れたバッハの無伴奏全曲聴けば、全て納得頂けると思います。本盤は、そのバッハをラロに移し変えたような快演。  録音、演奏共に極めて優秀と断言できます。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト 品番 7154 商品名 IT RCA KV119 シェリング ラロ・スペイン交響曲 レコード番号 KV119 作曲家 エドゥアール・ラロ 演奏者 ヘンリク・シェリング オーケストラ シカゴ交響楽団 指揮者 ワルター・ヘンデル 録音種別 MONO コンディション ジャケット状態 EX レコード状態 M- 製盤国 IT(イタリア)盤 優秀録音、名盤。 清潔で芯の通った美しい音色と卓越した技巧を兼ね備え、作品の核心に肉薄しようと...

親しみ易さと気取りのなさには達者なヴィオラがいないとつまらない《アメリカ》カルテット〜クラシック名曲ガイド、これを聞け

稀代のメロディー・メーカー ドヴォルザーク〜100人の大作曲家たち[46] Antonín Leopold Dvořák あいつが屑籠に捨てたメロディーだけで交響曲を一曲書ける ― ブラームス (1841.9.8 〜 1904.5.1、チェコ) 肉屋と宿屋を兼ねた家に長男として生まれた。首都プラハの音楽学校を卒業後、歌劇場でヴィオラを弾いていたが先輩の作曲家スメタナに見出され作曲を始めるようになった。やがてその作品がブラームスに認められて名声が上がり、1891年プラハ音楽院の作曲家教授に就任。翌年、ニューヨークの国民音楽院に校長として招聘された。3年間のアメリカ滞在中、ニグロの民族音楽とボヘミアの郷土音楽との融合をはかって傑作、交響曲《新世界より》を書いた。 彼はスメタナの遺産を受け継ぎ、この国の国民音楽を世界的にしたがドイツ音楽、ことにブラームスの影響を受け大規模な絶対音楽を多く書いた。器楽の面で名作が多く「交響曲第8番」,「チェロ協奏曲」,「スラブ舞曲」、弦楽四重奏曲「アメリカ」,それに「ユーモレスク」などが有名である。 弦楽四重奏曲 第6番 ヘ長調 作品96《アメリカ》 ドヴォルザークは、1892年(51歳)に渡米し、約2年間、ニューヨーク国民音楽院の初代校長としての責務を果たした。そしてその間に、「交響曲 第9番《新世界より》」、「チェロ協奏曲」、「弦楽四重奏曲第6番」《アメリカ》といった名作を相次いで生んだのだった。 ドヴォルザークの作曲した弦楽四重奏曲は、作品番号のないものまで含めると全部で13曲もあるが、その中では、この「第6番」《アメリカ》が抜きん出て優れている。わずか15日という短期間に作曲されたこの曲は、黒人霊歌を思わせるような旋律が使われているので、昔は《ニガー》(二グロの蔑称)と呼ばれていたが、人種問題のやかましい今日では、この名称は使われない。 ドヴォルザークの弦楽四重奏曲はいい曲があるのですが、不思議なことにあまり演奏されません。全部で13曲のうち、せいぜい2番から8番くらいまでの曲しか演奏されず、その中でも6番目に当たる《アメリカ》は、圧倒的に数多く演奏されています。アメリカに滞在中に書いた最も有名な三曲中の一曲です。1893年の夏、ドヴォルザークの故郷であるボヘミアからの移民の集まっていた...

語り継がれていく名盤 聴き手の心を震わせる、ヨハンナ・マルツィの誉れ高き名盤 随所に女流らしい味わいがある。

語り継がれていく名盤! Complete Warner Classics Edition (9CD / 2022 Remastered) Johanna Martzy Warner Classics 2022-03-04 CDはamazonで購入できます。 語り継がれていく名盤 ― 聴き手の心を震わせる、誉れ高き名盤。 コレクターズアイテム 《英プレス盤 SEMI-CIRCLE ANGEL》GB ANGEL ANG35137 ヨハンナ・マルツィ パウル・クレツキ フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲  マルツィの代表的な名盤で、英COLUMBIA盤はコレクターズ・アイテムとして有名な高額盤。このANGEL盤は英国プレスでジャケットのみ米国で作られています。値段はCOLUMBIA盤よりかなりリーズナブルです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。 1954年2月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。  ヨハンナ・マルツィは1924年ハンガリー生まれ。生前のフバイに教えを受け、その才能を約束された。大戦を逃れ、夫婦はスイスへ移住。当初、オランダで活動を行う。1950年、スイスで出会った富豪からイタリアの銘器、カルロ・ベルゴンツィ「タシリオ」を貸与され、全ての録音に使用した。1953年ロンドン・デビューを果たし、そして、ウォルター・レッグの目に留まり、このブラームスが英Columbiaで最初の録音となった。  その容姿ゆえ、英国で人気の高かったマルツィのブラームスはこのように録音され、60年を経た今なお多くのファンから高い支持を得ている。今から思えば女流ヴァイオリニスト・ブームというのは、このLPから始まったように思う。このレコード録音ほど、それまで意識したことのなかった女流奏者という存在を印象付けたLPは無い。確かにこの曲には名だたる名演がひしめく。ブラームスという曲と女流というのがとても合っているようだ。女性ならではの切ない情念が包み、しかもそれが高い気品を持った名品。  いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後40年以上経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれか...

大変名高いオーディオファイル盤◉ヴェニス〜ゲオルグ・ショルティ、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団

通販レコードのご案内 ショルティ初期の珍しい録音であり、すでにロイヤル・オペラのオーケストラを掌握しきったような管弦楽への色付けはさすがの一言です。 US RCA LSC2313 (演奏者)ゲオルグ・ショルティ(指揮)、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団 (曲目) 序曲集「ヴェニス」 ショルティが手兵コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団を率いての渾身のセッション録音。英国デッカ録音のオーディオファイル盤として名高い一枚で、TASリスト掲載が納得の高音質です。 ゲオルグ・ショルティ初期の録音であり、ショルティにしては珍しいレパートリーを集めた〝オペラからの名曲集〟。すでにロイヤル・オペラのオーケストラを掌握しきったような管弦楽への色付けは流石の一言です。 エルネスト・アンセルメのロイヤル・バレエ2枚組と並び、コヴェントガーデンの記録としても貴重だし、とりわけショルティの愛好家にとっては歴史的ドキュメントとしても見落とせない貴重な記録。製作陣は、デッカ担当で、1958年キングズウェイ・ホール、ジェームス・ウォーカー&ケネス・ウィルキンソンとくれば超優秀録音なのはすぐ分かります。 1958年はステレオ黎明期、全盛期のこの盤に本当のベニスの音が詰まっている感じがしました。ワーグナー録音史は、ショルティ抜きでは語れません。そんな巨人、ショルティですが、そのキャリアにおいてすべてが順風満帆だった訳ではありません。音楽監督を置かずに運営されてきたコヴェントガーデン王立歌劇場に就任し、そこには解決すべき問題が山積されていました。 ショルティの就任当時、まだコヴェントガーデンは世界一流の歌劇場とは認識されておらず、上演されるオペラはイギリス人歌手が英語で歌うというポリシーが貫かれていました。ショルティはまず、この慣習を一新、原語による上演と世界中から一流歌手を招聘することに着手します。そうした、まさにゼロからのスタートで、〝指環〟チクルスを完結されるのがどれほどの難仕事であったかは想像に難くありません。 しかも、録音史上の金字塔となるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのスタジオ録音と、このコヴェントガーデンでの〝指環〟上演は並行して行われていました。こちらもすべてにおいて初の試みであり、録音時には多くの困難があったことが伝えられています。...

アナログレコードの文化を守る OYAG SOUND ― 商品価格改定のお知らせ

商品価格改定のお知らせ 平素よりオヤッグサウンド製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 昨今の原材料費、包装資材費などの継続的な高騰を受け、企業努力によるコスト吸収に努めてまいりましたが、現状の価格維持が困難な状況となっております。 つきましては、誠に心苦しい限りではございますが、 2025年4月21日より 、全商品の価格を改定させていただくこととなりました。 皆さまにはご負担をおかけいたしますが、今後もより良い製品をお届けできるよう努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。 今後ともオヤッグサウンドをよろしくお願いいたします。 2025年3月1日 オヤッグサウンド 代表 南野 勝 OYAG SOUND 価格改定表 LP用 価格は 税込み価格 品名 現行価格 新価格 OYAG33-200cc 990 1,210 OYAG33-500cc 2,090 2,310 OYAG33-1000cc 3,190 3,410 OYAG33-2000cc 5,060 5,280 OYAG33-4000cc 8,030 8,250 OYAG SOUND 価格改定表 SP用 価格は 税込み価格 品名 現行価格 新価格 OYAG78-200cc 990 1,210 OYAG78-500cc 2,090 2,310 OYAG78-1000cc 3,190 3,410 OYAG78-2000cc 5,060 5,280 OYAG78-4000cc 8,030 8,250 OYAG SOUND 価格改定表 LP,SP用 価格は 税込み価格 品名 現行価格 新価格 OYAGクロス 770 880 4月21日より新価格でお願いします。 アナログレコードの文化を守るOYAG SOUND OYAG(オヤッグ)レコードクリーナークロス 20枚 OYAG(オヤッグ)レコードクリーナークロス 20枚 OYAG OYAGクリーニング液とコンビで使う「OYAGレコードクリーナークロス...

谷村新司さんに贈る追悼 素敵に紡がれる言葉 美しい日本語で歌うプレイリスト

Singing about autumn and winter scenes in beautiful Japanese. http://img01.ti-da.net/usr/a/m/a/amadeusrecord/2023-10-03-74_TX1.jpg May 30, 2025 at 02:09AM from アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e1192800.html via Amadeusclassics

モダン楽器のよさを満喫◉ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管 バッハ・ブランデンブルク協奏曲 第3、5番

ドイツの伝統を踏まえたバロック音楽の演奏としては無視できない内容だ。 GB DECCA SWL8001 ミュンヒンガー バッハ・ブランデンブルク協奏曲3,5番 ブランデンブルク協奏曲第5番は第1楽章のフルートに柔らかく暖かい弦がらみながらのゆったりとした流れに、この曲の良さを実感します。  第2楽章での、フルートの寂寥感に暖かいヴァイオリンのコントラスト、支えるチェンバロのトリオが味わい深く、そして、第3楽章の非常に明快なフーガが展開されていく様子は聴いていて実に心地よいです。  ミュンヒンガーの《ブランデンブルク協奏曲》は、しっかりとした音の輪郭、そして弦楽器のつやのある音色。それに手ごたえのある音のアンサンブルが、何よりも心地よく響いてくる。 このミュンヒンガーの演奏はバロック音楽が大人気になるきっかっけを作ったとして有名、非常にリズムがしっかりしており、骨太でな音楽です。たっぷりの安定感で、ひたすらしっかりとしています。まるで、ずっしりとした大木がぐいっとパワフルに生えているような、ゆるぎのない素晴らしい演奏となっています。 また、弦楽パートを中心とした楽器の音色は、かなり明るめで、加えて、この演奏にはそれほどの深刻さがありません。つまり、音楽を聴いて何かを深く考えてしまうということとは無縁の演奏のタイプです。 言い換えればミュンヒンガーの《ブランデンブルク協奏曲》は非常にかっちりとしたスキの無い、安定感に満ちた演奏。そして、それほど心に響くようなものではなく、それでいて各楽器は極めて美しく鳴り響いていて素晴らしい。  素晴らしく美しく響いている。これが物足りないようなときもありますが、それでもいつの間にかバッハの世界に浸りこむことには抵抗の出来ない魅力の力でしょう。 (1) record date:1958年10月 (2) record session:ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール (3) p&e:ジェームズ・ウォーカー (4) addition:優秀録音、名盤 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト 品番 34-22206 商品名 GB DECCA SWL8001 ミュンヒンガー バッハ・ブランデンブルク協奏曲3,5番 レコード番号 SWL8001 作曲家 ヨハン・セバスティア...

今でもスタンダードな解釈★シェリング、ヘンデル指揮シカゴ響☆ラロ・スペイン交響曲

通販レコードのご案内 名手シェリングがステレオ初期に RCA に録音した若き日の名演。スペイン情緒はそんなにないにしても艶やかな音で楽しませてくれる。 《RCA VICTROLAシリーズの初期プレス盤》IT RCA KV119 シェリング ラロ・スペイン交響曲  シェリングの音色は、とてもみずみずしく、のびのびしていて極めて美しい。美音の持ち主は往々にして自らの音の美しさに浸りきった演奏をしがちであるが、シェリングの演奏は調和が取れていて純粋・明瞭かつ客観的であり、耽美的な要素はない。この録音から聞き取ることができるのは、シェリングの技巧の完璧さと音のニュアンスの幅広さ、そして音楽の美しさである。  シェリングを退屈なヴァイオリニストという意見が一部にありますが、いえいえそういうことはありません。ここで聴かせるシェリングは充分に情熱的で情緒にも何の不足もありません。そのヴァイオリンの音は艶やかに歌い上げますが一切不足にならないところが流石です。  シェリングの演奏が厳しいとか精神性が高いと評されることがあるのは、音の美しさに浸りきった演奏をしないことに由来するのだと思う。和音の処理が見事なことである。随所に出てくる和音を、まるでオルガンで演奏しているかのように演奏することは生易しいことではないはずだ。また、シェリング特有の上から下に弾く和音によってリズムが躍動するのも好きだ。次に、音のニュアンスが幅広い点も気に入っている。シェリングの演奏上歴史に名を残す独 DGG に入れたバッハの無伴奏全曲聴けば、全て納得頂けると思います。本盤は、そのバッハをラロに移し変えたような快演。  録音、演奏共に極めて優秀と断言できます。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト 曲名 IT RCA KV119 シェリング ラロ・スペイン交響曲 レーベル RCA レコード番号 KV119 作曲家 エドゥアール・ラロ 演奏者 ヘンリク・シェリング オーケストラ シカゴ交響楽団 指揮者 ワルター・ヘンデル 録音種別 MONO コンディション ジャケット状態 EX レコード状態 M- 製盤国 IT(イタリア)盤 優秀録音、名盤。 清潔で芯の通った美しい音色と卓越した技巧を兼ね備え、作品の核心に肉薄しようと...

歴史的解釈と現代的解釈を見事に融合 ムーティ ブルスカンティーニ フレーニ ドニゼッティ 歌劇「ドン・パスクワーレ」

抱腹絶倒のギャグ・オペラが歴史を超えて現代に顕現! CDはアマゾンで購入できます。 声楽というもののテクニックの世界のひとつの頂点が、 ベルカント・オペラだ。 その中でも 抱腹絶倒のギャグ・オペラ が「ドン・パスクワーレ」。 オペラで腹を抱えて笑いたい人は、 ぜひとも楽しんでほしい! デジタル録音の恩恵 で、 キングズウェイ・ホールの美しい響きが、 空気感までも正確に再現されます。 ドン・パスクアーレの茶番に鋭いウィットと穏やかな感情をもたらした名演。 《仏ニュー・ニッパー盤》FR VSM 1434363 ムーティ ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」  新型コロナウイルス感染拡大防止でウィーン・フィルも演奏会の実行に頭を悩ましていました。バイロイト音楽祭は、2020年の開催を中止すると決定。2021年のウィーンから新年を祝う、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、史上初めて、無観客でのコンサートとなりました。指揮台に立ったのはリッカルド・ムーティ。  ウィーンでは、1973年に「アイーダ」を指揮して以来、国立歌劇場の演奏を担当しているウィーン・フィルと良好な関係を維持しています。国立歌劇場総支配人マイヤーも、2008年の「コシ・ファン・トゥッテ」後、疎遠になっているムーティに対して、諸手を挙げて歓迎すると語っています。  長年ウィーン・フィルがホスト役を担っている夏のザルツブルク音楽祭に、カラヤンの招きに応じて、1971年に「ドン・パスクワーレ」でデビューして以来、親密な関係を築いています。  2014年9月にローマ歌劇場の終身名誉指揮者を辞任した後、一説にはイタリア大統領に?などというスケールの大きな噂も流れ、何かと話題を提供しているムーティですが、イタリアでは、自らが創始したルイジ・ケルビーニ・ジョバニーレ管弦楽団での後進の育成に専念し、イタリア歌劇場のいかなるポストにも就かないと断言しました。すでにフィレンツェで12年間、ミラノで19年間、歌劇場で重要なポストに就いていたことを考えると、〝帝王〟とファンが呼び崇めるのも納得がいきます。 オペラで腹を抱えて笑いたい人は、ぜひとも楽しんでほしい。  声楽というもののテクニックの世界のひとつの頂点が、ベルカント・オペラだ。ベルカント・オペラとい...

【歴史的音盤】反復を敢行した最初の録音◉メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィル◯ベートーヴェン・交響曲3番《英雄》

通販レコードのご案内 盤を裏返したらまた同じ音楽が流れてきた! プレスのミスか? いやいや、『英雄』の第1楽章提示部の反復を敢行した最初の録音。 【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 ("EROICA")  収録曲は、ベートーヴェン作曲の交響曲第3番《英雄》。1930年録音。D.B.1599, D.B.1600, D.B.1601, D.B.1602, D.B.1603,D.B.1604, D.B.1605 7枚が揃っています。   メンゲルベルクを聴くなら後年のアムステルダム・コンセルトヘボウとのもの、一般的にはそう思われている。しかしながら、このニューヨーク時代も十分に個性的であり、完成度の高いものだということがわかる。音質に関しても、強いハム音が混入したりして、ばらつきのあるテレフンケン盤に比べれば、この英 H.M.V.の録音の方がずっと安定している。  ウィレム・メンゲルベルクは19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したオランダの大指揮者であり、トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラーを含むいわゆる「四大巨匠」の一人である。彼は必要とあらば楽譜上の指示を自己流に変更し、お馴染みの作品から瞠目すべきニュアンスを引き出して音楽的効果を上げる達人だった。そのロマン主義的なスタイルと、細部の表現に徹底してこだわる奏者泣かせの名人芸は、多くの音楽ファンを魅了し、一時代を築いた。  ウィレム・メンゲルベルクは1871年3月28日にオランダのユトレヒトに生まれ、オランダとドイツで音楽教育を受け、1891年にルツェルン市立管弦楽団の指揮者に就任。1895年にアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者に就任してからは、50年間の長きにわたってこのオーケストラを一流の演奏集団に育て上げた。1920年代にはニューヨーク・フィルの指揮台にも立ち、絶大な影響力を及ぼしたが、最終的にはアルトゥーロ・トスカニーニとの権力闘争に敗れ、ポストを明け渡している。戦後は不遇で、戦時中ナチスの招待を受けてドイツやフランスで指揮したため糾弾され、指揮活動を禁じられた。その後スイスに移住し、1951年3月22日に亡くなった。 ...